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今年も世界最大の放送機材展、「NAB」(National Association Of Broadcasters)の季節がやってきた。ここ砂漠の街ラスベガスは、夜は若干冷えるものの、すでに日中はTシャツ1枚でOKという、一年の間でもっとも過ごしやすい時期を迎えようとしている。 展示会場は毎度おなじみラスベガス コンベンションセンター(LVCC)。現地時間の4月18日から21日まで、世界の放送機器メーカーとエンジニアたちが一同に集結することになる。昨年の来場者数は約12万人と、世界最大規模の展示会と言われるCESに迫る勢いだ。今年の出展ブースは昨年より10数社減ったとはいえ、1,379社にも上る。
会場の構成としては例年どおり、旧来のハードウェア機材群がセントラルホールとサウスホール2階、メディア・インターネット系がサウスホール1階、オーディオ系がノースホールという布陣となっている。すでに一部のカンファレンスは16日土曜日からスタートしていることもあり、まだまだ設営中のホール内と違って、通路周辺の設営はすでに完了し、NAB関連商品や技術資料などを販売するNABストアはすでに営業を開始している。 今回のNABで注目されるのは、新しいタイプのHD機器だ。PanasonicのP2、SONYのXDCAMなど新フォーマットの対応状況は注目だろう。またコンシューマのフォーマットながら、昨年のNABでは高い関心を集めた「HDV」がどのような展開となっているのかも、非常に興味あるところだ。 それというのも、ほとんど興味がないのかと思われていた米国のHDTV化が、ここ2年の間で急速に立ち上がってきたという事情がある。このあたりは毎年CESでの受け手側の状況と、NABの送り手側の状況とが、がっちりリンクしていることからも明らかだ。今年のNABでは、各社ともHDソリューションがどれだけ現実的なものとして見せられるかが勝負となることだろう。 また最近のニュースでは、業界で数多くのソリューションを買収し巨大化してきた、いわゆる「買収王」のPinnacle Systemsを、あのAvidが買収を発表するという衝撃的な事件も起こっている。一般向けには「プロ機のAvid」と「コンシューマのPinnacle」の合体といわれているようだが、放送機器に目をやれば、かなり両社で競合している製品が多いだけに、今後の動向は目が離せない。 そんなわけで、今週と来週のElectric Zooma!は、特別編としてこのNAB2005の模様をお送りする。どんな話題が飛び出すのか、お楽しみに。 (2005年4月18日)
[Reported by 小寺信良]
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