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公募シナリオをアニメ化する「アニマックス大賞」が決定
-地下40mに広がる「東京ジオサイト」で制作発表


11月2日発表


 アニメ専門チャンネル「アニマックス」を運営する株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンは2日、一般からシナリオを公募し、優秀作を実際にアニメ化するというコンテスト「アニマックス大賞」の第5回大賞作品を決定。アニメ制作の発表会を東京・虎ノ門の地下40mに広がる「東京ジオサイト」(日比谷共同溝)で開催した。

日比谷共同溝のトンネル部分。電器、電話、ガス、上下水道などを収容。地震に強いライフラインを構築するという

 大賞に選ばれたのは、月野あかりさんの「ゆめだまや奇談」。発表会には月野さんのほか、審査委員長で制作を担当するプロダクションIGの三本隆二制作部長と、アニマックスの滝山雅夫社長が参加。さらに、特別審査員でアーティストの石井竜也氏も登場した。

 「アニマックス大賞」は「明日のアニメ界で活躍する人材の発掘」を目的として、2002年から開催されている。シナリオコンテスト形式となっており、大賞に選ばれたシナリオを30~45分程度のアニメーション化。実際にアニマックスにて放送される。

 2002年から「スーパークマさん」、「アズサ、お手伝いします!」、「たださいわいを希う。」、「リリとカエルと(弟)」が毎年アニメ化。2006年は905通の応募から、月野あかりさんの「ゆめだまや奇談」が選ばれた。アニメ制作は今まで東映アニメやサンライズなどが手掛けているが、今回はプロダクションIGが担当。2007年夏の放送を目指すという。

会見場は横穴をバックにして作られた

 大賞作「ゆめだまや奇談」は、姉が弟の夢の中に入り込んでいくという、幻想的なストーリー。作品の中で「地下」が重要な舞台になっていることから、発表会の場所に日比谷共同溝が選ばれた。

 「倖田來未ちゃんに教えてもらって、こういう場所があることは知っていたけれど、実際に降りたのは初めて。日常の隣り合わせで存在する非日常の世界という意味では、アニメに良く似た場所と言えるかもしれない。自分のミュージックビデオが撮影したくなるくらい良い雰囲気で、コンサートもやってみたい」と、特別審査員の石井竜也氏。

 「アニメオタクです」と自らを紹介し、特にプロダクションIGの作品はほとんど観ているという石井氏は「攻殻機動隊シリーズやイノセンスなど、ああいった緻密でハードボイルドな作品が好き。今回の選考でもプロダクションIGが制作を担当するとのことで、そういったシナリオを選ぼうとも考えた。しかし、逆に月野さんが思い描いた夢の中を、IGのテクニックがどのような映像化するかにも興味が沸いた。シナリオのボリュームも制作期間を考えるとピッタリだったので、月野さんの作品を選びました」と選考理由を語る。

特別審査員でアーティストの石井竜也氏 大賞を獲得した月野あかりさん プロダクションIGの三本隆二制作部長

 3人の男の子の母親でもある月野さんは「家で子供達はアニマックスに釘付け。叱ることもあるけれど、そのくらい子供達を夢中にさせる作品を作ってみたいと、第1回から応募してきました。今回大賞に選ばれて夢のようです」と喜びを語った。

 プロダクションIGの三本制作部長は「石井さんが仰る通り、IGはこれまでリアルな描写、派手なアクションなどがある作品を多く手掛けてきた。“ゆめだまや奇談”では、我々が今までやってこなかった、ある意味苦手としてきたようなファンタジックで幻想的な世界にチャレンジしてみたい」と意気込む。

 そんな三本氏に石井さんは「僕はアニメの音楽もやっているので、必要でしたらどんどん声をかけてください」とアピール。地下の発表会に笑い声を響かせた。

「東京ジオサイト」(日比谷共同溝)の入り口は、地下鉄・虎ノ門駅のすぐそばにある ここが地下世界への入り口。螺旋階段を降りて工事用エレベーターへと向かう。足がすくむ

工事用のエレベーターで地下40mへと降りていく 共同溝の内部。40mの縦穴の底から横穴が伸びている

□アニマックスのホームページ
http://www.animax.co.jp/

(2006年11月3日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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