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9月1日より開幕したIFA2005。開幕基調講演には、松下電器産業 専務取締役 パナソニックAVCネットワークス社社長の大坪文雄氏が登壇し、同社の戦略とともに欧州におけるHD市場の拡大への期待を語った。 ■ デジタル家電の中心はテレビ
大坪氏はまず、松下幸之助氏による二股ソケットの発明を例に引き、イノベーションの原点は「誰にでも簡単に、生活を便利にすること」と説明。全ての製品は、コーポレートアイデンティティである「ideas for Life」の考えから生み出されることを強調した。 しかし、家電のデジタル化は進んでおり、「最新のデジタル機器を使いこなす新しい世代のユーザー層が生まれている」という。彼らを「Generation Tech」と定義し、「それらの世代の強い要求に応えていく必要がある」と、デジタル化の進む家電への積極的な取り組みについて言及。しかし、どんな世代でも「家電の中心となるのはテレビ」とし、そのテレビに求められるものは、「薄くてフラット」、「使いやすさ」、「深い体験」の3要素を挙げた。 同社が掲げるSD/DVD/DTVによる「3Dバリューチェーン」のコンセプトを説明しながら、「あらゆるコンテンツの中心に来るテレビこそがデジタルライフのコアになる」と、同社におけるテレビ戦略の重要度を強調。また、調査会社による2006年の欧州のHD対応テレビ市場は1,500万台という数字を例に引いて、「これは我々にとっても、非常に希望が持てる数字。2006年にはサッカーワールドカップドイツ大会があり、大きな伸びが期待できる。ワールドカップの決勝、“ドイツ VS 日本”が見られる」と語ると、会場は笑いに包まれた。
■ 世界最大のPDP 年産500万台体制を確立
ハイビジョン化にかける期待とともに、同社のプラズマテレビ戦略も説明。まず65型のフルHD対応テレビを発表すると会場からは拍手が巻き起こった。 同社では、茨木第1、第2工場と、新設した尼崎工場の稼働により、世界最大規模の年産480万台体制の確立を既に発表しているが、さらに、大坪社長は「IFAに出発する直前にある決断をしてきた。年産500万台体制を築き、さらなるユニットコスト低下を図る」と発表。積極的なPDP投資と、シェアの拡大への意欲を明らかにした。 また、SDメモリーカードを内蔵したP2カードによる「HDビデオカメラ」や電力線通信を利用したHDストリーム配信、C.LINKによる同軸線高速通信、無線LANなどの技術を紹介し、追加ケーブル無しのHDコンテンツネットワークを提案。3Dバリューチェンをより強化した、「HD 3Dバリューチェン」をキーワードに事業展開していくとという。 また、1つのリモコンでの統一インターフェイス操作や、テレビ上でのコミュニケーションチャット、セキュリティ機能、デジタルメディアセンターなど、エンターテインメントのみならずあらゆる生活情報をテレビに統合した「家電のハート」としてのテレビを積極展開することをアピールした。
□IFA 2005ベルリンショーのホームページ (2005年9月3日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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