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凸版印刷株式会社は8日、印刷法(凸版)を用いたアクティブマトリクス型の有機ELディスプレイを開発したと発表。5.5型ワイド/解像度400×234ドット/画素ピッチ300μmの試作機を公表した。 既に量産が始まっている蒸着法によるRGBの塗り分けでは、パネルのサイズに限界があるとされているが、薄く均一な膜厚を実現できる凸版印刷法は、スループットが速く、高精度なパターニングが可能なほか、パネルサイズの大型化がスムーズに行なえるという。また、基板にはガラス素材以外にもフィルム素材への対応も容易なため、巻き取り製造プロセス(Roll to Roll)への適用も将来的に可能だとしている。 同社は2005年6月にパッシブマトリクス型のディスプレイを発表したが、輝度や寿命の点で有利とされるアクティブマトリクス型においては、基板上に有機ELの発光層を形成する工程が凹版、平板の印刷法では困難だと見られていた。今回の開発により、凸版印刷法で均一性の高い発光層を形成できることが実証されたとしており、アクティブマトリクス型の高輝度、長寿命などの特性を生かして携帯電話やDVDプレーヤー、車載ディスプレイ、テレビなどの用途へ展開が可能になるという。 2007年の量産試作に向け、同社は製造プロセスの設計等、発光材料の更なる長寿命化、高性能化に向け開発を行なうとしている。なお、今回の開発には、2002年より共同開発契約を結んでいる英国Cambridge Display Technology(CDT)との開発成果が活用されている。
□凸版印刷のホームページ ( 2006年6月13日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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