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CES 2006が現地時間の5日に開幕する。それに先立って、ヒルトンシアター内にてソニーのハワード・ストリンガー会長が基調講演を行なった。PLAYSTATION 3に関する新たな情報の発表などは行なわれなかったが、俳優のトム・ハンクスら有名・著名人を招き、今後のソニーグループの展開を語る華やかなステージとなった。
ストリンガー会長は冒頭、ハリウッドの映画会社やコンテンツホルダを巻き込んだ次世代DVD競争や、著作権保護の問題を踏まえ「ソニーグループが映画産業に積極的に参加しているのは、ユーザーの利便性を考えてのこと。権利の保護は大切なことだが、そのためにコンシューマーが犠牲になっては意味がない」と語る。 そして「箱(メディア)がどんなに素晴らしくても、中身がなければダメだ。素晴らしいコンテンツをユーザーがいつでも、どこでも、手軽に楽しめるようにすること。これはスローガンではなく、ソニーのパッションであり、ミッションだ」という。
これを踏まえて、キーワード「e-Entertainment」を掲示。eにはeverywhereなどの意味が込められており、いつでも、どこでもをコンセプトにした同社の商品を紹介。ソニー・エリクソン製のウォークマン携帯「W810」や、PSPへの映像配信に対応したロケーションフリーなどをの説明を行なった。
また、活字でも同コンセプトを実現する商品として、薄型のe-Book端末「ソニーリーダー」を紹介。2006年春に米国で発売を予定しているもので、数千の小説やコミックなどをオンラインで販売する「コネクト リーダーサービス」も予定しているという。関連ゲストとして、世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」の作者である、ダン・ブラウン氏が登壇。「重いハードカバーの小説を何冊も持ち歩く必要がなくなった」とソニーリーダーの革新性を絶賛した。
ストリンガー会長は2つ目のキーワードとして、「Digital Cinema」を紹介。ハリウッドの撮影現場に「Panavision HDW-F900」が導入されていることを紹介した上で、同カメラが、映画版の「ダ・ヴィンチ・コード」でも使われていることを説明。ゲストとして、同作品の主役ロバート・ラングトン教授を演じたトム・ハンクスが登場した。 ソニーのデジカメを片手に登場したトムは「ソニー製品は聡明でない人にも使いやすいインターフェイスが魅力。映画では聡明な教授を演じたけど、僕にはソニー製品がピッタリだね」とジョークを飛ばし、会場を沸かせた。
3つめのキーワードは「Higher Definition」。ストリンガー会長は北米のリアプロジェクション市場で高い評価を受けているというSXRD搭載のグランドベガシリーズや、HDVカメラの「HDR-HC1」などを紹介。「コンシューマでもHD撮影や表示が行なえるようになった。映像が高精細になることで、誰もがこれまでの“記録”から、よりクリエイティブな“作品作り”が可能になる」と語った。
また、Blu-ray Disc関連では、BDのサポートを表明しているDellのマイケル・デル会長が登場。Blu-ray Discのサポートを決めた理由として、大容量やサポート企業の多さなどを語った後「Blu-ray Discは1、2年で終わるようなフォーマットではなく、10年、20年と続くものになるだろう」と話した。 さらに「解像度の点で言えば、PCのディスプレイはDVDビデオの解像度より上のものがほとんど。そういう観点からも、PCメーカーであるDellはBlu-rayに期待している。ちなみに、米国で使われているPCのディスプレイの内、5台中2台はDellのものだ」と語り、PCも販売しているソニーのストリンガー会長と顔を見合わせ、場内は爆笑の渦となった。
■ PS3でXbox 360を打ち負かす
4つ目のキーワードはプレイステーション。ストリンガー会長がPSPとUMDビデオソフトの好調なセールスを紹介した後、Sony Computer Entertainment America(SCEA)の平井和夫社長兼CEOが登壇。PS3のデモ映像を交え、Cellプロセッサの処理能力の高さなどを強調した。
さらに平井氏は「Xbox 360が話題だが、現時点ではPSP人気が勝っている。PS3のリリースで、Xbox 360を打ち負かしたい」と意気込みを語った。
□2006 International CESのホームページ(英文)
(2006年1月6日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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