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Dolby Laboratories傘下の「Audistry(オーディストリ)LLC」が3日より事業を開始、同社の新技術「Audistry by Dolby」を2006 International CES会場近くのホテルにて発表した。
Audistryは、ドルビーヘッドフォンの開発でDolbyと協力関係にあったLake TechnologyをDolbyが子会社化し、新たなパーソナルサウンド技術のライセンス会社としてスタートする。 同社では、新パーソナルサウンド技術「Audistry by Dolby」を開発。フラットパネルテレビや、ホームオーディオ製品、ポータブルオーディオプレーヤー、携帯電話などでの普及を図る。 Audistry by Dolbyは、ステレオ音声の音質や聞きやすさの向上を目指した、5つの基幹技術から構成されるサウンド技術。自然な音の広がりと定位感、低域の強化などの特徴を有している。採用されている技術は以下の5つ。
同技術をオーディオICメーカーや機器メーカーなどに提供し、DSPへの組み込みやソフトウェアの形で機器に実装する方法を用意。半導体メーカーとしては、三洋電機、Freescake、Analog Devices、TI、Micronas、新日本無線らが採用を決めている。単独のICチップの搭載のほか、TIのOMAPなどのプラットフォーム上での動作も可能となる。また、低MIPS、低メモリでの動作を実現し、システム負荷も低減しているという。 「サウンドスペース」などの各設定項目は、機器メーカーに設定の自由度が残されている。そのため、単純なON/OFFのみの切替のほか、数段階の切替や、パラメータを公開してユーザーによる自由な音場設定を可能とするなど、機器メーカーが選択可能となる。 マルチチャンネル用ではなく、ステレオソースの音質向上に注力した技術と位置づけ、他の競合技術との比較においては、「サウンドスペースを広げても、センターの定位がきっちりでてダイアローグの聞きやすさが保持されるなど、音質面でのアドバンテージがある(Chris Bennett社長)」という。
■ シャープが初の「Audistry by Dolby」対応製品を発表
また、第1弾製品としてシャープのホームシアターシステム「SD-SP10」に採用。シャープは2006 International CESの同社ブースにて製品デモを行なった。 SD-SP10は、4基のスピーカーユニットを内蔵したフロントスピーカーとサブウーファから構成されるホームシアターシステム。4月に発売予定で、市場想定価格は399ドル。 テレビラックなどに配置し、センターユニットとサブウーファのみでサラウンド再生可能なシアターシステムで、アンプ部は5.6MHz駆動の1bitデジタルアンプを内蔵する。 5.1ch信号が入力された場合はドルビーバーチャルスピーカーによるサラウンド再生を行なうが、ステレオ音声入力時には、Audistry by Dolbyの適用が可能となる。付属のリモコンにはAudistry専用のボタンを備えており、SOUNDSPACE/NATURALBASE/INTELLIGENT VOLUME/MONO TO STEREOの各機能をON/OFFして、効果が確認できる。これらの効果のチューニングについても機器メーカーの判断に委ねられるという。
□2006 International CESのホームページ(英文) (2006年1月9日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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