◇ 最新ニュース ◇
|
||
【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
||
|
株式会社竜の子プロダクションは8日、同社創立40周年を記念したオリジナルアニメ作品「鴉 -KARAS-」の制作発表会を開催。声優に初挑戦となる俳優の和田聡宏さん、渋谷飛鳥さん、鈴木かすみさんらが登場。「ジャパニメーション文化に一石を投じる」という新作の見所などを語った。 鴉(からす)は、ガッチャマンやキャシャーンなど、数々のヒーローアニメを手掛けてきたタツノコプロダクションが、21世紀のヒーローを目指して製作するという2D/3Dのハイブリッドアニメーション。企画原案と監督はさとうけいいち。キャラクターデザインは羽山賢二、妖怪デザインは安藤賢司。アニメ、CM、造形などの分野で活躍するスタッフが名を連ねている。
舞台は近未来の東京。夜を忘れ、人間と隣り合わせに暮らす妖怪の存在を忘れた新宿。そこでは、人間が何者かに体液を抜かれ、殺害されるという連続殺人事件が起こっていた。犯罪に加担しているのは、廻向(えこう)という謎の人物。彼はかつて「鴉」と呼ばれる街の守護者であったが、いつしか自らを廻向と名乗り、人間への復讐を開始したのだ。
連続殺人を止めるため、街の意思を代行し、鴉を使役する存在・ゆりねは、音羽(おとは)という青年を新たに鴉として選ぶ。かくして、妖怪と人間の未来をかけた新旧・鴉の戦いが勃発。「噂の現場」のレポーターとして新宿にやってきた新人タレントのヒナルや、新宿署の呉刑事などを巻き込み、激しい戦いが巻き起こる。
DVDは5月28日発売で、価格は未定。通常版とコレクターズ版の2種類を用意し、コレクターズ版には様々な特典が付属するという。なお、1話約30分の6巻シリーズとなっており、DVDは毎月発売されるとのこと。そのほかの詳しい仕様も未定だが、音声はドルビーデジタルEXで収録される。 また、3月25日から3月31日まで、スカイパーフェクTV! などで先行PPV放送が行なわれるほか、5月1日にはAT-Xでもオンエアされるという。
■「世界に通用する映像で、新しいヒーローを」 タツノコプロダクションの九里一平社長は「タツノコの40周年記念作品を作るという話になり、予算も大きくとり、それに恥じないクオリティの作品を作りたかった」としたうえで、「新しいことにチャレンジすることが重要という考えのもと、2Dと3Dを組み合わせた新感覚の映像に挑戦した。今まで様々なヒーローを生み出してきたが、新しい時代のカッコいいヒーローを生み出したいと思っている」と意気込みを語った。 さとうけいいち監督は「ハイスピードカメラを使ったような、ストップモーション的な演出をアニメにも取り入れた。また、2Dと3Dの融合についての技術面では、モーションキャプチャーをあえて一切使っていない。3Dの動きを人間に近づけるのではなく、3Dのキャラクターをアニメ的な手法を使って表現することで、これまでの融合とは異なる、一歩踏み込んだ魅せ方ができたと思う。第1話は満足できるクオリティになった」と振り返った。
なお、同日には第1話の試写も行なわれたが、監督の言葉通り「リアリティよりもカッコ良さ」にこだわった鴉の動きが印象的だった。3DCGは主に戦闘シーンで使用されているのだが、2Dと切り替わる瞬間でも違和感は少ない。分離感を抑えるため、独特の色使いやライティング、カット割りなどにも様々なテクニックが使われているように感じられた。
物語はとにかくハイスピードで展開する。30分が15分に感じられるほどで、戦闘シーンのスピード感も特筆に値する。空中を自在に飛び回る戦いは斬新だが、主な使用武器は刀で、殺陣が繰り広げられる。また、歌舞伎を彷彿とさせる動きも見受けられるなど、和のテイストを印象付ける独特のものに仕上がっている。なお、背景描写やキャラクターの動きは、大作OVAの期待を裏切らない緻密なものだった。 「“ヒーロー”と聞いてイメージするのは“孤独”」と答えるのは、鴉(音羽)を演じた和田さん。「鴉は自分の中のヒーロー像にピッタリだった」と、演じた感想を語った。 「芸能界での成功を夢見るヒナルは、今の私そのものです」と語るのはヒナルを演じた渋谷飛鳥さん。国民的美少女コンテストでグランプリに選ばれ、芸能界に入り、新潟から東京に出てきた彼女にとって、ヒナルという役には共感するところが多いという。
鴉を使役するゆりねを演じたのは鈴木かすみさん。初声優に挑戦した感想は「どこでセリフを言えばいいのかわからなくて、大変でした。監督や周りの人に助けてもらって、なんとかやれました」と笑う。「鴉の力を解放してあげたりする重要な役。カッコよくて気に入っています」とのこと。
なお、同作品はアメリカのロサンジェルスで行なわる「東京国際アニメフェア」のプレイベントにおいても同時発表されており、日米同時進行のプロジェクトとなる。近未来の物語ながら、和のテイストを感じさせ、アクションは忍者や歌舞伎を彷彿とさせるため、日本のみならず海外でも話題となりそうだ。 (c)TATSUNOKO Pro./TOSHIBA ENTERTAINMENT,Inc. 2004 All rights reserved. □タツノコプロのホームページ
(2005年2月8日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |