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社団法人日本記録メディア工業会(JRIA)は25日、2006年におけるビデオテープやMD、フロッピーディスク、オーディオテープなど、計8種類の記録メディアの世界需要予測と生産予測を発表した。 予測は、2005年の推定実績に基づいてまとめられたもの。対象となる記録メディアはオーディオテープ、録音用MD、ビデオテープ(Cカセット/8ミリ/ミニDV)、フロッピーディスク、MO、CD-R/RW、小型メモリーカード(SD/メモリースティック/CFなど)の8種類。なお、今回から新たに8cm DVDの需要予測も行なわれている。 HDDやメモリーカード、フラッシュメモリ内蔵型などのポータブルオーディオ機器の普及により、音楽用CD-Rの世界需要は前年比5%減の2億7,500万枚、国内需要も4%減の2,700万枚と減少。データ用CD-Rの世界需要も3%減の69億1,100万枚となっており、CD-R全体の世界生産も3%減の79億500万枚で、初めての減少予測となった。 反面、記録型DVDは伸長。世界需要は追記型が42%増の51億5,900万枚、書換型が32%増の3億8,200万枚で、合計41%増の55億4,100万枚の予測。JRIAでは「PCへの記録型DVDドライブの標準搭載やメディア価格の低下により、需要規模はCD-Rを追い抜く勢い」と分析する。 日本国内におけるDVDメディアのタイプ別需要は、録画用の追記型が40%増の3億7,600万枚、書換型が27%増の1億300万枚で、計37%増の4億7,900万枚。録画用における追記型と書換型の構成比は78%と22%。データ用では追記型が97%、書換型が3%。書換型が録画用で健闘するのは世界の他地域と比べても特異な傾向。 世界生産は追記型が42%増の56億7,400万枚、書換型が32%増の4億2,000万枚と予測。しかし、追記型における日系メーカーの生産構成比は2004年の56%、2005年の54%に続き、2006年は40%と急速な減少を予測。「書換型も含め、海外メーカーの伸長が目立ってきた」という。また、8cm DVDは米国を中心としたDVDカムの販売増加に伴い、追記/書換型ともに94%増と予測されている。
■MDが大幅な減少予測 オーディオカセットテープの世界需要は21%減の3億1,000万巻で、国内需要も18%減の5,300万巻と減少が続く。MDも同様の流れで、世界市場は1億700万巻で、前年比26%減という大幅な市場規模の縮小予測がなされた。市場を支えていた国内需要が加速度的に減少しているためで、デジタルオーディオプレーヤーや、携帯電話での音楽再生など、環境の変化を反映している。なお、世界生産も29%減の1億1,000万枚で減少予測となった。 しかし、半導体メモリーカードの2005年の推定実績は前年比13%減の5,220万枚と減少する見込み。これは、デジタルカメラや携帯電話にメモリーカードが同梱されることが少なくなった事に起因している。JRIAでは「携帯電話の機能向上により、カードの単品購入率の伸びが期待できる。また、ゲームやカーナビ、オーディオプレヤーなど、様々な機器で使用できるため、汎用カードとして需要の増加が見込める」とし、2006年は7%増の5,570万枚と増加予測をしている。
ほかにも、VHSなどのフルカセットビデオテープの世界需要は17%減の4億8,100万巻。2006年は冬季オリンピックやサッカーのワールドカップなどで、録画需要の高まりが予想されているが、世界的にDVDレコーダが普及しているため、大幅な減少予測になったという。セルソフト向けを含めたテープの世界生産は25%減の6億500万巻で、日系メーカーは45%減の9,500万巻で半減するとしている。
□JRIAのホームページ
(2005年11月28日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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