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株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズとシャープ株式会社は、ビル/マンション向けに、60GHz帯ミリ波無線伝送を用いた新しい共同受信システムを開発したと発表した。2005年中に同システムを用いた実証試験を行ない、アンテナメーカーなどと協力して製品化を目指す。
ビルやマンション等の共同住宅で、屋上などに設置した共同アンテナからの映像を、60GHz帯ミリ波無線を利用して各部屋に備えたレシーバで受信。スカパー！(124/128度)と、地上/BS/110度CSデジタル放送の合計5波を各部屋で視聴可能とする。 従来の共聴アンテナを設置するマンションでは、既設の同軸線では周波数帯域が1GHz程度となっており、スカパー！(124/128)の2衛星分の帯域を確保することが難しい。スカパー！の全チャンネルを共同受信しようとすると建物内の同軸ケーブルを2軸化するなどの配線工事が必要となる場合が多いという。そのため、スカパー！の導入を諦めたり、チャンネル数が制限されるため、スカパー！の展開するチャンネルパックを提供できないなとの弊害があった。
今回の60GHz帯のミリ波を利用することで、広い帯域が確保でき、2衛星分の信号をまとめて伝送できるほか、2軸化工事などと比べて遙かに安価で、かつ大規模な工事を行わずに集合住宅の各戸に映像配信できる。また、共聴アンテナを利用することで、スカパー！が直接受信できない西、北方向の共同住宅でも受信が可能となる。 今回開発したシステムでは、1つのスカパー！用送信機と受信機でスカパー！の放送波を送れるほか、もう1組の送受信機を追加することで地上/BS/110度CSデジタル放送にも対応できる。試作機の送/受信機のサイズはともに12×6×4cmと小型で、無線伝送距離は35m。10階建て程度のビルやマンションで利用できる。1台の送信機を屋上などに配置し、左右それぞれの部屋、最大20戸までの映像配信が可能という。
スカイパーフェクト・コミュニケーションズの仁藤雅夫常務取締役は、サービス開始時期について「まだ確定できないが、すでに試作機もできており、実証試験の結果を見ながら、アンテナメーカーなどと協力と協力して早期の実用化を目指したい」と説明した。 また、シャープ 技術本部 デバイス技術研究所所長の種谷元隆氏は、同社が開発した60GHz帯ミリ波送受信モジュールと、60GHz帯のミリ波を使う利点を解説。高周波数のためアンテナの小型化が有利かつ、伝送帯域が2.5GHzと広いためスカパー！の2衛星分を1台で伝送可能。さらに特定省電力規格に準拠しているため、無線免許の取得も不要となっているという。なお、隣接する住宅への混信については、「基本的には起こらないと考えているが、どのような条件で起こりうるかという点も含め、実証実験で検証していきたい」とした。
(2005年2月17日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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