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ソニーが6月に、容量4GBのメモリースティックPRO Duoを8月上旬に発売すると発表したが、市場に先に登場したのは、ソニー製ではなくサンディスク製だった。そこで、今回は一早く市場に登場した、サンディスク製のメモリースティック PRO Duo 4GBの使い勝手や速度などを検証した。 11日現在ヨドバシでは27,800円(ポイント13%還元)で販売されており、安いところでは2万円代前半の値をつけている。なお、ヨドバシでのソニー純正品の価格は29,800円(ポイント13%還元)となっており、サンディスク製の方が2,000円安くなっている。
■ 主な対応機器はPSPとW42S、ファイルフォーマットに注意 パッケージはこれまでに同社の発売したメモリースティックと同様、赤と青を基調としたデザイン。サンディスク製メモリースティックは容量を示す数字に大きめのフォントを採用しているので、容量が判別しやすい。ボディカラーは水色で、ソニー製の黒などと見分けやすいのも特徴だ。
メモリースティックPRO Duo 4GBの利用時に注意したいのはファイルフォーマット。4GB超となるためFAT32に限定されるのだ。多くのデジタルカメラやメモリースティック機器はFAT(FAT16)までで、現状では対応機器が限られている。
対応を表明している機器としては、PSPとauのソニー製携帯電話「W42S」がある。PSPの場合、ゲームのみの利用であれば、低容量メディアであっても問題ないが、音楽や動画を楽しもうと思うと、メモリースティックPRO Duoの容量は大きければ大きいほど利用の幅が広がる。特にテレビドラマを複数話詰めて視聴するような場合、1GBや2GBでは物足りない。 例えば、ビットレート780kbpsのMPEG-4を1GBのメモリースティックPRO Duoに収納する場合、約3時間弱の176分が収録可能。1時間ドラマだとCMをカットしなければちょうど3本程度、2GBでも6~7本までしか入らず、シリーズ全てを収めようと思うと、もう1歩のところで足りない。これが4GBの容量になれば約12本。最近のドラマは10~12話で完結するので、ちょうどいい時間になる。 また、W42Sについても「ウォークマン」の名を冠し、音楽機能が目玉なのにも関わらず、本体の1GB内蔵メモリには「au Music Port」経由でしかデータを転送できない。「SonicStage CP」から転送する場合には、メモリースティックPRO Duoが必要になる。そのため、本格的な音楽ケータイとして使おうと考えると、より大容量のメモリースティックPRO Duoが必要になり、4GBを利用することで、使い勝手は断然よくなる。 今回は、PSPで試したところ、最新ファームウェアの2.71では、問題なく4GBメモリースティックPRO Duoが認識できた。mp3、MP4ファイルの再生を行なったが、特に問題はなかった。
■ 非対応機器でも認識はするが、フォーマットが行なえず 続いて4GBメディアに非対応の機器にもメモリースティックPRO Duoを挿入してみた。NTTドコモの携帯電話「SO902iWP+」は、2GBまでのメモリースティックPRO Duoにしか対応しない機器なので、これにあえて4GBのメモリースティック PRO Duoを挿入してどうなるかを検証してみた。 なお、非対応機器に強引にメモリースティックPRO Duoを挿入した場合、最悪メディアが破壊される可能性がある。 挿入してみたところ、非対応のはずのSO902iWP+は一見、メモリースティックPRO Duoを認識したように見えたが、実際にメニューからメモリースティックPRO Duo内のファイルを操作しようとすると「フォーマットが必要です」とエラーが出てしまう。各種項目はグレーアウトしてしまい、操作は行なえない。可能な操作はフォーマットのみ。そこでフォーマットを実行してみたが、フォーマット完了時に再度「フォーマットが必要です」とのダイアログが出た後、「フォーマットが完了しました」と言うメッセージが出る。メモリースティックPRO Duoの様子を見ると、やはり各項目はグレーアウトしており、何も操作は行なえない。 以後この繰り返しで、何度やってもSO902iWP+のフォーマットでは、メモリースティックPRO Duoをフォーマットできなかった。FAT32のファイルシステムに対応していないため、フォーマットが行なえないのが原因だろう。
■ ファイルコピーでは一長一短。HDBenchでは4GBの方が高速 続いて、PSPとPCを接続して、メモリースティックPRO Duoへのファイル転送速度を測定した。PC上にある200MBのMP3ファイルを4個、エクスプローラ上でコピーした際にコピーが開始されてから終了するまでの時間を測定した。1GBメモリースティックPRO Duoで試した場合、平均2分20秒前後だったのに対して、4GBメモリースティックPRO Duoでは平均2分45秒前後。 同様にメモリースティックPRO Duo上のファイルをPC上のHDDにコピーした結果は、1GBの場合で、平均1分53秒、4GBでは平均1分28秒となった。 また、HDBENCH Ver.3.40 beta6を使って、ベンチマークを実行してみたが、リード/ライト/ランダムリード/ランダムライトのいずれも4GBが高いスコアを出した。 実際にコピーを行なう際の挙動を見ていると、1GBのメモリースティックPRO Duoでは、ファイルコピーや削除などを行なう際に、いずれも1、2秒の間があるのに対して、4GBではスムーズに操作が行なわれた。
容量4GBのメモリースティックPRO Duoは、コストパフォーマンスの点でみれば値下がりしている2GBや1GBには劣る。ただ、その差は少ないので、1枚のメモリースティックPRO Duo内に、より多くのファイルを転送できるメリットを考えれば、W42SやPSPの利用者にとっては十分魅力的な製品と言えるだろう。 □ソニーのホームページ ( 2006年7月11日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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