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4月5日よりテレビ東京系で放送されるテレビアニメ「.hack//Roots」(ドットハック・ルーツ)。バンダイや角川書店ら8社が参加するクロスメディアプロジェクト「.hack Conglomerate」の1展開として注目を集める作品だ。 「.hack Conglomerate」は、2002年4月から開始された「Project .hack」を踏まえたもので、バンダイ、バンダイビジュアル、テレビ東京、角川書店が参加。プレイステーション 2用ゲームを軸としながら、テレビアニメ、コミック、ラジオ、携帯電話など、幅広いメディア展開を予定している。詳しくは既報の通り。
新プロジェクト最大の特徴は、ゲーム版とアニメ版の主人公が同一で、同じ視点から物語が描かれることだ。主人公のハセヲは、他人とのコミュニケーションが苦手で、受身の人生を送ってきた少年。現実世界から逃げ出す場所としてオンラインゲーム「The World R:2」にアクセスする。 ゲーム内でも特に目的の無いハセヲだったが、キャラクター達が作るチーム(ギルド)の1つ「黄昏の旅団」のオーヴァンに声を掛けられ、女性キャラ志乃などと知り合い、冒険を開始。だが、やがて思いもよらない事態に巻き込まれていく。 なお、アニメ版はゲーム版の8カ月前の物語となっており、個別に観たりプレイしても楽しめるが、アニメやコミックなどを読みつつゲームをプレイすると、より理解が深まるという構成だ。
作品単体としても、プロジェクト展開の1つとしても注目の作品。その情報をさらに収集すべく、アニメ版のアフレコが行なわれたスタジオに突撃した。
■ .hackの世界に触れる道標としてのアニメ版
インタビューに答えてくれたのは、ハセヲ役櫻井孝宏さん、「黄昏の旅団」のマスター、オーヴァン役の東地宏樹さん、同じく旅団のメンバー志乃役の名塚佳織さん、ハセオと同じゲーム初心者、タビー役の豊口めぐみさん、熱血系の性格で旅団の爆弾的存在、匂坂役の置鮎龍太郎さん。 「ハセオは他人を信用しておらず、突き放した部分があるんですけど、そこが逆に子供っぽいようにも感じられるキャラクター。この作品は、彼が成長する物語でもあるのかなと思っている」と語るのは櫻井さん。
「一見地味なんですが、残酷な描写もあり、1話目からハードな展開だと感じた。ハセヲは思っていた以上にヘタレというか、本当に初心者って感じのキャラクターで、今後の展開がどうなるのか興味を持った。映像面では絵が綺麗で、ゲームと現実の境目がわからなくなる不思議な感じが味わえます」と見所を語る。
「櫻井さんと同じく、ゲーム版(Vol.1)を収録済みなので、全体的な事はなんとなくわかっている」と話すのはオーヴァン役の東地さん。しかし「それでもオーヴァンという人物は凄く謎が多いです。アニメが始まって少しずつ謎が解けていくと思いますが、そう簡単に全部はわからないのでは。それだけに、これからどんな展開になるのか楽しみ」とのこと。
名塚さんは志乃という役について「凄くおっとりとしていてマイペースな性格。人見知りせず誰とでもすんなり馴染んでいく女の子です」と説明。「オーヴァンの側にいるのが好きみたいなので、今後彼の謎が解けていくに従って、志乃のこともわかっていくのではないかと思っています」という。
なお、志乃はオンラインゲームの常連という設定だが、演じる名塚さん自身はゲームをあまりやらないという。「知らないゲーム内の言葉が出てきた時は、“こんな意味なんだろうな”と自分の中で解消しながら演じています。もし発音とかが違っていたら教えてください」と笑う。「この先どんどん作品の世界について、理解が深まることが楽しみです」と語ってくれた。 「タビーはズバリ、猫耳です」と笑うのは豊口さん。「外見も含めて凄くゲームのキャラクターって感じの役です。タビーを操作しているプレーヤーは、志乃のことが大好きな17歳の女の子。演技の方はキャラクターデザインの大澤さんから太鼓判をもらえたので安心しました。天真爛漫をテーマに頑張りたいと思っています」という。 「アニメから参加したこともあり、“.hack”の世界観を全然把握してなかった」と語るのは置鮎さん。「作品に関わり、やっと基本情報がわかって、なるほど! と、スッキリしました。これから難しい情報がいっぱい出てくると思うのですが、ゲームを知っている櫻井さんと東地さんを頼りに頑張りたいと思います」と笑う。
確かに現実とゲーム世界が混在するオンラインゲームを題材としているため、複雑で難解な作品になる可能性もある。しかし、だからこそ異なるメディアで1つの世界を違った角度から描くことで、理解が深まり、より作品の世界が楽しめる。それこそが「.hack」ならでは魅力と言えるだろう。東地さんは「アニメのオンエアとゲームの発売が重なることで相乗効果を生み出し、お互いに良いものに仕上がるのが理想的だなと思っています」と語ってくれた。
□アニメの公式サイト
(2006年3月29日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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