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株式会社マランツ コンシューマー マーケティングは、鹿島建設株式会社と英サウサンプトン大学音響技術研究所が共同開発した立体音響技術「OPSODIS(オプソーディス)」を利用したサラウンド再生システム「ES-150」を10月に発売する。価格は、2chのプリメインアンプとしても使える専用アンプ「ES-150A」が21万円、3BOXスピーカー「ES-150S」が157,500円、両製品のセットが367,500円。 OPSODISは、「Optimal Source Distribution Technology」の略で、視聴者の前方に数個のスピーカーを配置するだけで、視聴者の左右や後方、上下を含む360度の立体音響を創出できるという新しいバーチャルサラウンド技術。鹿島建設とサウサンプトン大学音響技術研究所が開発し、マランツが製品化権を取得した。 最大の特徴はスピーカーのセッティングにあり、ツイータとミッドレンジ、ウーファの各ユニットを、リスナーの正面から左右対称へ、水平方向の同一軸上に広げて設置。各周波数の音が互いに打ち消し合わず、リスナーの耳に届いた時点でフラットになるように配置し、専用のプロセッサを併用して耳に理想的な音波を送る。ユニットからの直接音だけを聴くため、反射音を利用せずに明確な音場が創造でき、設置環境に左右されずにサラウンド感が得られるという利点がある。 同社は「5.1chに匹敵する明確な定位と、それを越える音の移動感を実現した」と説明。また、一般のバーチャルサラウンド技術と比べ、反射音の利用や音の改造が少ないため、オリジナルソースにより忠実な再生が行なえるという。同社では「SACDやDVDオーディオのマルチチャンネルソフトの高度な再生や、バイノーラル録音したソースの再生にも適している」と説明している。 ES-150は、OPSODISプロセッサを搭載したプリメインアンプと、3BOXスピーカーで構成している。アンプのES-150Aは同軸/光デジタル入力を備えており、ドルビーデジタル、DTS、AACのデコーダを搭載。映像入力は備えていないが、DVDプレーヤーなどと接続してサラウンド再生が行なえる。
信号処理用にシーラスロジック製のDSPと、OPSODIS処理専用にTI製のオーディオDSPを2基搭載。計3基のDSPを内蔵する。パワーアンプ部にはD2オーディオ製のデジタルアンプを採用。定格出力は100W×2ch(6Ω時)。サラウンドの細かな設定が可能で、リスニングポイントまでの距離や、仮想フロントスピーカーの高さ、間隔、仮想リアスピーカーの位置と高さの調節なども行なえる。 なお、OPSODIS処理回路をバイパスすることも可能で、DACを内蔵した2ch用プリメインアンプとしても利用できる。スピーカー出力を2系統備えているため、OPSODIS専用スピーカーES-150S以外に、通常の2chスピーカーも接続可能。
入力端子は同軸デジタル、光デジタルを各2系統、アナログ音声(ステレオ)を3系統、アナログマルチチャンネルを1系統用意。出力はプリアウトを1系統、サブウーファを2系統、ヘッドフォンを1系統用意。S/N比はデジタル入力が111dB、アナログが99dB。外形寸法は440×123×434mm(幅×奥行き×高さ)。重量は15kg。リモコンが付属する。
■ 3BOXスピーカー フロント2個(LF-L/R)とセンター1個(HF-C)で構成される3BOXスピーカーセット。LF-L/Rは中低音を受け持つスピーカーで、中低音用のウーファと、低音用ウーファを搭載。ユニットはどちらも16cm径のコーン型。外形寸法は600×263.2×205mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は8.5kg。 HF-Cは中高音を受け持ち、1.9cm径のツイータと、8cm径のミッドレンジを各2基搭載。エンクロージャは密閉型で、簡易防磁型となっている。外形寸法は710×165.7×165mm(幅×奥行き×高さ)。重量は6.5kg。 スピーカー全体では3.5ウェイ、4スピーカーとなっており、インピーダンスは6Ω。再生周波数帯域は40Hz~20kHz。クロスオーバー周波数は180Hz/1.8kHz/5.6kHz。3mと1.5mのスピーカーケーブルを各2本同梱する。
なお、同システムは9月21日から24日まで開催される「A&Vフェスタ 2005」にて、デモンストレーションを行なう予定。
□マランツのホームページ
(2005年8月26日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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