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社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は25日、イメージシティ株式会社が提供していた携帯電話向けの音楽ストレージ・サービス、「MYUTA」について、JASRACが管理する著作権に基づく差止請求権が及ぶサービスだと判断した。 これは、JASRACの差止請求権が「MYUTA」に及ばないことを確認するために、イメージシティが東京地裁に求めていた裁判の請求が棄却されたことに基づいたもの。 「MYUTA」は、携帯電話向けの音楽データ・ストレージ・サービス。会員ユーザーに専用ソフト「MUSIC UPLOADER」を貸与。同ソフトを使って、ユーザー自身が音楽CDなどから携帯電話用の音楽データをリッピングし、そのファイルをMYUTAのサーバーにアップロード。ユーザーの携帯電話でダウンロードさせることで、自分の音楽をいつでも聴けるというのが特徴だった。 JASRACでは、このサービスが複製権や公衆送信権などの権利に及ぶものであり、著作物の利用主体はイメージシティにあるとして、同社に対してJASRACの許諾を得た上で、サービスを開始するよう申し入れていた。 しかし、イメージシティは「複製や送信はユーザー個人が行なっているものであり、著作権法第30条1項の私的複製に該当する」と主張していた。なお、MYUTAのサービスは2005年11月からβ版として提供されたが、JASRACからの指摘を受け、2006年4月にサービスを終了している。 今回の判決で東京地裁は、複製、および公衆送信の主体はユーザーではなく、イメージシティにあると判断。JASRACの有する複製権、および公衆送信権に基づく差止請求権が及ぶとした。
この判決を受けてJASRACは「ユーザーに対して著作物をアップロードさせるシステムを提供するサービスについて、そのサービス提供者に著作物の利用主体としての責任が及ぶことを明確に示したもので、高く評価される」と、コメントしている。
□JASRACのホームページ
(2007年5月28日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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