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ソニーは15日、同社従来品よりも単位体積当たり約3割の高容量化を実現したというハイブリッドリチウムイオン充電池「Nexelion」(ネクセリオン)を開発。2005年春にハンディカム向けバッテリパックとして発売すると発表した。 繰り返し充電できる二次電池の新モデル。従来の黒鉛系負極材に代えて「スズ系アモルファス材料」を採用することで、単位体積当たりの電池容量を約3割増やすことに成功したという。 スズやケイ素、また、それらの元素を含む化合物はリチウムイオン充電池の高容量化を実現する負極材料として注目されてきた。しかし、充放電時の粒子形状変化が大きく、充放電を繰り返すと電池容量が低下するという、サイクル特性の悪さが課題だった。 同社ではこの問題を改善するため、新たにサイクル特性に優れた「スズ系アモルファス負極」を開発。スズ、コバルト、炭素などの複数元素を原子レベルで均質混合し、アモルファス化処理した材料で、充電時の単位体積あたりのリチウムイオン密度を5割向上させた。 また、高容量化だけでなく、従来の黒鉛負極に比べてリチウムイオンの受け入れ性が良いため、充電効率が従来比で約20%向上。30分で満充電容量の約90%を充電できるという。 ほかにも、耐過放電特性などを改善したマルチコンポジット正極や、電解液、電池構造などを新たに開発。0度の環境でも常温(25度)における放電容量の90%を放電することができ、零下20度の環境下の放電容量も従来より4割向上するなど、低温特性も向上している。 商品形態は第1弾として、ハンディカム向けのバッテリパックに採用される。同製品に採用するセルは14×43mm(直径×高さ)の円筒形。電流容量は910mAh(従来比3割増)、電力容量3.15Wh(従来比2割増)。なお、充電電圧は4.2Vで、従来のリチウムイオン充電池と同じ充電システムが使用できる。
同社はNexelionについて「新たに採用したスズ系アモルファス材は、リチウムイオン充電池の次世代を担う高容量負極材料。今後も技術開発を進めて、更なる高容量化、使用機器の高機能化、長時間駆動に寄与したい」としている。
□ソニーのホームページ
(2005年2月15日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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