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モリト株式会社は、骨伝導ヘッドフォンの新製品「AUDIO BONE AQUA」(オーディオボーン アクア)を8月初旬に発売する。価格は9,980円。カラーはブラック、オレンジ、ブルー、ピンクを用意。 音を聴く際に耳(鼓膜)を経由せず、骨(頭蓋骨)から内耳(蝸牛)へ直接振動を伝えることで音の信号を知覚できる骨伝導ヘッドフォン。使用時に周りの音も聴き取れるほか、中耳/外耳に原因のある伝音難聴に対して効果があるとされる。装着は耳掛け式のネックバンド型。
特徴は、IPX7準拠の防水仕様としたことで、ジョギングなどで汗をかいた場合や、雨天時にも使用可能とした点。なお、プラグ部は通常のステレオミニで防水ではない。なお、製造元のゴールデンダンス株式会社では、iPod nano用の防水ケースも製作予定としている。 重量は「業界最軽量」(同社)とする35g。また、伝達ユニットである振動子部分を骨格に合わせて調整可能にしたことで、装着性を高めた。音質面でも、従来の骨伝導製品に比べ音域を拡張したとしている。再生周波数帯域は50Hz~12kHz。音圧感度は88dB/mW。最大入力は100mW。インピーダンスは8Ω。
さらに、2006年秋より発売している携帯電話接続用のアンプユニット「GDA-01」などと接続することで、アンプユニット内蔵マイクによる通話が可能になり、音楽と通話のワンタッチ切り替えも可能となる。
■ 来期は骨伝導製品で売上げ5億円へ
モリトは、アパレル用のホックなどのパーツや、デジタルカメラの樹脂成型などの資材、ヘルスケア製品などを扱っており、骨伝導製品を展開するゴールデンダンスと2006年4月に提携。同7月より骨伝導ヘッドフォン「オーディオボーン」の販売を開始した。
常務取締役 汎用資材事業本部長である大山修平氏は「従来、軍事や補聴器用としてのイメージが強かった骨伝導製品を、コンシューマ向けに使えないかというところからスタートした。新しい振動子を組み込んだことで軽量化、小型化と防水を実現した」と新製品を紹介。 また、「これまでのAUDIO BONEは高価格帯に位置づけられてきたが、骨伝導の普及に拍車を掛けるべく、低価格化に取り組んできた」としている。 汎用資材事業本部 映像資材営業部長の南埜良平氏は「音楽に没頭するため、電車の中でノイズキャンセルイヤフォンを使う人もいると思うが、そういった製品とは一線を画す」と前置きし、自転車での利用など安全面や、聴力補助製品としてのメリットを強調。デザインや、4色のカラー展開などで10代~20代を主なターゲットとしており、「全員にとは言わないが、100人のうち数人に使ってもらえれば」と述べた。 また、骨伝導製品の需要に関しては「企業のコールセンターのオペレーターにおいても、難聴を抱えて辞める人が何カ月かに一人いると聞く。新しい用途としては、語学学習で使うと、自分の発音が聞こえて分かりやすいことから、関係企業と協力する話も進めている」とした。 今後の計画としては、Bluetooth対応のワイヤレスモデルを2007年いっぱいをめどに製品化する予定で、コールセンター向けのヘッドセットや、補聴器も開発中。7月までのAUDIO BONE販売実績は15,000台で1億2千万円だが、AUDIO BONE AQUAでは今年度6,000万円、来年度2億4,000万円の販売を計画。来期は関連製品を含め5億円の売上げを目指すとしている。
□モリトのホームページ ( 2007年7月13日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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