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総務省、地下鉄/地下街における放送の再送信に関する中間報告
-1セグ放送やデジタルラジオを地下鉄車内でも受信可能に


8月9日発表


 総務省は9日、6月27日から開催していた「地下街等電波遮蔽空間における地上放送の普及の在り方に関する調査研究会」の中間取りまとめを発表した。

 同調査会は、既存のアナログラジオに加え、2006年に放送開始を予定している地上デジタル放送の携帯端末向け1セグ放送や、地上デジタルラジオなどを、地下街や地下鉄に代表される「電波遮蔽空間」でも受信できることを目指して開催されたもの。

 学識経験者や放送事業者、関連メーカー、施設管理者、携帯電話事業者などが参加しており、電波遮蔽空間での不感対策における制度的・技術的課題や、その推進方策について検討することを目的としている。

 現在、携帯電話については不感対策が進んでおり、2004年度末の時点で、対策が行なわれている地下駅は94%(764駅中718駅)、地下街は92.5%(80箇所中74箇所)。だが、ラジオ放送が聞けるのは地下街については東京・八重洲地下街のほか2箇所、地下鉄は都営地下鉄のみに留まっており、放送の不感対策は通信と比べ大幅に遅れている。

 研究会ではこの理由を「道路トンネルなどでは非常災害時の割り込み放送を行なう用途もあるため、施設管理者側の自主的な整備が進んでいる。しかし、地下街などはそのような事情がなく、不感対策を支援するスキームもなく、施設管理者独自の整備に委ねられているため」と分析している。


■ 対策方法と問題点

 対策の促進にあたり、研究会では対象範囲を画定。地下街では公共性に鑑みて、「道路や駅広場などの公共用地の地価に配置された、店舗や各種サービス施設」を検討対象とし、デパートの地下階など、民有地の地下街は除外。地下鉄は列車が走行するトンネル内と駅構内の両方が検討対象となるが、規模が地下街よりも大きいため、「防犯上の観点からそれぞれのカテゴリーに応じた優先順位を付けつつ対応することが適当」とした。

 また、地下街には、消防・警察無線用設備として無線通信補助設備や、携帯電話の再送信設備があり、地下鉄では列車無線も利用されている。放送再送信設備導入にあたっては、これらへの影響の確認が必要なほか、地方自治体の条例による地下街の天井高の制限や、設置スペースの確保も問題になる。また、列車内送信による車内受信レベルの向上なども課題として挙げられている。

 対策を行なう主体については「比較的安価に設置できるAMラジオの再送信設備が3箇所しか整備されていないことや、FMや地上デジタル放送の再送信にはさらにコストが必要になることを考えれば、従来通り、施設管理者側の自主的な対応に委ねたまま整備が進展するとは想定しづらい」とし、国、放送事業者、施設管理者などが連携・協力して推進する必要性を訴えている。

 また、地下空間における方送受信者のマナーやリテラシーの確立についても、検討する必要があるとしている。

 なお、再送信設備がもたらすメリットも提示。放送事業者には視聴者の増加や、通信と放送を連携させたサービスの可能性拡大、災害時の役割の着実な実施、施設管理者には施設内のサービス向上、補完的な災害情報提供ネットワークとしての活用できるなどのメリットを挙げている。

□総務省のホームページ
http://www.soumu.go.jp/
□ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050809_1.html

(2005年8月11日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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