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フライトシステム、2Kデジタルシネマ上映システム
-松下製DLPプロジェクタとのセットを500万円で販売


2006年1月発売

標準価格:500万円前後(「TH-DW7000-K」とセット)


DCB-JP2000(上)とDCB-JP2000C(下)

 株式会社フライトシステムコンサルティングは、1080i HD-SDI出力に対応したデジタルシネマ上映システム「Hommage」(オマージュ)を2006年1月に発売する。JPEG2000デコーダ内蔵プレーヤー「DCB-JP2000」と、既発売の松下製DLPプロジェクタ「TH-DW7000-K」とのセットで販売し、価格は500万円前後。小中規模の映画館などを中心に、2006年度で50セットの販売を見込んでいる。

 「Hommage」の推奨システムは、JPEG2000デコーダを内蔵した1080i HD-SDI出力対応プレーヤー「DCB-JP2000」と、DLPプロジェクタ「TH-DW7000-K」、オプションのJPEG2000リアルタイムエンコーダ「DCB-JP2000M」(900万円台)、2006年夏発売の字幕生成システム「DCB-JP2000C」(200万円未満)で構成。DCB-JP2000は単体購入も可能で、価格は200万円前後。

TH-DW7000-K Hommageシステム構成

 DCB-JP2000は、Digital Cinema Initiative(DCI)が策定したデジタルシネマ規格で採用されたJPEG2000のデコードに対応し、1080i HD-SDI出力が可能。2006年夏には、1080/24pにも対応予定としている。対応ビットレートは60~150Mbps。300GBのリムーバブルHDDが付属し、最大2台まで搭載が可能。プレイリストによるスケジュール再生もサポートする。

 なお、DCB-JP2000は1080i出力に対応するが、DLPプロジェクタTH-DW7000-Kのパネル解像度は1,366×768ドット。音声は16bit/48kHzのPCMに対応し、最大7.1chまで出力可能。映像出力はHD-SDI(BNC×2)、音声出力はAES/EBU用にXLR×4を搭載する。外形寸法は425×610×88.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量は16kg。

本体右上にリムーバブルHDDを搭載 背面

同社が製作したデモ映像の上映も実施。水滴などの細かな描写や色彩の豊かな表現力をアピールした

ハリウッド・DCIの評価映像で、昼夜の色調表現にも実力を発揮するとしていた。リアルタイム字幕生成も合わせてデモされた

 また、JP2000はシネアド(劇場広告)のプレーヤーとしても利用可能。1台で本編と広告の両方に対応するプレーヤーは世界初としており、エンコーダとの併用によりタイムリーな広告更新が行なえ、映画館の収益向上にもつながるという。

 そのほか、Hommageではコンテンツの暗号化にも対応し、配給元での上映可能期間や回数などを制御できるように暗号鍵に許諾情報を入れることで配給側の収益管理も可能になる。

 同社はHommageのシステム開発にあたり、株式会社山下電子設計、株式会社プロメディアワークス、エレテックス株式会社と協業。山下電子設計はJPEG2000関連、プロメディアワークスはシネアドと字幕関連、エレテックスは映像伝送関連の技術を担当している。

 フライトシステムは、山下電子設計を2006年1月に100%子会社化し、グループ内でデジタルシネマに関するコアカンパニーにするという。また、プロメディアワークスとは、10月4日に業務提携を結んでいる。
フライトシステムコンサルティングの片山圭一朗代表取締役社長

 フライトシステムコンサルティングの代表取締役社長、片山圭一朗氏は「スター・ウォーズ エピソード3が全国25カ所でデジタル上映されたことが、日本市場でデジタルシネマの到来を告げた」と述べた。しかし、導入への課題として「従来の米国製システムではプロジェクターとプレーヤーで2,000万円程度の投資が必要だったが、対応できる映画館は全国約2,800カ所ある映画館のうち200カ所ほど」と価格が障害となっている点を指摘。

 「500万円程度の投資で実現できるHommargeにより、インディーズ映画などの供給が容易に行なえる。また、映画館のほかにも博物館や水族館など公共の施設でデジタルシネマが実現可能で、これらの市場を独占することが目標」とした。具体的な提供先などは決まっていないが、ネットベンチャー企業を中心に話を進めており、好感触を得ているという。

 さらに、将来の展開として家庭用機器や携帯電話への映像配信についても触れ、「Motion JPEG2000のフォーマットはQuickTimeに準拠し、QuickTime技術を用いた配信を行なうことで、ホームシアター用途にも対応可能。携帯電話に関しては、最終的にはH.264での配信になると思われるが、画質をできるだけ損なわずに携帯向けに変換するソリューションを提供したい」とした。

 一方、DCIが提唱する4K(4,096×2,160ドット)への対応については、「開発は進めているが、実際の投入は市場の成熟や、DLPプロジェクタ製品の対応を待ちたい」とした。


□フライトシステムコンサルティングのホームページ
http://www.flight.co.jp/
□山下電気設計のホームページ
http://www.yem.co.jp/
□プロメディアワークスのホームページ
http://www.pmw.co.jp/
□エレテックスのホームページ
http://www.eletex.co.jp/

(2005年11月8日)

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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