PLAYSTATION 3 20GB HDDモデルは49,980円 －下位モデルもHDMI標準搭載に。「喜んでもらえるかな?」

PLAYSTATION 3

会期：9月22日～25日 会場：幕張メッセ

　幕張メッセで22日、「東京ゲームショウ2006」が開幕。ソニーコンピュータエンターテインメントの久夛良木健社長が開幕基調講演と、トークセッションを行ない、20GB HDD搭載の「PLAYSTATION 3」下位モデルの値下げやHDMI端子の搭載を発表した。

SCE 久夛良木健社長

　基調講演では、次世代のエンターテインメントについての言及が多く、PLAYSTATION 3の機能については触られなかったが、終了後のトークセッションでは、20GB HDD搭載の下位モデルについて「HDMIを付けることにした」と明言。さらに、価格についても、低価格モデルの価格も「49,980円(税込み)にする」と宣言した。

　同社では今回の仕様変更について、「2005年5月のE3においてPLAYSTATION 3の仕様を発表して以降、HDMIを搭載したフルHDフラットディスプレイが加速度的に市場に投入され、HDMIによる高画質映像や臨場感溢れるデジタルサウンドに対する需要が予想を超えて高まっていることから、全機種にHDMIを標準搭載することを決定した」とその理由を説明している。

　PLAYSTATION 3は5月9日に発売日と価格を発表し、20GBモデルが62,790円(北米価格499ドル)。60GBモデルはオープンプライス(北米価格599ドル)としていた。また、20GBモデルにはHDMI端子を装備しておらず、Blu-ray Disc普及のカギとなる製品としては、「高価すぎる」と疑問の声が上がっていた。

【お詫びと訂正】
　記事初出時に49,980円を税抜き価格としていましたが、税込み価格の誤りでした。お詫びして訂正します。

20GBモデルの背面。HDMI端子を備える	Blu-rayロゴが目立つパッケージ	20GBモデルのスペック。HDMIのバージョンは1.3

	20GBモデル	60GBモデル
HDMI端子	1系統(Ver1.3)
USB端子	4系統
無線LAN (IEEE 802.11b/g)	△	○
カードリーダ (MS/SD/CF)	△	○
Ethernet	1系統
価格	49,980円 (北米価格499ドル)	オープン (北米価格599ドル)

■ HDMI搭載は時代の要求。49,980円で「喜んでもらえるかな?」

　基調講演の後には、久夛良木社長に、日経BP社 ITpro発行人の浅見直樹氏が質問するトークセッションが行なわれた。

ITPro浅見氏とのトークセッション

　「PS3の量産遅れはもうないのか?」との質問に、久夛良木社長は「ユーザー、ソフトメーカーさんにはお待ちいただいて本当に申し訳ないと思っています。斬新なことにはリスクが伴う。今は、遅れを取り戻すべくがんばっています」とコメント。

　さらに、2006年のE3でのPLAYSTATION 3の仕様発表時には、「HDMIを上位機種にしか付けない」としていたことについて質問が及ぶと、「(HDMI無しの発表をした)E3段階ではHDMIのテレビは無かった(少なかった)。色深度も各色8bitで、アナログでつないだ方がきれいで、“また、余計な機能を”と怒られると思っていた。しかし、HDMIはものすごい勢いで普及し始めようとしている。“HDMIが無いと最高のデジタルオーディオが鳴らせない”という意見も頂いた。我々の予想を超えてHDMIの需要がある、時代がもっと早まると感じた」と状況の急激な変化を説明。

　「みな、いつかは大画面のテレビを買う。その都度PS3を買い換えるわけにはいかない。発売日に開けてみたら端子があるぞ、としたかったのですが、20GBモデルにもHDMIを付けます」と、下位モデルのHDMI搭載を発表した。

　さらに20GBモデルの値段については、「まず最初にドルで500ドルと決めた。発表以降、リテーラーやソフトメーカーさんにも“そんなに安くていいのか”という意見も一部では頂いていた。欧州でも現地の人は問題ないという。しかし、日本のユーザーやメディアは高いよと言う」と、日本の価格設定への疑問の声を紹介した。

　しかし、「ユーロも導入当時は1ユーロ80円程度だったのに、今は150円。欧州のレストランに行っても“ワインはやめてビールにしよう”とか、思ってしまう。だが、現地の人にとっては、通貨の価値が変わっていない」とし、「ドルで決めてから逆算して、消費税を入れると、日本では“6万幾ら”(62,790円)。これは高いということになってしまう。それではPLAYSTATION 3の目指す夢の世界を実現できない。そこで日本でも消費税込みで5万円を切ろうと、49,980円にしました」と宣言。「こうした変更は歓迎してくれるかな? 皆に喜んでもらえると嬉しい」と語った。

　基調講演では、ファミリーコンピュータから始まる家庭用ゲーム機の歴史、そして12年前にスタートした「プレイステーション」の歴史を振り返り、コンピュータサイエンスが独占してきた技術を導入して、エンターテインメントの世界を拡張してきた事例を紹介。

　その歴史で、ゲーム機が培ってきた特性として、「リアルタイム性」を挙げ、ネットワークとの連携により、リアルタイム性を活かした次世代のエンターテインメントを実現できるとアピール。「リッジレーサーで本物の地図を使えたら」などの事例を挙げて、次世代のエンターテインメント像を語った。また、販売店用PLAYSTATION 3向けのゲームのネットワーク配信や、携帯電話やICカードの少額決済機能を使ったアーケード向け展開などのプランを紹介。「今までの10年より、これからのほうが遙かに面白くて、ダイナミックになる」と、PLAYSTATION 3の未来像を説明した。

　なお、「PLAYSTATION 4はどうなる?」とという問いについては、「まだ早いんじゃないですか? PS3が遅いと怒られているので」としながらも、「CELLを使ったサーバーなど計算パワーがネットワークの向こうに貯まっていて、それ自体に我々が自由にアクセスできるようになれば、それ自体がPS4になってしまうのでは」と、PLAYSTATIONの未来像について言及した。

□東京ゲームショウ2006のホームページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□SCEのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□PLAYSTATION 3ホームページ
http://www.jp.playstation.com/ps3/
□ニュースリリース
http://www.jp.playstation.com/info/release/nr_20060922_ps3_hdmi.html
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( 2006年9月22日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]

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