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日本テクト株式会社は、PC機能を外付けする32インチ液晶テレビ「楽ねっとテレビ」(NT-7103)を開発、東北ケーブルテレビネットワーク株式会社への提供を開始すると発表した。一般販売は行なわない。将来は、全国のCATV事業者向けに販路を広げていく考え。 東北ケーブルテレビネットワークでは、7月4日より利用者からの注文を受付、8月1日より販売を開始する。価格は298,000円。 楽ねっとテレビは、32インチのワイド液晶テレビの背面に小型PC部を取り付けた製品。8インチのタッチディスプレイリモコンを同梱する。テレビ部は、32インチ/1,366×768ドットのパネルを搭載。輝度は400cd/m2、コントラスト比は800:1。 入力はD4を2系統、S映像/コンポジットを3系統、アナログRGB(D-sub 15ピン)を1系統装備。音声入力は3.5mmステレオミニ3系統とアナログステレオ(RCA)を3系統。HDMIは搭載しない。外形寸法は940×240×600mm(幅×奥行き×高さ)。
PC部は、液晶背面に固定。OSにMicrosoftの組み込み機器向け「Windows XP Embedded SP2」を搭載。通常、一般ユーザーからOSが見えることはなく、各事業者のカスタマイズしたインターフェイスを付属のタッチパネルリモコンで操作。インターネット接続によるWeb閲覧やメール操作が行なえる。PC部が故障した場合もテレビ単体で動作可能。また電源をオンにすると、テレビ映像を先に表示、OSの起動はバックグラウンドで行なう。PC部の入力はマイク1系統、出力はアナログRGB(D-sub 15ピン)、3.5mmステレオミニを各1系統装備。
システムボードはファンレスCPのVIA Eden 733MHz、メモリ 512M搭載。最大1GBまでの増設も可能で、事業者が選択できる。HDDレス構造で、オンボードのCFスロットに512MBのCFを搭載、CF内にOSが組み込まれている。PC部のみのアップグレードも可能で、12月にはCeleron M搭載モデルやPentium M搭載モデルの出荷を予定している。 リモコン部は、8インチ/640×480ドット、輝度300cd/m2のパネルを搭載、タッチパネルを採用する。本体とは有線で接続、液晶テレビで表示している映像と同じものをリモコンの液晶に表示する。タッチパネルは抵抗膜方式を採用する。操作は通常、画面端に配置した各アイコンを直接タッチして行なうほか、ソフトキーボードが利用できる。リモコン部の外形寸法は210×37×155mm(幅×奥行き×高さ)、重量は960g。無線接続のリモコンも事業者向けのオプションとして用意する。
PC部にはブラウザとメールソフトを搭載し、PC向けのWebサイトも閲覧可能。ブラウザには同社のポータルコンテンツである「楽ねっとポータル」をはじめ、同社の調べでユーザーの利用率が高いとされる、いくつかのポータルサイトが事前に登録済み。今後はショッピングや株式の売買、出前といった販売サービスを追加して、楽ねっとポータルの充実を図っていく方針。 メールソフトについては、ソフトキーボードを利用した一般的なテキストメールに加えて、手書きメールの送受信に対応。同じ端末同士の場合、画像ファイルであることを意識することなくメールの読み書きが行なえる。手書きメールはPNG形式の画像フォーマットを採用、PCや携帯電話などに手書きメールを送った場合、添付画像として受信される。
また、同社ではリサーチ事業に、楽ねっとテレビを利用していく方針。株式会社イービーエムズと提携して、骨粗鬆症や、慢性疾患といった患者のデータを集めて、疾患調査を進めることが決定している。疾患調査では、東北ケーブルネットワークの利用者の中から、症状を持つ利用者を募集。審査した中からモニターを選出して、楽ネットテレビを無償で提供する。あとは定期的に行なうアンケート調査に協力してもらい、今後の治療に向けて生かしていくという。
同社では、楽ねっとテレビの価格設定について、同クラスの液晶テレビが付属するメーカー製AVパソコンと比較して、10~20%安い値段に設定したという。ただし楽ねっとテレビには、大容量のHDDや録画を行なうための機能は備えていないため、その点を考えるとちょっと割高なのではないか? との問いに対して、取締役社長の増岡厳氏は「メーカー製パソコンとは金をかけている所が異なる。一般的なAVパソコンが、通常のWindows OSを使ったパソコンと液晶テレビのセット販売を行なっているのに対して、楽ねっとテレビは、組み込み用WindowsとHDDレスの構成により”家電”としてのテレビとして十分使える堅牢性を確保している。その堅牢性にかけたコストを考慮した価格だと思ってほしい」とした。 また、今後の展開として「今回は、東北ケーブルネットワークが自社で販売することから、このような価格設定になっているが、他のCATV事業者の中には、販売ではなくレンタルで提供していきたいと考えているところも多い。今後は、レンタルによる提供もありうるだろう」とする。同社では、2006年度の出荷台数として、10,000台を目指す。 □日本テクトのホームページ ( 2006年7月4日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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