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日立製作所株式会社は、ホームシアター用プロジェクタ「プロジェクター Wooo(ウー)」の新モデルとして、720p対応の液晶パネルを採用した「PJ-TX200J」を10月下旬に発売する。価格は273,000円。国内で月産1,500台を予定している。 2004年6月に発売した「PJ-TX100J」の後継モデル。0.7型、解像度1,280×720ドットの液晶パネルを採用。パネルの数値的なスペックは前モデルのものと同じだが、エプソンの新開発D5パネルに変更されている。光源は150W UHB、輝度は1,200ルーメンで前モデルと同じ。 それ以外のTX100Jからの変更点は、従来からのレンズアイリスに加え、照明ユニット前にアクティブアイリス機構を設置。映像信号の輝度レベルに合わせて光量を自動的にコントロールすることで、前モデルの1,200:1から、7,000:1へとコントラスト比が大幅に向上している。なお、レンズアイリスと組み合わせて、「デュアルアイリス機構」と名付けている。
また、レンズも新「Woooハイビジョンレンズ」を搭載。EDレンズを4枚使用した13群16枚の基本構成は前モデルと同じだが、設計・製造面をブラッシュアップした結果、色収差の低減や、周辺解像度が向上しているという。1.6倍の手動ズームレンズで、フォーカスも手動。レンズシフト機能は垂直方向に2.5画面、水平方向に1.5画面分で、前モデルを踏襲している。
映像回路部では、信号の入力からフル10bitのデジタル処理に対応。後段では10bit処理された信号にガンマ補正をかけ、12bitデータに変換。従来の4倍の分解能を実現し、より緻密で滑らかな階調表現ができるようになったという。
映像モードはノーマル、シネマファンタジー、シネマリアリティー、ミュージック、スポーツの5種類を用意。前モデルのシネマ/ダイナミックに変わり、新たにシネマファンタジーとシネマリアリティーが追加されている。各モードにはレンズアイリス設定があらかじめプリセットされており、シネマファンタジーはフィルムライクな階調表現を、シネマリアリティーはリアルな階調を重視したモードだという。 画質調整機能も強化。ガンマイコライジング調節に2%の調節ポイントを追加。2~100%間で計9ポイント、16ステップの明るさ調整が行なえる。調整中は受信映像とテストパターン(グレースケール)を同時表示することで手軽で正確な調整が行なえるという。また、調整値は4個まで登録でき、新モデルでは登録名のユーザーが入力に対応した。
さらに、レターボックス映像時に上下の無信号部分をマスキングする「デジタルシャッター」機能を追加。ファンも新開発の3相シロッコファンを採用し、前モデルと比べ、騒音が標準モードで29dBから28dB、静音モードで26dBから25dBに下がっている。 入力端子では新たにHDMI端子を搭載。コンポーネント、S映像、コンポジット、アナログRGB(D-Sub 15ピン/コンポーネント対応)を各1系統備える。また、スクリーントリガー端子も備えている。入力対応信号は480i、480p、576i、576p、720p/60、1080i/50、1080i/60で、1080pはサポートしない。 外形寸法は340×299×113mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は4.7kg。消費電力は220W。筐体の基本的なデザインは前モデルを踏襲しているが、カラーリングがミッドナイトチタンとブラックのツートンカラーに変更されている。
■ フルHD対応モデルは来年を予定 デジタルメディア事業部の大西プロジェクタセンタ長は、国内の家庭用フロントプロジェクタの市場規模について「2005年は85,000台、2006年は111,000台と、着実な成長が期待できる。また、市場では画質に対する要望が高く、720p解像度のモデルが求められている。新モデルは画質をより高め、全体の完成度も向上した自信作」と語る。
また、今後の展開については「まだ製品計画として決断はしていないが、フルHDに対応したモデルも来年にはリリースしたいと考えている」という。また、リアプロ市場への参入計画については「国内販売は今のところ予定していない」と否定した。
□日立のホームページ
(2005年9月14日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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