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米Cirrus Logicは5日、デジタルテレビ向けのクラスDアンプやポータブル機器向けコーデックなど、オーディオ向けICの3シリーズ4製品を発表した。
■ CS4525
薄型テレビでの搭載を想定した、1チップのクラスDアンプ。アナログ/デジタル両方の音声入力を効率化し、システム設計にヒートシンクを不要とした。サンプル出荷が始まっており、サンプル価格は1万個ロットで2.81ドル/個(48ピンQFNパッケージ)。 パラメトリックイコライザやリップシンクの補正出力、バスマネジメントなどの機能を持つデジタルオーディオプロセッサで構成され、出力はステレオ再生時で15W×2ch、2.1ch時で7.5W×2ch+15W。さらに、低音増強用の30W出力もサポートする。OEMとしてパワー段のみのIC「CS4412」の提供も行なう。 24ビットのマルチビット⊿Σ構造をベースとし、ダイナミックレンジは100dB。組み込み式のサンプルレートコンバータを採用し、設計を簡素化。クロックジッタの影響も抑えつつ、様々な周波数の音声を管理する。 また、内部チップが過熱状態になると自動で出力レベルを下げる警報とフィードバックシステムを採用。そのほか、スプレッドスペクトラムPWM制御により、EMI放射エネルギーを削減するとしている。
■ CS48520、CS48540
いずれもデジタルテレビ向けのオーディオプロセッサで、CS48520はオーディオ入出力が4ch、CS48540は8chに対応。高いコスト効果により、OEMメーカーによる設計を容易にしたとしている。 搭載する機能は、急な大音量発生時のレベル調整などを行なう「ダイナミック・ボリューム・レべリング」や、映画やニュースなど番組によりエフェクトを変える「エンハンスト・リスニング・モード」など。部屋やスピーカーの仕様に合わせた音響設定の変更にも対応する。 サポートするコーデックは、Audistry by Dolbyや、ドルビープロロジックIIx、ドルビーバーチャルスピーカーII、ドルビーヘッドフォンII、DTS Neo:6、SRS TruSurround HDなど。
■ CS42L52
MP3プレーヤーやゲーム機、カムコーダなどの用途を想定した、24ビットのクラスDオーディオコーデック。既に量産が始まっており、価格は1万個ロットで3.95ドル/個。 DSPエンジンやデジタルボリュームコントロール、ヘッドフォン/スピーカー検出スイッチなどを搭載。外部スピーカーに1チャンネルあたり1WのクラスD増幅を行なうほか、ヘッドフォンを44mW×2chで駆動できる。 同社が最近導入したという、オンチップで負の電源電圧を発生させる低電力オーディオコーデックの設計技術を活用。グランウンド・センター出力によりクリップ/ポップノイズを減らしたほか、低周波数のレスポンスを向上させ、DCブロッキングコンデンサを不要とした。 また、標準のオーディオ周波数やUSB、ビデオクロックを含むマスタークロックのサポートを強化。システム内のクロック数を制限し、柔軟で低電力な設計を実現するという。消費電力は1.8V時で13mW。
(2006年12月5日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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