|
株式会社東芝と、スイスのクラリアントは4日、有機色素をベースとした2層式の30GB HD DVD-Rメディアの開発に成功したと発表した。1層式のHD DVD-Rは既に開発されているが、2層HD DVD-Rの開発は初めて。クラリアントは同ディスクに使用した有機色素「Optofast」シリーズをディスクメーカー向けに販売していく予定。 2層HD DVD-Rは現在のところ規格化されていないが、2005年中にも最終的な規格が承認される見込み。1層で15GB、2層で30GBの容量を持つ予定。 新たに開発された色素は、高い反射率、熱伝導性、透過性、高感度などの特性を持っていることが特徴。既に確立していた1層式HD DVD-Rに使用された有機色素技術の知見を基にしており、2層式ディスクを構成するL0/L1の両方のディスクに使用できるという。 また、同色素はDVD-Rと同様に、記録層にスピンコート法での製膜が可能。HD-DVDディスクは、DVDと同様に0.6mm厚の基盤を2枚背中合わせに貼り付ける構造を採用しているため、DVD-Rメディアを手掛けるメーカーの生産設備を、そのままHD DVD-R生産用に切り替えられられるという特徴がある。今回の色素により、さらに生産コストを低減できるという。
今回の発表に関して、東芝の山田尚志首席技監は「現在のDVD市場はDVD-Rが圧倒的に多く使われているが、この傾向は次世代DVDにおいても変わらないだろう。この有機色素材料により、ディスク製造時にコストメリットのあるスピン・コーティング法を用いることが可能になり、業界と消費者にとってHD DVD-Rは更に近いものになった」と説明している。
□クラリアントジャパンのホームページ
(2005年8月5日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|