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株式会社ホームシアターは、同社が日本販売総代理店をつとめるOptoma製フルHD DLPプロジェクタ「HD81」の説明会を開催。Optomaの開発責任者による解説や、日本市場向け展開などを発表した。 ■ 輝度、コスト、色再現のバランスが特徴
北米総責任者でプロジェクタ開発責任者の林宗毅(通称T・I)氏は、新フルHDプロジェクタ「HD81」の特徴を紹介しながら、実写デモを行なった。 HD81は、1080pのフルHD表示が可能な同社のフラッグシップDLPプロジェクタで、プロジェクション部とビデオプロセッサ部を分離したセパレート型の筐体を採用する。10月17日に発売し、価格は997,500円。プロセッサと投射部はHDMIで接続し、プロセッサ部には3系統のHDMI入力を備えるほか、AVアンプ向けのHDMI出力も備えている。 林氏は、0.95型/1,920×1,080ドットDMDチップや、専用ASIC「DDP3020」を2基搭載していること、7セグメントカラーホイールの特製など、製品の概要を紹介。「輝度、コスト、色再現のバランスが最適な最上位プロジェクター」とアピールした。
画質面の特徴としては、GENNUMのビデオプロセッサを搭載していることを紹介し、「これはマランツ(VP-11S1。GENNUM GF9351を搭載)と同じだが、さらに独自に日本の“JEPICO”製ICを採用した」という。 JEPICO製のIC採用により、GF9531の持つ画質設定機能に加え、「ノイズリダクションや「ガンマ」、「色温度」、「イメージモード」、「エッジ強調」、「黒白伸張」、「カラービビッドネス」などの詳細設定が可能となるという。また、ガンマカーブのユーザー機能も同チップで実現している。 さらに、「デモモード」も新たに搭載した。これは各画質モードの調整時に、調整前/後の結果を同時に投射しながら確認できる機能で、白/黒レベル強調や、エッジ強調などの機能の効き具合を実際に示しながら解説した。 ランプ出力は300Wで、「新しい光学系とあわせ、120インチでも十分な輝度を得られる」とアピール。また、電動式光学絞り(アイリス)も備え、ON/OFFのほかオートモードも選択可能。ONの場合は、16ステップの調整が可能という。
なお、HD81は、光学1.2倍マニュアルズームレンズを備えるが、100インチの投射距離が4.1~4.9mと他のホームシアタープロジェクタと比較するとやや長く、レンズシフトも搭載していない。この点については、「レンズシフトへのニーズは理解している、次の製品では検討したい。短焦点モデルも検討しているが、現在の長焦点設計で、よりよいシャープネスを得られると考えている」とする。 ■ 日本市場では1080pを推進
Optomaの事業については、バイスプレジデント兼アジアパシフィック総責任者のTelly Kuo氏が説明した。 Optomaは、台湾Coretronicグループのセット製品ブランドで、同グループ内には、光学エンジンなどをコンポーネントを製造する「Young Optics」や、製造を担当する「Coretronic」などのプロジェクタ関連社があり、「パーツからアセンブルまで、トータルに手がけられる。そのプロジェクタブランドがOptoma」と説明。 また、台湾の新竹近郊と、中国などの工場施設を紹介し、「世界最大のDLPプロジェクタメーカー。全世界のプロジェクタ生産の16%を占めている」とアピールした。なお、Coretronicは、液晶向けのバックライトモジュール生産でも中国、台湾で最大規模という。 同社の強みとしては、「技術」、「世界最大のDLPプロジェクタ生産量」、「ラインナップ」、「ブランド」の4点を挙げ、「DLPエキスパート」とアピール。デバイスについてはDLPに注力していく方針を説明した。 また、今後のプロジェクタ産業が、生産台数ベースで年率20~25%の見込みで増えていくとの見通しを示し、現在、民生市場ではワールドワイドで2位のシェアを、「1位とは僅差。ナンバーワンを目指したい」と説明。なお、米国ではトップシェアだが、アジアでは4位のため、「さらにシェアを拡大していきたい」という。 日本では、「まずは、ブランドイメージを確立するため、オーエス/ホームシアターと組んで積極的に取り組みたい。2007年にはシェア8位、2008年には5位を目指す」という。製品展開では、HD放送の普及の進む日本においては、HD81などの1080p対応製品の販売に力を入れる方針を明らかにした。
■ 「いつかはHD81」。次の製品に夢を持てる市場に
Optma製品の日本総代理店である株式会社ホームシアターの市野金行取締役は、「情報にあふれた世の中で安らぎを得られるような製品を提供したい」と切り出し、「かつて、子供達をビデオカメラで撮影して、プロジェクタで見せた時の、驚いた表情を今も覚えている」と、性能追求だけでなく、コミュニケーションツールとしてのプロジェクタをアピール。 さらに、「ホームシアターという言葉は、徐々に浸透してきている。しかし、配線や操作が難しいなどの問題。掃除が大変という声も聞く。様々な声を聞きながら、ニーズに応える製品を提供していきたい」と語り、DVD一体型の「DV10(2005年8月発売)」などの製品例を紹介。 また、「かつての車の世界では“いつかはクラウン”という有名なキャッチコピーがあった。ホームシアターという趣味的な世界だからこそ、最初からフラッグシップを目指す人だけでなく、最初はDV10、次は720pでも、“いつかはHD81”を目指していただける、次の製品に夢を持てるマーケットに育てていきたい」と提案した。
□ホームシアターのホームページ ( 2006年9月29日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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