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国立西洋美術館、ワンセグで作品ガイド映像を放送
-館内限定で、作品に合わせ配信。DS用映像も


期間:11月3日~11月19日

入場料:420円(一般)


縦表示時にデータ放送も表示

 国立西洋美術館は、携帯電話のワンセグ受信機能やニンテンドーDSを利用して、美術館研究員によるガイドとNHKの映像を館内で配信する「ウェル.com(ウェルカム) 美術館プロジェクト2」のサービストライアルを11月3日から11月19日まで実施する。参加には1階でモニター申込みの上、常設展の入場料(一般420円)が必要。なお、11月3日と11日は無料観覧日となっている。

 トライアルでは、ワンセグ対応携帯電話の「W43H」または「W41H」を来場者に貸し出し、各フロアに応じた映像プログラムを配信。1階のエントランス付近と、2階で別の映像が流れる。総務省より認可を受けて限定的なレベルの電波を送信し、館内でのみ受信できるようになっている。

 映像はNHKの美術番組「新日曜美術館」(日曜美術館)などを利用。フォーマットにはワンセグと同様にH.264を採用し、音声でも解説が行なわれる。今回のトライアルでは7つの番組を用意し、1階では青柳正規館長によるサービス概要案内が、2階では作品が生まれた時代背景や、エピソードなどの6番組が順に放送される。

 データ放送も用意され、館内ガイド映像の番組表のほか、上野公園にある別の美術館や博物館などで行なわれているイベント情報などを紹介。なお、トライアルでは番組表からの番組選択はできず、正式サービスでの実装を予定している。

他施設のイベント情報にリンク。地図表示も可能 1階では、送信に八木アンテナの「UwPA」を利用

 また、ニンテンドーDS Liteの貸し出しも行なわれ、カートリッジ内の映像ガイドを視聴可能。タッチパネルのみで操作を行なえ、特定の部屋に入ると無線LAN経由で自動的に関連映像の再生に切り替わる測位システムも搭載。映像には、ニンテンドーDSとライセンスを結んでいる仏ACTIMAGINEのコーデックを採用している。

ニンテンドーDS Lite用のコンテンツも用意 仏ACTIMAGINEの映像コーデックを採用 天井付近にアクセスポイントを設置

 そのほか、館内で気に入った絵画などを絵葉書などの形でプリントアウトできるオンデマンド印刷サービスも実施。将来的に物販の一環として利用する計画となっている。

 サービスの正式開始時期や利用料金は未定。受信端末についても決定ではなく、幅広く検討するとしており、今回に加えもう一度トライアルを経てからの正式スタートを予定している。

絵画を選べるオンデマンド印刷サービスもトライアルで実施 上野公園内にある国立西洋美術館



■ 未使用周波数での“ロケーション型”ワンセグを計画

青柳正規館長

 サービス概要を説明した西洋美術館の青柳正規館長は、「鑑賞をしていても、作品と作者や年代などの情報を交互に見る鑑賞の仕方では、視線は作品から離れてしまい、途切れ途切れとなる」と従来の問題点を指摘。

 そこで、「何も考えなくても、鑑賞しながら知りたい情報にアクセスできることで、空調による温度と湿度のように、快適な情報空間に身を置けるのがウェル.com美術館の構想」と述べた。


「情報への快適なアクセス」を目指す 様々な学術的、技術的分野との連携を図る

エリアポータルの加藤恂一代表取締役

 今回、ワンセグ携帯電話への館内伝送実験の実施などを行なったエリアポータル株式会社の加藤恂一代表取締役は、「今後は、その場に必要な情報が得られる“ロケーション型サービス”としてこれらを展開する。美術館以外に、テーマパークや観光地などでも未使用の周波数帯域を利用したワンセグ放送や、キオスク端末での情報配信などが可能」と述べた。


未使用の周波数帯域を利用した、限定的なワンセグ放送も構想に 部屋に入ると、関連する映像に自動で切り替わる測位システムを採用。日立が技術を提供している


□国立西洋美術館のホームページ
http://www.nmwa.go.jp/index-j.html
□ニュースリリース(PDF)
http://www.nmwa.go.jp/jp/files/061030.pdf

(2006年10月30日)

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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