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Blu-ray Disc Association(BDA)は、2007 International CES会場でプレスカンファレンスを開催した。例年、ハードウェアメーカーとハリウッドスタジオによる現状報告などが行なわれてきたが、今回はBlu-ray Discでビデオタイトルを発売するハリウッドメジャー7社の代表が登壇し、BDビデオソフトの立ち上げに向けたスタジオの取り組みをアピールした。 ■ 消費者の視点から言えばBlu-ray」
米Pioneerの製品開発担当 副社長で、BDAの北米チェアマンを務めるAndy Persons氏は、「Blu-rayがフォーマット戦争に勝利する理由を説明する」と切り出し、「コンテンツ業界のサポート」、「ハードウェアのアドバンテージ」、「PLAYSTATION 3のアドバンテージ」の3点について説明した。 コンテンツ業界のサポートについては、ハリウッドメジャースタジオ8社のうち7社がBDソフトを投入しており、そのうち5社はBDでのみタイトルを発売することに言及。「HD DVDでのみ購入できるスタジオは1社(Universal)だけ。消費者はスタジオの名前で買うわけではない。欲しいタイトルの数がフォーマット成功の最も重要な要素だ」と業界の支持の高さを訴えた。 具体例として2006年のDVD販売トップ20タイトルを紹介。そのうち18タイトルがBDで発売されているが、HD DVDで発売されているのは4タイトル、HD DVDのみのタイトルは1タイトル(King Kong)であることから、「Blu-rayではほぼ全てのタイトルが手にはいる。消費者の視点から言えばBlu-rayを買えばいい」と説明した。
また、ハードウェアについては、サポート企業の数や、音楽やゲーム業界の支持をアピール。さらにPLAYSTATION 3については2006年末までに北米市場だけで100万台を出荷し、ソニーによるPS3ユーザーへのアンケートでは、80%がPS3でHDの映画ソフトを見たいと回答。さらに、75%がPS3をメインのビデオプレーヤーとして使うと答えたという。同結果から、「現時点で既に80万のBlu-ray再生環境が用意されている」とした。
■ 各社が新作投入。パイレーツ・オブ・カリビアン2やSPEのH.264ソフトなど
また、各スタジオの代表が2007年発売タイトルについて説明した。20世紀FOXのMike Dunn社長は、「12月24日の調査で、Blu-rayの売り上げがHD DVDを上回った。第1四半期の終わりには、BD/HD DVDの比率は3.5:1になるだろう」と説明し、さらに差別化が可能な2層/50GBディスクに注力していく姿勢を示した。今後、Master & Commanderなどのタイトルを投入していくという。 Lions Gateは、同社初の50GBタイトルとして「DESCENT」を投入したことなどを報告。2月までの累計発売が18タイトルとなり、さらに2007年中に14~15タイトルを投入する。今後は2層やBD-JAVAなどの拡張機能にも力を入れていくという。Paramount Home Entertainmentは、「Babel」や「Flags of Our Fathers(父親たちの星条旗)」などを投入することを発表した。
Sony Pictures Home EntertainmentのDavid Bishop社長は、「11月のPLAYSTATION 3発売後、Blu-rayソフトの売り上げは7倍に向上し、HD DVDを越えた」とアピール。従来、同社では映像コーデックにMPEG-2を利用していたが、Casino RoyaleやOpen SeasonなどをMPEG-4 AVC(H.264)収録で発売する。年内の発売予定は「90~100タイトル」とした。 WarnerのRon Sanders社長は、Mi:IIIなどの好調な販売に加え、新たにオーシャンズ11、オーシャンズ12、ハリーポッターやマトリックスシリーズを発売することを表明。Buena VistaのBob Chapek社長はCarsやPirates of Carribean: Dead man's Chestを発売することを明らかにし、「昨年最大のヒットタイトル(Dead man's Cheast)をBDのみで発売できることをうれしく思う」と語った。 なお、質疑応答では、LGのBlu-ray/HD DVD兼用プレーヤーの影響についての質問もでたが、「LGの発表は新しいBlu-rayプレーヤーが発売されるということで歓迎している」(Andy Persons氏)と述べるに留まった。 ■ 日立はBDレコーダを参考出展
また8日より開幕した会場では、各社の新Blu-ray Discプレーヤーが出展されている。 日立は、Blu-rayレコーダを参考出展。現行のWoooレコーダと共通のボディにBlu-rayを内蔵し、デジタルチューナも装備した実働モデルとして出展。 発売時期や価格については未定。同社ブースではハイビジョンビデオカメラのモックアップ展示を併設しており、BDプレーヤー/レコーダと合わせた利用提案が行なわれている。
Samsungは、第2世代となるBDプレーヤー「BD-P1200」を春に発売する。Silicon Optixの「HQVプロセッサ」を内蔵し、HDMIの1080p出力に対応するなど、映像クオリティの強化を図ったほか、anyNETと呼ばれるHDMIを介した機器制御機能も搭載している。 シャープは、第2四半期発売予定の新プレーヤー「DV-BP1」を出展。HDMIコントロール機能を搭載し、価格は約1,200ドルという。また、ソニーは「Sapphire 1」、「Sapphire 2」と名付けられたプロトタイプデザインを参考展示している。
□2007 International CESのホームページ(英文) ( 2007年1月9日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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