◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
ZMP、自律移動可能なロボットオーディオプレーヤー
-音質向上にケンウッドが協力、WMP/iTunes再生に対応


12月発売

本体価格:108,800円


 株式会社ゼットエムピー(ZMP)は、ロボット技術を組み込んだオーディオプレーヤー「miuro(ミューロ)」を12月より発売する。価格は本体価格が108,800円。同社ではmiuroのホームページで、8月31日より先行予約受付を開始。カラーバリエーションとして、White、Black、Yellow、Redの4色を用意する。



■ ネットラジオやPC連携機能などを搭載するロボット

 スピーカーを内蔵し、オプションの導入により自律移動も可能なロボットオーディオプレーヤー。移動は車輪型を採用。内部にはジャイロや加速度センサー、車輪の回転数を検知するロータリーエンコーダなどを内蔵し、本体が回転しないように、姿勢を制御するロボット向けの制御技術を採用している。

 付属のリモコンで操縦が可能なほか、リモコンに備える「center」ボタンで、リモコンに対して正面になるように自動で回転する「スウィートスポット(正面位置)自動補正」機能も備える。また、自分で再生する音楽に合わせてリズミカルにダンスを踊ったり、イルミネーションを点灯させることもできる。

 音声入力はDockコネクタと3.5mmステレオミニを搭載。iPodを本体内部に収納可能で、Dockコネクタ接続時にはリモコン経由でiPodの楽曲操作なども行なえる。

miuro本体 本体中央上部にiPodを収納可能。Dockコネクタで接続して音楽再生が行なえるほか、3.5mmステレオミニで他のオーディオプレーヤーも接続できる

 IEEE 802.11b/g対応の無線LAN機能を内蔵し、ネットラジオ接続やネットワーク経由でPC上のWindows Media Player(Windows Media Connectを利用)やiTune(AirTunesを利用)と連携し、PC上の音楽ファイル再生が行なえる。PCのファイル再生で利用可能なフォーマットはWAV、MP3、WMA、AAC、AIFF、LPCMで、DRM付きのWMA/AAC再生は行なえない。

音楽に合わせてリズミカルに踊る3台のmiuro(画像をクリックすると動画が再生します。WMV9形式/6.97MB/1分16秒) 中央に備える液晶ディスプレイに再生情報などを表示する リモコンで本体を操縦可能なほか、ネットラジオ利用時やPC上の音楽ファイル再生、iPod接続時にはリモコンから楽曲操作が可能

 4ch対応のデジタルアンプを内蔵。スピーカー部は2.5cm径ユニットによるソフトドームツィータ×2chと8cm径の無指向性ウーファ×2chを装備。エンクロージャは二重壁のシェル構造を採用し、振動と共振、共鳴音やノイズを防ぐほか、豊かで広がりのある音を再現するという。気密構造により、エンクロージャ内で低周波帯域のサウンドが強められ、チューブ構造を通して下面のポートに送られる音響設計になっている。

 主に床上で使用するため、音場を高めるための操作技術としてダイマジック製「uphony」を採用。リモコンで「フロアモード」に設定すると、ソファーに座った状態の耳の高さまで音場を上げて、ダイレクトなサウンドが楽しめると言う。ほかにテーブル上に設置して使用するための「テーブルモード」も備える。

 スピーカーやアンプ部については、株式会社ケンウッドが協力。先行技術開発部主幹(音質マイスター)の早川純一氏が音質などについてのアドバイスを行なった。

本体両側面にそれぞれツィータ/ウーファを装備 3種類のオーディオ機能が利用可能

 中央には情報表示用の液晶ディスプレイを備え、再生している楽曲名、ネットラジオ局などが表示できる。時計を内蔵し、時間に合わせて音楽再生を開始するタイマー機能なども備える。

 電源は内蔵のリチウムイオンバッテリで、連続駆動時間は約3~4時間。外形寸法は22×35cm(径×幅)。重量は約5kg。

メカ内部設計(前面/背面) 主にオーディオ用、無線/カメラ用、ロボット機能用の3つのボードを内蔵

 別売オプションとして、自律移動を行なえるようにする「自律移動パッケージ」(19,800円)や、携帯電話やW-ZERO3からの遠隔操作が可能になる「遠隔コミュニケーションパッケージ」(15,800円)を用意する。

 自律移動パッケージを組み込むことで、内蔵するカメラや各種センサで取得した情報を元に、室内の見取り図を作成し、聴きたい部屋などの場所設定を行なうことで、自動で位置を変える「自律移動」を行なうようになる。また、前述のタイマー機能も、場所を自律移動して、寝室などに来て音楽再生を開始するといったことが可能になる。

 また、遠隔コミュニケーションパッケージを組み込むことで、携帯電話やW-ZERO3などからmiuroに室内の目的地を指定することで、目的地まで自動で移動して、miuroに備えるカメラで目的地の様子を撮影して、携帯電話などに画像をメールで送信する機能などが利用できるようになる。

 なお、これらオプションパッケージにはmiuroのファームウェアアップデートやカメラセンサーなどが含まれるため、一度本体を購入した後にこれらオプションを導入する場合、同社に一度miuroを送付して、これら機能を組み込む必要がある。

 その他のオプションとして、大容量バッテリ(12,800円)や、iPod収納部の透明カバー「クリアートップカバー」(2,800円)なども用意する。

オプションの「遠隔コミュニケーションパック」を導入するとW-ZERO3などから本体操作が可能になる ロボット機能のうち、リモコン操縦や、ダンス機能は標準で搭載するが、自律移動の機能は内蔵せず、オプションの自律移動パッケージの導入が必要


■ 音楽をキラーアプリに位置付け

デザインを担当した株式会社ライスの原神一氏

 発表会では、miuroの詳細説明やコンセプトなどについて、開発陣からの説明が行なわれた。

 miuroのデザインを担当した株式会社ライスの代表取締役の原神一氏は、浜崎あゆみやGLAY、忌野清志郎や矢沢永吉といった日本国内のミュージシャンのアルバムジャケットなどで知られるデザイナー。miuroのデザインコンセプトは、卵をイメージしたとしており「当初、卵が開閉するようなイメージだったのだが、コストの問題や安定性の問題から、現在の固定形に落ち着いた」と設計時の苦労について語った。

 また、miuroをどのような人に使ってほしいかとの質問に対しては「自分が一緒に仕事をしたことのあるミュージシャンたちは、撮影現場などにラジカセを持ち込んで音楽を聴いたり、ペットを持ち込んで遊んだりしていた。miuroなら両方を兼ねられるから彼らはみんな買うと思う」と撮影現場のミュージシャンたちの裏話を披露した。


音に関するアドバイザーは株式会社ケンウッドの早川純一氏

 音質に関するアドバイザーの早川純一氏は、「試作段階から内蔵するスピーカーユニットのサイズは変わっていないが、エンクロージャは今より二まわりほど大きかった。そのため音質も非常によかったのだが、開発が進むに従いサイズがどんどん小さく、かわいくなってしまったので残念だった。そのため、エンクロージャのサイズに合わせて、音質を確保しなければならなかった。また、普通のスピーカーであれば正面を向けて音を出す設計になるが、miuroでは左右にスピーカーを配置し、床面に置いて音を鳴らす。その特殊な形状にも苦労した」と、苦労を語った。

 「しかし、逆にその特殊な作りを活かして、広がり感のある音作りをしていくために、無指向性のウーファを採用し、ツィータも上向きに配置するなどして、広がり感のある音を再現できた」とmiuroならではの音の魅力について語った。

 ZMPの代表取締役社長、谷口恒氏は「これまでロボットを色々開発してきたが、多くの方から、現在のロボット技術がどのように生活に関わってくるのか想像ができないとの指摘を頂いていた。そのため、培ってきたロボット技術を活かした家電製品に応用させていくことで、これまでとは異なる新しいライフスタイルが提案できるのではないかと考えた」と開発背景を語った。

 また、miuroの製品コンセプトについては「miuroは『MUSIC INNOVATION based on utility robot technology』の略。そのため、音楽をキラーアプリケーションとして位置付けて、常に側に置いて音楽を共に楽しめるロボットを目指している。これまで蓄積してきたロボット技術の全てを、音楽を楽しむための機能として採用した」と説明。なお、miuroが2足歩行ではなく、車輪型になった点については「コストパフォーマンスを考慮したため」とした。

 なお、同社では、初回出荷の12月は1,000台程度、2007年度の売上として1万台以上の販売、10億円以上の売上を見込んでいる。


株式会社ZMPの谷口恒氏 開発メンバーと4色のmiuro

□ゼットエムピーのホームページ
http://www.zmp.co.jp/
□ニュースリリース(pdf)
http://www.zmp.co.jp/data/press_20060831_jp.pdf
□miuroのホームページ
http://miuro.com/
□関連記事
【5月31日】ロボットで楽しい未来の実現を目指す~株式会社ゼットエムピー
ロボット業界キーマンインタビュー【ベンチャー社長編】
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/column/2006/05/31/13.html (Robot)

( 2006年8月31日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.