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シャープ株式会社は、Blu-ray DiscやHD DVDの2層ディスクに6倍速で記録可能とする高出力な青紫色半導体レーザー「GH04P21A2G」を開発、4月2日よりサンプル出荷を開始する。サンプル価格は5万円。5月より量産出荷が行なわれる。
次世代光ディスクの高速記録が可能なパルス210mWの高出力に加え、業界最高水準という10,000時間の高寿命設計を実現。赤外、赤色、青紫色のレーザーで培った結晶技術を活かし、独自の光出力面(端面)構造のレーザーチップを開発、高出力と高寿命化を実現したという。 同社電子部品事業本部の大塚尚孝 副本部長は、「高出力に加え、長寿命を実現を量産レベルで達成した」と、量産化への自信をアピール。高出力、長寿命を実現した主な要素技術については、「結晶成長」、「リッジ(畝)形成」、「端面形成」の3つのキーワードで解説された。 結晶成形については、窒素ガリウム基板上に良質な結晶を成長させる独自技術を開発。発生したレーザー光の上下方向の光漏れを抑制した。さらに、リッジ形成により左右方向の光漏れを抑制し、前後方向の光を閉じこめる端面形成技術により、高出力化を実現した。
同社では、5月の高出力青紫色レーザーの出荷にあわせて、広島県の三原工場の生産能力を強化。低出力タイプもあわせ、青紫色レーザーの月産25万個体制を構築。さらに、第3四半期中に月産50万個まで拡張する予定。そのうち、2007年度出荷比率は低出力型が8割、高出力2割を見込んでいる。 また、同社では2007年の青紫色レーザーの世界需要が低出力1,650万個、高出力80万個と予測。現時点の出荷数は「一番多いのはゲーム、次いでプレーヤーなどの家電向け、PCの順番」だが、今後、BD/HD DVDレコーダやPCでの需要増加に向けて、高出力レーザーを出荷。「2009年から2010年にかけて1億個規模の市場となると見込まれるが、その時にはシェア50%を獲得したい」とした。 また、さらなる多層化や高速化に向けて、レーザーの高出力化にも取り組む。既に、2層/8~12倍速記録に対応できるパルス出力350mW動作品も開発済みで、今後、Blu-rayなどの多層/高速化規格の策定にあわせ、2008年度には8倍速(パルス出力230~280mW)、2009年度には12倍速(同290~350mW)の量産化を目指す。
□シャープのホームページ ( 2007年3月14日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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