|
ナクソス・デジタル・ジャパン株式会社は、クラシックなど165,000トラックの音源をストリーミング再生可能な音楽配信サービス「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」を11月15日に開始した。料金は月額1,890円の定額制で、クレジット決済のみ。加入月は無料だが、加入月内の退会は、1カ月分の料金が必要。対応OSはWindows 98 SE/Me/2000/XPと、Mac OS 8.6/9.1X、Mac OS X 10.2.8/10.3.5。 ナクソス・ミュージック・ライブラリーは、クラシックレーベル「NAXOS」や「BIS」、「Hanssler」など約20レーベルのフルレングス楽曲をWMA 128kbpsでストリーミング配信するサービス。ジャンルはクラシックが中心だが、マイルス・デイビスやデューク・エリントンといったジャズや、ワールドミュージックなども含め10,200タイトル、80,000作品、165,000トラックを用意する。動作環境は、Windows Media Player 9.0以上で、音質は128kbps(CD)のほか、64kbps(Near CD)、20kbps(FM)も選択可能。なお、楽曲のダウンロードはできない。 楽曲の検索は、ジャンルや作曲家、曲名から行なえるほか、楽器や曲の雰囲気を一覧から選んで絞り込むことも可能。選んだ曲でプレイリスト作成も行なえる。ただし、現在は検索機能などは英語のみ対応する。
データベースからは楽曲のライナーノーツや作者のバイオグラフィーが閲覧できるほか、メニューには用語集やオペラのリブレット(台本)などを英語で収めた「辞典/資料」のカテゴリも用意する。 海外では米国、英国、フランス、台湾などの大学、図書館を中心に導入され、現在のライセンスの販売は世界で約800施設、8,000ユーザー。1年後は20,000ユーザーを目指す。日本では、「クラシックへの関心が高まっている」(同社)ことから個人への販売も注力し、個人ユーザーでは2年で約1万人、大学や図書館などでは1年で100施設2,000ユーザーを目標とする。 楽曲数は現在も毎週追加され、今後は現代クラシックの曲なども充実させるという。なお、データベースの日本語化については、迅速に進めたいが、最低3年はかかるとしている。
■ ストリーミングは、CD売上にも貢献するビジネス NAXOSレーベルの設立者で、同社会長のクラウス・ハイマン氏は「これまでは米国の大学や図書館などでも受け入れられ、ハーバード大学で100ライセンス、イリノイ大学で140ライセンスを提供した。パッケージやダウンロードなど、音楽の形態は多様化し、興味のある方式を選べるようになったが、ストリーミングはCDなどの小売店にも利益をもたらすビジネスモデル」と同社の事業を説明した。 実際に、米国における同社レーベルCDは、ストリーミングサービス導入により成長しており、日本でもレーベル名の露出により、パッケージ製品の売上増加が期待できるとしている。
また、同氏の夫人であり取締役も務めるバイオリニストの山崎崇子氏もゲストで登場。「18年前にレーベルを立ち上げた頃はレコーディングするアーティストも少なく不安だったが、10年ほどで軌道に乗り始め、世界でも認められた。今回のサービスで、NAXOSが日本でも役に立つことができてうれしい」と述べた。 そのほか、同サービスでコラムなどを手がけた音楽評論家の林田直樹氏が、利用した感想を交えて説明。「ストリーミング配信は、ダウンロードとは全く異なり、膨大かつ整理された音楽が手に入るもの」とし、「私も数千のCDを所蔵するが、ある数を超えると収拾がつかなくなった。パッケージを多く集めることは、音楽を自分のものにすることは別」と述べた。 また、「音質ではもちろんCDにかなわないが、USBオーディオなどを使うことでいくらかは改善される。それよりも定額で気軽に聴けることの効力は計り知れない」とした。
□ナクソス・デジタル・ジャパンのホームページ (2005年11月15日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
Copyright (c)2005 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|