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オンキヨーと東都積水、エンクロージャを共同開発
-自由なデザインで低価格な木製スピーカーを実現


左が量産用モックアップ、右がプロトタイプ成形品
6月22日発表


 オンキヨー株式会社は22日、東都積水株式会社と共同で、スピーカーのエンクロージャに利用する新技術「AEET」を開発したと発表した。オンキヨーは、同技術を使用したスピーカーを2005年末から2006年春にかけて商品化するとしている。

 スピーカーのエンクロージャは大きくわけて、コストがかかるものの音質が良い木製のものと、量産性を重視してABS樹脂などを使った「射出成形型」の2種類にわけられる。新たに開発されたAEETは、「Advanced Extrusion Engineering Technology」の略で、木製キャビネットと射出成形の利点だけを兼ね備えたエンクロージャを実現できるという。

 AEETは、「異形押出し成形」と「木粉充填技術」から構成されている。異形押出し成形とは、断熱サッシの枠材など、精密形状を要求される樹脂製品の生産に利用されていた技術で、素材となる樹脂を押出機で溶融・混錬し、金型で任意の形状に押し出す。それを引取機で引き取りながら、冷却金型と水槽で成型し、決められた長さにカット後、完成となる。

 木粉充填技術は、素材となる樹脂に木材を混合させる技術。木材を一定の大きさの粒になるまで粉砕。それを樹脂に配合させ、異形押出し成形でエンクロージャの形状に成形した。

 同社はこれらの技術について「木材は音質が良いものの、加工形態としては平板が基本で、箱状のデザインがほとんどだった。しかし、異形押出し成形で自由な形状が可能となり、共振と定在波が防げる。また、木粉を配合することで、樹脂を響きの美しい素材に仕上げられ、音質面のメリットも確保できる」と説明している。

 コスト面でも利点があり、従来の樹脂射出成形では、1機種ごとに金型を作る必要があったが、異形押出し成形技術では、引き出す長さを調節することで、1つの金型で複数の長さの製品に対応できる。具体的には、フロント、センター、サラウンド用のスピーカーが、1つの金型で製作できるという。

 さらに同社は「木材でありながら、魅力的な外観デザインを持った製品が実現できる。また、木粉は余材リサイクルから調達できるため、エコロジー面でも優れている」としている。

 両社は今後、混合物や基本樹脂の新素材や成形形状などを研究。エンクロージャだけでなく、そのほかの映像・音響機器のハウジング素材や、シアタールーム用の音響用住宅建材など、用途拡大も図るという。

□オンキヨーのホームページ
http://www.jp.onkyo.com/
□東都積水のホームページ
http://i-front.sekisui.co.jp/toto-sekisui/
□ニュースリリース
http://www2.onkyo.com/jp/what/news.nsf/view/co-develop_sekisui_200506?OpenDocument

(2005年6月22日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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