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米SILICON LABORATORIESは14日、ポータブルオーディオプレーヤーや携帯電話などへの搭載を想定したFMラジオチューナシリーズ「Si470x」を開発したと発表した。基本的な機能を持つ「Si4700」と、欧州・米国向けのラジオ・データ放送規格RDS/RBDSに対応した「Si4701」の2製品を用意。10,000個ロット時の価格は4700が3ドル、4701が3.15ドル。量産出荷は2005年第4四半期を予定。評価ボードは150ドルとなっている。
半導体の製造プロセスにCMOSを利用し、既存製品と比較して外部コンポーネント数を90%以上削減、基板の大きさを60%以上縮小したというFMチューナ。具体的には、従来30個程度必要だった外部コンポーネントを、選択フィルタリング、自動ゲイン制御、周波数シンセサイザ、オーディオプロセッサなどの機能を集積することで、外部供給のバイパス・キャパシタ1個のみに削減。 実装面積は一般的な6×6mm/40ピンから、4×4mm/24ピンのQFNパッケージサイズまで小型化。従来の6分の1のスペースでFMラジオ機能が搭載できるとしている。
製品担当マネージャのタイソン・タトル氏によれば「製造プロセスルールも異なり、Si470xは0.13μmのCMOS、他社の一般的な製品は0.5μmのBiCMOSプロセスを使っている。高集積化することで消費電力の低減が図れるほか、製品開発期間の短縮、製造過程の簡素化も期待できる」という。
受信周波数は76~108MHz。感度と雑音除去機能を向上させ、無音時のノイズを低減。電波が混信した状況でもより正確に、多くの放送局が受信できるとしている。
■ ラジオ・チューナは2008年に10億台に
タイソン・タトル氏はラジオ・チューナの市場動向について、「現在全世界で5億個のチューナが発売され、2008年には10億台まで拡大するだろう」と予測。その成長要因として携帯電話とポータブルオーディオプレーヤーへの内蔵需要を挙げた。 同氏は「GSM、CDMA、3Gなど、様々な方式の携帯電話にFMチューナ機能が加えられ、2008年には携帯電話の50%でFMラジオが受信できるだろう」とした上で、「これにポータブルオーディオプレーヤーを加えると、チューナ全体の半分を占めることになる」とし、新製品の需要の高さをアピール。
また、「特にアジア太平洋地域での需要拡大が見込める」とし、「アジア向けが全体出荷の60%を占めるだろう」と語った。
今後の予定については「家庭用や自動車用のチューナではAMの受信機能が求められている。この分野にも訴求できるように、今後はAMチューナの開発も検討していきたい」という。
また、米国でHDラジオと呼ばれている衛星ラジオについては「2008年度でも市場全体に占める割合は少ないだろう」と予測。テレビチューナに関しては「関心を持っており、有効な技術も持っているが、具体的な計画はまだない」とした。
□SILICON LABORATORIESのホームページ
(2005年4月14日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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