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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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株式会社東芝は22日、同日に行なわれた取締役会において、現在執行役専務を務めている西田厚聡氏が、同社の次期社長候補として指名され、決定したと発表した。これに伴い、岡村正社長は取締役会長に就任。西室泰三会長は相談役に退く。 東芝は委員会等設置会社に移行しているため、同人事は21日に開催された指名委員会で策定、22日に行なわれた取締役会で決定した。なお、指名委員会には、岡村社長が事前に西田氏を推薦。その人事情報をもとに経歴や実績、人物評などを委員会が総合的に検討・審議を行ない、指名に至ったという。
岡村社長は、社長就任5年で交代を決意した理由について「20世紀型のビジネスを展開していたことと、ITバブルの崩壊が重なり、2002年3月期には大きな赤字を出してしまった。しかし、その後の構造改革で、21世紀型の経営システムを構築し、新しい東芝の枠組みを作ることができたと思っている。そして“映像の東芝の復活”という目標を掲げ、新たなスタートを切った。今年は創立130周年にあたる節目の年でもあり、これからの東芝には、より強力なリーダーシップを持ったトップが必要だと考えた」という。
そして岡村社長は、西田専務を「PC事業の立役者」と紹介。「今後のユビキタス時代においては、PC事業で培ってきた経験を存分に活かしてくれると思う。海外でのビジネス経験も豊富で人脈もある。世界規模の競争を勝ち抜き、世界から価値ある企業だと認められる東芝を作って欲しい」とエールを送った。
西田専務は‘92年に東芝アメリカ情報システム社の社長に就任し、その後デジタルメディアネットワーク社、PC&ネットワーク社の社長などを歴任。米国のデスクトップPC事業立て直しに尽力。最近では新ブランド「Qosmio」を投入するなど、主にPC事業で手腕を発揮している。なお、PC&ネットワーク社の後継社長人事は未定。4月下旬までに選任されるという。
「先週この人事の話を聞き、驚くと同時に身の引き締まる思いがした」という西田氏。「私なりの方針などはもう少し時間をいただいてから、あらためてお話したい」としながらも、「変化の激しいPC事業では、開発・生産・営業のサイクルスピードをあげることが最も重要だと痛感した。今後はスピーディな経営を心がけつつ、デジタルプロダクツ/電子デバイス/社会インフラの3つの事業の柱について、グローバルな市場で勝ち抜る企業にしていきたい」という。
また、「各分野においては、技術的にキラリと光るものがあり、東芝らしいと注目される商品や技術を作り上げ、130周年を迎えた東芝ブランドに新たな輝きを与えたい。そのためには、1人1人の社員が広い視野を持ち、競合他社を常にベンチマークし、常に緊張感や危機感を持ちながら、一丸となって進んでいくことが重要。逆境ではひるまず、順境ではおごらず、全社一丸で取り組みたい」と、抱負を語った。 なお、西田氏は「映像の東芝」の復権の鍵を握る、HD DVDやSEDなどの新技術について「HD DVDは消費者にとって最も利点の大きいメディアであると確信している。公平な目でほかのフォーマットと比較しても、様々な強みがあると思う。2005年12月にはノートPCにも内蔵できるHD DVDドライブを発売し、2006年にはHD DVDを内蔵したPCを100万台出荷したい」などの計画を披露。
SEDについては「イベントなどで見ていただいた人には、その高画質を充分理解していただけたと思う。消費電力にも優れ、薄型と、極めて競争力のある技術であり、我々にとって大きな武器になってくれるだろう」と、今後の展開にも強い自信を示した。
□東芝のホームページ
(2005年2月22日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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