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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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株式会社ケンウッドは19日、2chのシステムコンポとして世界で初めて自動音場補正機能を搭載したCD/MDコンポ「K series」の体験・試聴会を開催。同社でホームオーディオの音質マイスターを務める萩原光男氏が、新モデルの機能や、音質にかける想いなどを語った。 K seriesは1日に発表した、CD/MDレシーバの「R-K700」(54,600円)と、2ウェイ、2スピーカーシステム「LS-K701」(ペア21,000円)、2ウェイ3スピーカーシステム「LS-K707」(ペア14,700円)で構成されるシリーズ。セット販売は行なわれず、レシーバとスピーカーを自由に組み合わせられ、他社のスピーカーも利用できる。
萩原氏は、今回のモデルのコンセプトや、ミニコンポながらスピーカーを別売にした理由について「子育てや家のローンが一段落ついた団塊の世代がマーケットに戻って来ている。彼らは本物の音を知っており、最新のCDだけでなく、レコードや昔の録音のCDなども所有している。最近のケンウッドは価格重視のコンポを提供してきたが、構造改革に伴う方針の転換として、そういった様々な音をキチッと再生できる、音質の良い製品を作る必要があった」と説明。 その音質については「中音域の厚みがあるのが特徴。店頭で目立つ、いわゆるミニコンポやマイクロコンポのドンシャリ系ではなく、あくまで原音再生にこだわった。評論家を含め、様々な方から“筐体はコンパクトだが、音作りは単品コンポのそれだ”という評価を頂いている」と語った。 試聴ディスクには女性ボーカルやクラシックを使用。萩原氏の説明通り中音から中低音にかけての表現が豊かで、迫り出しが良く、音像がスピーカーの前に展開する、いわゆる「鳴りっぷりの良い音」が印象的だ。以前カーオーディオの音質マイスターも担当していた萩原氏は、「カーオーディオでは中音を重視するヨーロッパ調の音質にこだわっていたため、その味が受け継がれている」と語った。
続いて、最大の特徴である自動音場補正機能「AUTO ROOM EQ」のデモも実施。内容は、まず何もイコライジングしない状態で試聴を行ない、その後、視聴席の上に付属のマイクを設置。音場補正をしたうえで、再度同じ曲を試聴するというもの。自動チューニングは左右のスピーカーから様々なピンクノイズが発せられ、1分程度で終了する。
補正前はコンポの真正面の席では、左右のスピーカーの間隔が狭いため、音場の狭さが気になった。しかし、補正を行なった後は音場が一気に拡大。各楽器の音像の定位がより明確になるのも確認できた。自動音場補正はAVアンプを中心に搭載機種が増えているが、スペースなどの問題で理想的なセッティングが行なえない場合が多い2chの低価格コンポでも、有用な機能と言えそうだ。 補正の内容は、ディレイタイム、左右チャンネルの音圧レベルに加え、接続したスピーカーの周波数特性も検出し、室内環境に合った特性に補正する。そのため、「理想的なスピーカーセッティングを行なった後でも、重ねてAUTO ROOM EQを行なうことで、スピーカーのグレードが上がったように音が良くなる」(同社)という。
さらに萩原氏は、ΣDSPを採用してプリアンプ部をフルデジタル化したことや、パワーアンプ部に差動三段増幅構成を採用したことなどを説明。今後の計画としては「多少値段が高くても、良いものならば購入したいという人が増えつつある。これからはメーカーの音を知ってもらわなければ生き残れない」と語り、「具体的な計画はまだ」としながらも、「単品のピュアオーディオ用コンポも含め、音質にこだわった商品展開で“音の王国”を再構築していきたい」と意欲を語った。
□ケンウッドのホームページ
(2004年11月19日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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