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NHK、FM文字放送サービスを2006年度で終了
-反対意見は約10件。「見えるラジオ」は存続


5月26日現在、サービス終了のメッセージのみが放送されている
5月24日発表


 日本放送協会(NHK)は24日、NHK FMで放送しているFM文字多重放送サービスを2006年度で終了すると発表した。

 FM文字多重放送は‘95年4月から全国でスタート。NHKでは‘96年3月から南関東4局と大阪、京都、神戸、名古屋の計8放送局でサービスを実施している。しかし、同サービスに対応したラジオチューナが特殊用途を除いて販売終了となっていることなどから、2006年度で放送を終了することを決定したという。

 NHKではこの方針を3月に外部公表し、経営広報番組やホームページ、FM文字放送の中で告知。視聴者から意見を求めていた。これに対して、募集期間の1カ月間に18件の意見が寄せられ、うち7件は終了に賛成の意見。8件は「カーナビで便利に使っているのでやめないで欲しい」などの反対の声だったという。

生産/販売終了となっているソニーの対応ラジオ「SRF-DR2V」。‘96年7月発売で22,000円

 しかし、実際に利用しているユーザーからの反響はコールセンターへの電話などを合わせても10件余りに留まった。FM文字放送開始から10年を迎え、NHKでは設備の更新か終了かの判断を下す時期にあり、こうした反響を踏まえてサービス終了を決断した。

 NHKは「移動体向け情報サービスとしては、4月からワンセグが始まっており、より高度で利便性に優れたサービスを届けられるようになった。FM文字放送はエリア拡大を検討する状況になく、経営資源を効率的に活用するため終了を決断した。今後はワンセグのサービス充実とエリア拡大に注力していく」と説明している。

 なお、FMラジオの文字多重放送は東京FMなど、JFN系列のラジオ局が「見えるラジオ」の愛称で展開。関東ではJ-WAVEも「アラジン」という名称でオンエア中の楽曲情報や番組情報、ニュース、気象情報、交通情報などを提供している。

東京FMの「見えるラジオ」。番組情報やオンエア楽曲情報、ニュースなどを提供している J-WAVEのアラジン

 文字情報を表示するための大型ディスプレイを搭載する必要があり、ポータブルラジオの魅力であるコンパクトさが失われたことや、低価格モデルがリリースされなかったことなどで普及が進んでおらず、新機種のリリースは途絶えた状態。現在は対応機種の購入は困難な状況になっている。

 また、大阪のFM802では「Watch-Me」というFM文字多重放送を行なっていたが、2004年4月にサービスを終了している。なお、VICSに対応したカーナビゲーションシステムでは、電波/光ビーコンと合わせ、FM文字多重放送からも交通情報を受信している。また、一部のタクシーでは乗客向けサービスとして車内で文字情報の表示を行なっている。

□NHKのホームページ
http://www.nhk.or.jp/
□FM文字放送サービスの終了決定について
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/060524.html
□「見えるラジオ」のページ
http://www.tfm.co.jp/mieraji/

(2006年5月26日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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