|
ベンキュージャパン株式会社(BenQ)は24日、台湾BenQコーポレーションからCEOのケイ・ワイ・リー氏を招き、記者会見を開催。同社のデザインコンセプトや差別化技術、日本や世界における今後の戦略などを発表した。また、新製品の展示も行なわれ、未発表のHDMI端子搭載のホーム用DLPプロジェクタも紹介された。 プロジェクタの型番は「PB7700」。2004年12月に発売された「PE5120」に続く、同社のホームシアター用DLPプロジェクタの第2弾モデルとなっており、日本での発売は6月中旬頃を予定。価格は未定だが「30~35万円の価格ゾーンを想定している」(同社)。 「販売は直販サイトだけでなく、AV専門店での販売も予定している。家電量販店で大量に販売するというイメージよりも、専門店で説明などを聞き、納得して購入してもらうようなスタイルを想定している」という。
1,280×720ドットのDMDパネルを搭載した単板式のDLPプロジェクタで、輝度は1,100ルーメン。コントラスト比は2,500:1.動作音はエコノミーモードで26dB、ノーマルモードで29dB。 HDMIを1系統備えるほか、コンポーネント(RCA)、アナログRGB/コンポーネント(BNC)、S映像、コンポジットを各1系統用意。RS-232ポートも用意する。外形寸法は380×300×115mm(幅×奥行き×高さ)。重量は5.5kg。 会場にはほかにもコンセプトモデルとして、フラッシュメモリ内蔵型のデジタルオーディオプレーヤーや、液晶ディスプレイを備えたUSB接続の外付けCD-R/RW、DVD-ROMドライブなども展示された。いずれもモックアップで、具体的な製品の発売時期や価格などは未定となっている。 オーディオプレーヤーはハンバーガーのような形状で、ゴムのような柔らかい素材でプレーヤー本体を挟むようなフォルムが特徴的。素材内部には磁石が埋め込まれており、プレーヤー部と密着するようになっている。そのため、洋服やバッグなどに挟んで固定することができる。
■ 「日本市場は学習の場」
CEOのケイ・ワイ・リー氏は、同社の設立経緯やグループ企業、事業内容を解説。特徴的な水平的統合&垂直分業型の会社形態を採用していることなどを説明した。さらに、2004年度の売り上げがBenQコーポレーションで49億USドル、グループ全体で105億USドルを達成したことを報告。グループ全体で100億USドルを越えたのは初めてで、前年比50%増を達成したという。
ケイ・ワイ・リー氏はこの成果について「独創的で新しい技術こそが重要という信念のもと、3,000人以上の研究開発人員を持ち、2,000個を越えるグローバル特許を取得。世界中に専門技術センターを開設した。こうして培った技術力とコストパフォーマンスが、他社との差別化に繋がっている」と説明。
その上で、日本での展開については「尊敬できる企業が沢山ある。日本の消費者の要求レベルは非常に高度で厳しい。だからこそ、我々は日本市場を学習の場と考えており、ここで得た経験を踏まえて、大きく世界に展開していきたい」と、抱負を語った。なお、日本での具体的な製品展開としては、液晶ディスプレイやプロジェクタ、ストレージデバイスなどを中心に展開していくという。
さらに、アジア・パシフィックの代表取締役社長エイドリアン・チャン氏は、同社のデザイン戦略について説明。「Design、Efficiency、Experience、Preferenceの頭文字を取って、DEEPというコンセプトを掲げている。これは西洋と東洋の要素の融合や開発サイクルの効率向上、経験、ブランドに対する優先度の高さなどを意味している」という。 チャン氏はその一例として、中国のカリグラフィーを取り入れたノートパソコンや、モネの絵画を取り入れたスキャナなどを紹介。ミラノのファッションショーでデザイナーとコラボレートしたり、日本のBeamsと協力して、ファッションアイテムとBenQの製品を組み合わせた提案・販売を行なうなどの活動を報告。
これらを踏まえて「広告などでブランドの認知拡大を行なう段階は過ぎ、次の段階に移行しつつある。今後は店頭でのプロモーションやショールームの設置などもより積極的に行なっていきたい」と、今後の計画を語った。
□ベンキュージャパンのホームページ
(2005年5月24日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|