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社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)や社団法人日本民間放送連盟(民放連)ら23の著作権関連権利者 団体・事業者は6日、動画投稿/配信サイト「YouTube」のCEO、CTOとの協議を実施し、その結果を報告した。 協議にはYouTubeのChad Hurley CEOと、Steve Cen CTO、Googleのコンテンツパートナーシップ担当副社長 David Eun氏が参加。ただし会見には、YouTubeとGoogleの代表者は出席しなかった。 23団体・事業者は、2006年12月に、YouTube上におけるコンテンツの違法アップロードへによる著作権侵害防止を要請していた。 具体的には、無許諾でアップロードされるコンテンツによる著作権侵害の根本的な対策の要望に加え、暫定措置として「YouTubeのトップページに日本語で注意書きを掲載する」ことや、「アップロードの際に氏名・住所などの登録」、「不法にコンテンツをアップロードしたユーザーのアカウント停止」を求めていた。 YouTubeの代表らは、トップページ、ならびにアップロードページへの日本語での警告表示について早期に導入することを確約。さらに、抜本的な対策として、新しい著作権管理システムもGoogleと協力して開発していくことを表明した。 なお、権利者団体が求めていた暫定措置のうち、アップロード時の住所、氏名登録については、YouTubeは「多くのコンテンツがアップロードされているなか、全ユーザーに求めるのは難しい」と回答。また、無許諾の映像をアップロードしたユーザーのアカウント停止については、「現在でも、デジタルミレニアム著作権法の削除手続き(Notice and Takedown)に基づき、同じユーザーが3回著作権侵害を働いた場合は、アカウントを止め、コンテンツも削除している」とYouTubeより説明されたという。 ■ 「YouTubeは紳士的に対応」
今回の会合について、民放連 IPR専門部会員の植井理行氏は、「YouTubeは“著作権を重視する”という姿勢を表明し、暫定措置の一部を実施することを約束した。また、著作権を守れるよう、新しい仕組みを作っていくという理解を得た。紳士的に対応していただいたと理解している」と前向きな対応を評価。 「内容からいえば、100%満足というわけではない。でも、物別れでもない。どのように継続的に取り組んで、説明していただけるかに期待したい」と語った。
社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の菅原瑞夫理事も、「殴り合いになるかと思ったが、そんなことはなかった。前向きな話ができた」と評価。「ストレートに手を結びましょう、ということではないが、できることについてはやるということでは合意できた」という。 なお、対応を予定しているYouTubeの日本語による警告表示については、「何カ月先ではなく、数週間で対応すると理解している」という。開発中という新しいシステムについては、詳細は報告されなかったが、「導入については正直時間がかかるということだろうと、認識している」とした。
なお、社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協) 実演家著作隣接権センター 運営委員の松武秀樹氏は「アメリカには著作隣接権がないので、隣接権ついても説明させていただいた」と、法制度の違いについても言及。「“著作隣接権”という言葉は初めて聞いたとのことだが、理解してもらえた(芸団協実演家著作隣接権センター 広報委員 山崎博司氏)」という。 YouTubeからは本件に関連する具体的なビジネスの提案などは無かったというが、「(本件には関係ないが)アップロードした動画ページに表示した広告の収益配分など、新しいビジネスモデルの説明はあった(民放連 植井氏)」としている。 なお、今後の協議のなりゆき次第では訴訟もありうるのか? との質問には、「アメリカなので大変だが、可能性はある。ただし、今回の協議では、著作権の尊重という姿勢が見えた。安全、安心できる仕組みを作っていきたいというのが基本的な考え(JASRAC菅原理事)」と説明された。 今後の協議の日程などは、特に決まっていないというが、相互に連絡を取っていくことでは合意しており、「短期的には日本語表示をいつやりましたか? という確認が必要。それから、新しい技術や、3回著作権侵害を起こしたアカウントが本当に削除されるのか確認する必要がある。今後、直接会って話すかはわからないが、新しい提案が出れば随時話し合っていく(JASRAC菅原理事)」とした。 □YouTubeのホームページ(英文) ( 2007年2月6日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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