|
株式会社バンダイ、バンダイビジュアル株式会社、株式会社テレビ東京、株式会社角川書店など8社は6日、クロスメディアプロジェクト「.hack//G.U.」(ドットハック・ジーユー)の発表会を開催した。プレイステーション 2用ゲームを軸としながら、テレビアニメ、コミック、ラジオ、携帯電話など、幅広いメディア展開を予定しているプロジェクトで、ゲームソフトとアニメDVDをセットにしたり、テレビアニメのDVD化も予定されている。
「.hack//G.U.プロジェクト」は、2002年4月から開始された「Project .hack」を踏まえた新プロジェクト。前作でもプレイステーション 2用ゲームが軸となっており、ゲームは全4巻で、国内78万本、全世界で170万本以上を販売した。ゲームに「.hack//Liminality」と言うDVDのOVAを同梱したことが最大の特徴で、クロスメディア展開として、ゲームとは時間軸の異なる世界や登場人物をアニメ「.hack//SIGN」や「.hack//黄昏の腕輪伝説」、コミック、小説などでも描いていった。 ゲーム版「.hack」シリーズの特徴は、オフラインゲームでありながら、ネットワークを介して多人数でプレイする「オンラインRPG」を擬似的に再現していること。現実世界を生きるキャラクターが、世界規模で人気を集めるゲーム中のゲーム「The World」に接続。異なるキャラクターとして冒険をしながら、The Worldに隠された謎に近づいていくというもの。アニメ版のDVDはシリーズ累計で20万本以上、全世界累計で37万本以上を販売した。 新プロジェクトの主な舞台は、前作の舞台である2010年から7年後、2017年の世界。仮想ネットワークゲーム「The World」は健在で、「The World :R2」にバージョンアップしている。ゲーム版は2006年5月に第1巻「再誕」、9月に第2巻「君想フ声」、12月に「歩くような速さで」を発売。具体的なメディアミックス展開予定は以下の通り。
■ 同じ主人公、同じ視点で展開
.hack//G.U.プロジェクト最大の特徴は、ゲーム版、およびアニメ版の主人公が同一で、同じ視点から物語が描かれること。世界に参加していた様々なキャラクターにスポットが当てられ、外伝的な作品も多く生まれた前プロジェクトよりも、全体的にわかりやすくなる模様。 主人公のハセヲは、他人とのコミュニケーションが苦手で、受身の人生を送ってきた少年。現実世界から逃げ出す場所としてオンラインゲーム「The World R:2」にアクセスする。ゲーム内でも特に目的の無いハセヲだったが、キャラクター達が作るチーム(ギルド)の1つ「黄昏の旅団」のオーヴァンに声を掛けられ、女性キャラ志乃などと知り合い、冒険を開始。しかし、ハセヲは思いもよらない事態に巻き込まれていく。
声の出演は、ハセヲが櫻井孝宏、志乃が名塚佳織、オーヴァンが東地宏樹。
以上がアニメ版「.hack//Roots」の主な物語。アニメ版はゲーム版の8カ月前の物語となっており、個別に観たりプレイしても楽しめるが、アニメやコミックなどを読みつつゲームをプレイすると、より理解が深まるという構成。前シリーズとの繋がりも保ってはいるが、基本的には新しい物語となっており、ゲーム/アニメ共に.hack//G.U.から入っても十分楽しめるという。
アニメ版はテレビ東京にて、4月5日より毎週水曜日放送。時間は深夜1時30分からの30分番組で、全26回の放送となる。シリーズ構成・脚本は川崎美羽氏。キャラクター監修は貞本義行氏。監督は「.hack//SIGN」と同じ真下耕一氏が務めている。制作はBee Train。オープニングはFictionJunktion YUUKA、エンディングはALI PROJECTが務める。 なお、テレビアニメ版のDVD化はバンダイビジュアルが行なう予定だが、具体的な時期などは未定となっている。
■ 「前作は手探り、今回は確信」
バンダイの鵜之澤伸常務取締役は「バンダイが手掛けてきたオリジナル作品は今まで苦戦が多かったが、.hackは大ヒットを記録したプロジェクト。その続編ということで、様々なメーカーからの協力を得て推進してきた」と、これまでの経緯を振り返る。 「準備は怖いほど順調に進んでいるが、そういう時こそ気を引き締めてやりたい。前回が成功したという自信は持っているが、あの時.hackの世界を楽しんでくれた中高生はもう大人になっているので、新しいユーザーを開拓していきたい。前回は“手探り状態”だったが、今回は確信を持って進めていく」と意気込みを語った。
また、バンダイ・ビデオゲーム事業部の東海林隆ゼネラルマネージャーは「限られた時間の発表会では伝えきれないほど、今回のプロジェクトの内容密度は濃い。前回のゲーム版は全世界で170万枚を販売したが、今回はそれを越える200万枚を目指していきたい」と、目標を掲げた。
□バンダイのホームページ
(2006年2月6日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|