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アキュフェーズ、約30万円の単体FMチューナ
-DSPでステレオ復調をソフトウェア処理


7月下旬発売

標準価格:29万4,000円


 アキュフェーズ株式会社は、水晶発振器を使った「DDS方式」を採用した高級FMチューナ「T-1000」を7月下旬に発売する。価格は29万4,000円。

 水晶発振器を利用したDDS方式などを採用したFMチューナ。単体高級FMチューナの市場は縮小しているが、その存在価値について同社は「ネットワークを通じた音楽配信など、ソースは多様化しているが、FM放送には幅広いジャンルと年代の音楽を一日中提供しているという魅力がある。また、最近では地元密着型のコミュニティーFMにより、生放送の強みを発揮する身近な局も増えている」と説明。「気軽に聞けるFMラジオを最高の音質で楽しみたいという要望に応え、先進の高周波テクノロジとデジタル技術を融合させた」という。

 通常、FMチューナはアンテナから入力された高周波信号をRFアンプで増幅し、局部発振器からの信号を混合し、中間周波数に変換するが、T-1000では局部発振器にDDS(Direct Digital Synthesis)を搭載した。これは、水晶発振器の出力を分周器で分周し、サンプリング周波数を生成。その周波数で正弦波のアナログ波形を作り出すというもの。

 PLL回路のような帰還方式による帰還ループが発生しないため、水晶振動子とまったく同じ周波数純度の信号を生成でき、IF段に不要な周波数変調成分を注入することなく、高いS/N比が実現できるという。

 また、大入力時の混変調の発生を防ぐため、アンテナ複同調回路を採用。高周波増幅にはカスコード構成のFETを採用。入力のゲートにアッテネーター回路を設けるなど、大入力妨害への対策を徹底している。

 検波器には、独自の「アドバンスドDGL(Differential Gain Linear)検波回路」を搭載。また、ステレオ復調にも独自のDS-DC(Direct Synthesis - Double Cancellation)方式を採用したステレオ復調回路を搭載。パイロット信号の直接合成処理と、クロストークの二重打消し処理を、全てDSP上でソフトウェア処理することで、チャンネル・セパレーションが向上したとしている。

 フロントパネルにチューニングのプリセットボタンを計16個備えるほか、独自のパルス・チューニング方式を使ったマニュアル選局も可能。混信時に、フィルターの中心周波数に対して帯域を確保しながら受信周波数を10kHz間隔で移動できる「FREQ.TRIM」モードも備えている。

 モノラル時の実用感度は11dBf(IHF)、S/N50dB感度は17dBf(IHF)。S/N比は90dB。ステレオ時のS/N 40dB感度は29dBf(IHF)、S/N50dB感度は37dBf(IHF)。S/N比は85dB。周波数特性はモノラル/ステレオのどちらも10Hz~15kHzとなっている。

 出力端子は、アナログ出力をバランス(XLR)/アンバランスの各1系統、さらに同軸デジタル出力も1系統備えている。外形寸法は465×402×140mm(幅×奥行き×高さ)。重量は11.8kg。

□アキュフェーズのホームページ
http://www.accuphase.co.jp/
□製品情報
http://www.accuphase.co.jp/t-1000.htm

(2005年7月7日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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