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【Blu-ray Disc編】ソニーがBDドライブ搭載VAIO
-松下の新製造技術でメディアコストがDVD並みに


期間:10月4日~8日

会場:幕張メッセ

入場料:一般1,000円、学生500円


 HD DVD関連では、PC用のHD DVD-ROM再生ソフトなどが展示されていたが、Blu-ray Disc側もPC用再生ソフトを展示。従来の据え置き型プレーヤー/レコーダー以外の新たな展開を見せている。


■ ソニー

Blu-ray Discドライブを搭載したVAIO

 ソニーのブースでは、Blu-ray Discドライブを搭載したVAIOを参考展示している。「自社開発のドライブではない」とのことだが製造メーカーは非公開。スペックから推察するとパイオニア製のBD-R/REドライブと思われる。

 HDVカメラ「HDR-HC1」と組み合わせたデモを行なっており、撮影した1080iの動画をi.LINK経由でVAIOのHDDにキャプチャ。編集ソフト(Adobe Premiere Pro)で編集した後、片面1層 25GBのBD-REにライティング。それを据え置き型のBD-ROMプレーヤーで再生するというもの。

 「HC1はハイビジョンが手軽に撮影できるということで幅広い層に受け入れられ、想像を遥かに上回るヒット商品になった。しかし、同時に撮影したHD映像をそのままディスクに書き出す方法が早く欲しいという多数の要望も寄せられた」という。Blu-ray Discドライブを搭載したVAIOの発売時期は未定だが「HC1ユーザーのためにも、なるべく早くリリースしたい」とのこと。価格帯としては「VAIOの上位モデルという位置付けになる」という。

HDR-HC1をキャプチャし、VAIOの片面1層 25GBのBD-REでライティング。BD-ROMプレーヤーで再生するというソリューションを提案

BD-ROMプレーヤー試作機

 また、IFA 2005で展示されたユニークなデザインのBD-ROMプレーヤー試作機も展示している。スペック的にはIFA 2005で展示されたものと同じで、メニュー/チャプタ選択、JAVAの拡張機能を使ったインタラクティブ機能などを装備している。デモではMPEG-2 TS 約40Mbpsのコンテンツを再生し、安定度と高画質をアピールしていた。

 さらに、Blu-ray Disc Associationのコーナーでは、自社開発の薄型BD-R/RE/ROM対応ドライブを展示している。10mmを切るという厚さで、ノートPCでの利用を想定。DVDにも対応しており、外側にDVD用、内側にBD用のピックアップを内蔵している。ただし、動作デモは行なっておらず、ピックアップ部などを使った部品レベルの動作デモが展示されている。

厚さ10mmを切るBD-R/RE/ROM対応ドライブ BD-RE、BD-Rの25/50GBディスクを展示 部品レベルの動作デモが行なわれていた


■ 松下電器

BD-ROMプレーヤーの試作機

 松下電器のブースでは、BD-ROMプレーヤーの実働モデルを参考展示している。IFA 2005で展示されたものとほぼ同じで、「DMR-E700BD」の筐体を使って開発されているため、外形寸法はほぼ同じ。ただし、現時点ではベアディスクのROMメディアにのみ対応しているため、DMR-E700BDで録画したVer 1.0のカートリッジメディアへの対応は未定となっている。

 メニュー表示やJAVAを使った双方向機能などを実装しているが、ネットワーク機能は備えていない。また、DMR-E700BDをベースとしているためHDMIも搭載していない。しかし「実装はすぐに行なえる。製品化の際は筐体もより薄型になり、端子も充実する」としている。BD+/ROMマークにも随時対応を予定しており、価格は未定だが「イメージとしては10万円から15万円程度になるのでは」という。

新開発のスピンコート技術

 また、Blu-ray Discの製造時に利用する、新開発のスピンコート技術も展示している。スピンコートとは、カバー層や中間層、HC層などを作り出す際に、回転させたディスクの上にUV硬化樹脂を垂らし、ディスク上に均一に広げるという技術。

 従来は単純にディスクの上に垂らしていたが、新開発の技術ではディスクの中央にキャップを装着する。これにより、ディスク中央への広がりに注意することなく樹脂を一気に広げることができ、より均一なコートが可能になったという。さらに、コートを硬化させる紫外線の照射も、従来は静止したディスクに対して行なっていたが、回転しながら照射することで、均一な硬化が実現できるという。

 ほかにも、複数枚のディスクの並列処理なども盛り込まれており、同技術をラインに投入することで現行のDVDメディアと同程度のコストでBlu-ray Discが製造できるという。また、並列処理により製造時間も短縮。現在は4.5秒で1枚だが、将来的には3.5~3秒で1枚まで短縮できるという。ただし、現在は2層ディスクへの対応を実施しているため、高速化は来年春頃を予定しているという。

左が従来のスピンコート技術。右がディスクの中央にキャップを入れる新技術 並列処理で一度に複数枚のディスクが作成できる

Blu-ray Discドライブを搭載したノートPCも参考展示している BD-ROMの1層、2層ディスクを参考展示。さらに、DVDにも対応したBD/DVDマルチドライブも、薄型、5インチベイタイプ、ピックアップ部などを参考展示している。いずれも試作機


■ そのほか

 日立はBlu-ray DiscレコーダにHDDを内蔵したハイブリッドモデルを展示。HDD容量は未定だが、HDDに記録したコピーワンスコンテンツをBD-R/REなどにムーブする機能を実装するという。また、BD-ROMの再生もサポートする。発売日などは未定だが「現在のDVDレコーダのトレンドを考慮し、BD-ROMプレーヤーよりもHDDを内蔵したBlu-ray Discレコーダに注力していく」という。

 ほかにも、各社がBlu-ray DiscレコーダやBD-ROMプレーヤーを展示している。いずれもIFA 2005やCeBIT 2005などのイベントから大きな変化はない。

日立のハイブリッドBlu-ray Discレコーダ ビクターのBlu-ray Discレコーダ

三菱のBD-ROMプレーヤー フィリップスのBlu-ray Discレコーダ サムスンのBD-ROMプレーヤー

パイオニアのBD-ROMプレーヤー パイオニアのBlu-ray Discレコーダ HPはBlu-ray Discドライブを搭載したMCE PCを展示していた


■ PC関連

 パイオニアのブースではBD-R 2倍速、BD-RE 2倍速、DVD±R 8倍速、DVD±RW 4倍速、DVD-R DL 2倍速、DVD+R DL 2.4倍速の書込みに対応したBlue-rayドライブを参考展示している。レコーダ機器への組み込み用バージョン「BDR-R01RZ」と、PC用の「BDR-101」。ドライブとしての性能はほぼ同じ。

BDR-R01RZ BDR-101

 日立のブースではBD-RE/R、DVD-R/RW/RAM、DVD+R/RW、CD-R/RWの書き込みに対応し、BD-ROMの再生もサポートするPC用ドライブを参考展示している。新開発の3レーザー光学ピックアップを採用したという。また、同ドライブを内蔵したPCも用意。BD-ROMの再生デモを行なっている。

日立のBD/DVDドライブと、それを内蔵したPCの試作機

 ほかにも、インタービデオとユーリードシステムズのコーナーでは、BD-ROMの再生に対応した「WinDVD」を参考展示。さらに、サイバーリンクでもBD-ROM対応の「PowerDVD」を展示している。なお、現時点ではWinDVD/PowerDVDともBD-ROM対応版と、HD DVD-ROM対応版が発売されることになっており、両フォーマットに対応するバージョンの予定はないという。

 また、三菱化学メディアは、記録層に有機色素を使用した25GB BD-Rディスクを参考展示している。スピンコート方法が新しくなっており、ディスクに塗る際に周囲に飛び散った樹脂などを再利用することで環境に配慮した製造が行なえるという。

BD-ROM対応「WinDVD」 BD-ROM対応の「PowerDVD」 三菱化学メディアは有機色素を使用した25GB BD-Rディスクを参考展示している。下段右がそのディスクで、ほかにもBD-R 50GB(2層)やBD-RE 50GB(2層)なども参考展示している

□CEATECのホームページ
http://www.ceatec.com/index.html

(2005年10月4日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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