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株式会社アイ・オー・データ機器は、ネットワークメディアプレーヤー「AVeL LinkPlayer」シリーズの新モデルとして、デジオンのDiXiMをサーバソフトに採用した「AV-LS300DW」を6月末に発売する。価格は38,850円。また、LS300DWから無線LAN機能を省いた有線LANモデル「AV-LS300D」も7月中旬に35,490円で販売する。年間販売目標は計5万台。
300DWと300Dの違いは無線LAN機能の有無のみで、主な仕様は共通。いずれもサーバーソフトをインストールしたPCや、DLNA対応機器と連携し、ネットワーク経由で音楽や動画ファイルを再生できるネットワークメディアプレーヤー機能を備えている。また、DVDプレーヤーも内蔵しており、DVDメディアに記録したファイルやDVDビデオの再生も可能。
デコーダチップはSigma Designsの「EM8620L」で、これまでのAVLP2シリーズと同じだが、新機種では使い勝手の向上と画質/音質の向上を目指し、ハードウェア/ソフトウェアともに新設計。基板レベルで映像出力回路を独立化させるなど、クオリティを追求した。また、GUIも大幅に変更されている。
ハードウェア面では新たにHDMI端子を装備。HDCPもサポートしており、DVDビデオの映像を1080i/720pにアップコンバートして出力可能。ただし、DVDプレーヤー部はCPRMに対応していないため、ハイブリッドレコーダなどでムーブしたコピーワンスコンテンツは再生できない。 アナログ出力はD4を備え、映像信号の不要帯域ノイズを除去するフィルタドライバを搭載。よりクリアな映像が出力できるという。音声面ではDACにTIのバーブラウン「PCM1793」を採用。24bit/192kHzに対応し、オーディオ専用の電解コンデンサを出力部に採用するなど、「オーディオ機器並みのクオリティを実現した」としている。 DLNAの認定を取得しており、同社のLANDISK(HDL-GXシリーズ/後日ファームアップでDLNA対応予定)などのNASや、DLNA対応レコーダなどとも連携が可能。なお、DTCP-IPやインテルのプラットフォーム「Viiv」には対応していないが、どちらもファームウェアアップデートによる対応を検討。「読み込み専用DVDドライブでCPRMに対応したものが少ないため、DVDプレーヤー部はCPRMに対応していない。しかし、DTCP-IPには対応する予定なので、デジタル放送番組のコンテンツはネットワーク経由で再生することをイメージしている」という。 GUIも一新されており、「音楽」や「映像」など、コンテンツ別に大きなアイコンが縦にスクロールするメインメニューを採用。サーバー側に蓄積されたコンテンツが個別のフォルダに散らばって保存されていても、自動的に映像/音楽/写真の種類別に分類する「Direct Contents Access機能」に対応しているため、メニューに入るだけで再生可能なコンテンツが一覧表示される。
これまでのLinkPlayerに近い、サーバー別のメニューも用意しており、サーバにログオンしてファイルを探すことも可能だが、基本的にユーザーがサーバーを意識せずにコンテンツを参照できるGUIとなっている。また、これまで対応していなかったMP3のID3タグ日本語表示をサポート。レジューム再生機能や早送り/巻き戻しも行なえるほか、全体的なレスポンスも向上しているという。 映像再生時のアスペクト比調整機能として「新AR2(エーアールスクエア)」を搭載。これまでのAR2は全動画ファイルに対して強制的にアスペクト比を調整していたが、新バージョンでは調整が必要なものにのみ適用される。 サーバーソフトとして「DiXiM Media Server」を同梱。さらに、従来モデル同様「AVeL Link Advanced Server」も同梱する。これは既にAVeL Link Advanced Serverを使ってネットワークを構築している従来ユーザーに向けたもので、「基本的にはDiXiM Media Serverを使って欲しい」という。 伝送可能なフォーマットはサーバーソフトによって異なる。両対応のものはDivX3.11/4.12/5/5.11/5.21、MPEG-2/4、WMV9などで、720pまでサポート。MPEG-1と拡張子vobのMPEG-2はAdvanced Serverのみ、m2p拡張子のMPEG-2はDiXiMのみとなる。音声はMP3、WMA、WMA9 Pro、AAC、PCMなどをサポート。静止画はBMP、JPEG、GIF、PINGをサポートする。詳しい対応フォーマットは同社のページに記載されている。
再生可能なディスクはDVD±R/RW、DVD+R DL、CD-R/RW。300DWにはIEEE 802.11b/g対応の無線LAN機能を搭載。ダイバシティアンテナを備え、より安定した通信が行なえるという。両モデルにEthernet端子も装備。また、前面のUSB端子が2個に増加。USBメモリや外付けHDD内のコンテンツも再生でき、NTFSフォーマットにも対応している。
出力端子はHDMI、D4、S映像、コンポジット、アナログ音声、光デジタル音声を各1系統装備。外形寸法は430×267×50mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.1kg。新デザインのリモコンが付属する。 また、会場にはDVDプレーヤー部を省いた小型モデルも参考展示していた。CATV用のSTBとして企業向けに来月頃からリリースを予定しており、現時点ではコンシューマ向けの一般販売は予定していないという。HDMI出力は備えておらず、D4端子/S映像/コンポジットのみとなっている。
■ 「家電と同等レベルの製品」 エンターテイメントユニットゼネラルマネージャー代理の豊田勝之氏は新モデルに関して「アイ・オー・データの製品をリビングに置くことが夢だった。しかし、これまでのモデルに対しては“もっと使いやすく”、“もっと家電ライクに”という要望が多数寄せられた。そこで、今回はハードウェア/ソフトウェアもゼロから作りこみ、使いやすさと画質/音質を高めた。家電と同等レベルの製品が出来たと考えている」と語った。
細野昭雄代表取締役は前モデルに関して「投入して約1年半、3万台弱を出荷し、高いシェアも獲得した。この市場は次々と画質や音質がレベルアップしており、HDコンテンツが本格的に揃うこれからが本番。そのためにも、ローコストを狙うのではなく、品質や画質の向上に注力した」と、製品のねらいを語った。
□アイ・オー・データ機器のホームページ
(2006年6月23日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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