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パイオニア、PDPとDVDレコーダ不振で社長交代
-カーAV出身の須藤氏が昇格。「原点回帰を」


左から須藤民彦副社長、伊藤周男社長
11月21日発表


 パイオニア株式会社は21日、同日に開催した取締役会において、AV関連事業の急速な業績悪化などの責任をとり、2005年12月31日をもって伊藤周男社長が辞任。2006年1月1日に現在副社長を務める須藤民彦氏が社長に就任することを決議したと発表した。

 これに伴い、伊藤社長と創業者一族である松本冠也会長は第一線を退き、取締役相談役に就任する。

 ‘96年に社長に就任した伊藤氏は、‘98年に21世紀に向けた構造改革の一環として「パイオニア2005ビジョン」を策定。経営の柱を「顧客満足(CS)」とし、事業の集中・選択を実施。PDPやカーナビなどに注力するほか、カラオケ事業や音楽ソフトの販売、携帯電話事業なども積極的に行なっていた。

伊藤社長

 伊藤社長は冒頭、「2004年下半期までは着実に目標に向けて進んでいたが、PDPやDVDレコーダの市場価格の下落などで急速に悪化した。だが、経営改革が不十分な点もあり、その変化に素早く追従できなかった」と振り返る。しかし「ユーザーの満足度を第一に考えるという方向性は間違っていなかったと今でも信じている」と語った。

 なお、今後の経営方針については12月8日に行なわれる説明会の場で報告するとして明言を避けたが、リストラなども含めた構造改革案が発表される見込み。また、賃金のカットについては、常勤の役員報酬については既に5~6%程度のカットを行なっており、10月には25%程度のカットも実施。管理職は11月の給与から4%のカットを行なっていることも明らかにした。

 後任の須藤副社長は、カー・エレクトロニクス事業部の事業部長などを経て、2004年にモーバイルエンタテイメントカンパニーの代表取締役専務取締役プレジデントに就任。2005年6月からはパイオニア本体の副社長を務めている。

 須藤副社長について伊藤社長は「カーエレクトロニクスの海外販売法人の社長を務め、グローバルな経営感覚を持っている。現在、パイオニアの売り上げの60%以上は海外市場で、今後はよりグローバルな経営感覚が必須。まさに適任だ」と紹介した。


■パイオニアのDNAを元に、原点に戻る

須藤副社長

 須藤副社長は現在のパイオニアの問題点について、「計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(act)を表す“PDCAサイクル”が十分にまわっていなかった」と分析。常に事業に対するチェックを繰り返し、素早くアクションに切り替える。そのサイクルが当たり前のようにまわるように構造改革を進め、社員の意識も改革していきたい」と抱負を語る。

 また、パイオニアのDNAを「常に最新の技術開発を行ない、ユーザーに新たな価値を提供し、支持を得てきた」と説明。「しかしながら、昨今、本当に喜ばれる商品を提供できているのか自信が揺らいでいる」と率直な感想を口にし、「パイオニアのDNAをもう一度思い出し、事業の見直しを行ないながら、信頼の回復に務めていきたい」とした。

 具体的な計画としては、12月に明らかにするとしながらも、業績悪化の要因となっているPDPやDVDレコーダ事業の抜本的な構造改革に着手すること。そして、コアビジネスに成長したカーエレクトロニクス事業に注力し、収益性を回復させることなどを挙げた。

 ただし、ホーム向けのAV製品の縮小の可能性について伊藤社長は「カーオーディオに注力するが、パイオニアはホームシアターを音と映像を含めて、セットで提案できる数少ないメーカーであり、規模の縮小は現在のところ考えていない。構造改革により考え方を変えていく」と説明。

 しかし、須藤副社長は「カーオーディオで稼いだお金をプラズマの損失で吸い取られているという意見もあるが、PDPに関しては大きな投資に見合うリターンが確保できていないことと、リターンを得るスピードが遅いことが問題。そして、その改善に社運と命を掛けるという意気込みが足りないように思える。今までカーオーディオ分野で活動しており、ある意味では外からホーム用AV機器を見てきた。だからこそ冷静に分析し、粛々と当たり前のことを遂行できると考えている」とし、ホームAV分野の改革を強く推進する姿勢を示した。


■開拓した市場を奪われないために

 パイオニアはLDやPDPなど、新技術で新たな市場を開拓する先駆者として技術力などに定評がある。しかし、市場開拓後に他社が参入すると、確保した市場を維持できないという問題点もある。

 LDの際に指摘されたこの問題を、PDPやDVDレコーダで再び繰り返したという指摘について伊藤社長は「自分が社長になり、構造改革を進めることで、この問題も解決できたと思っていた。しかし、今にして思うとまだ甘かったなと感じている。今後はこういうことが起こらないためにも、構造改革を進め、新体制を構築していきたい」と語った。

□パイオニアのホームページ
http://www.pioneer.co.jp/
□ニュースリリース(PDF)
http://www.pioneer.co.jp/press/pdf/Organization051121.pdf

(2005年11月21日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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