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シャープ株式会社は23日、環境への取組みに関する記者発表会を開催。「環境先進企業」を目指す、同社の施策を紹介した。
シャープ専務取締役 環境統括兼CS推進本部長の井淵良明氏は、「事業拡大と環境保全を両立」しながら、「モノづくりを通じた社会貢献が評価される企業」を、シャープが目指す企業の形と定義。その具体的な取り組みとして「2010年地球温暖化負荷ゼロ企業を目指す」と説明した。 「負荷ゼロ」の取り組みについては、事業活動による温室効果ガス(GHG)の排出量を抑制ながら、太陽電池によるエネルギー創出と商品の省エネによるGHGの削減を図り、2010年の段階で、CHGの削減量が排出量を上回るようになることを目指す。 2006年度の同社によるGHG排出量は173万トン。一方で2006年のCO2削減量は約92万トン(太陽電池による創出分が56万トン、商品の省エネ化が36万トン)と、削減量に対し、GHGの排出量が上回っている状態。今後、排出量の抑制に取り組むとともに、太陽電池の創エネと商品の省エネで、「究極ともいえる、地球温暖化ゼロの暮らしを目指して開発を続けていく」という。 また、全社的な環境への取り組みとしては、開発や設計の現場だけでなく、工場やリサイクル、マネジメントに至るまで環境対応を組み込んだ「スーパーグリーン戦略」を展開する。 液晶テレビAQUOSの外装への植物系樹脂塗料の採用や、プラスチックの自己循環型リサイクルなどの取り組みを紹介。「2006年度は、再生プラスチックを新製品に約620トン投入した」とする。
省エネについては、製品の差別化要因だけでなく、世界各国で導入される環境法規制への対応という視点からも全社横断的な取り組みが求められるという。そのため、同社では独自の環境配慮型製品基準「グリーンプロダクト」を策定し、全製品に導入している。 グリーンプロダクトの認定には、以下の7つの基本要件を満たす必要がある。
さらに、グリーンプロダクトの中で、業界内でも優れた環境性能を持つ製品を「グリーンシール商品」、さらに、「他社製品などと比較してダントツ(井淵専務)」の環境性能を有する製品を「スーパーグリーンプロダクト」と定義。2006年にはグリーンシール商品の構成比が93%に、スーパーグリーンプロダクトについては49%まで向上しており、今後もこの比率を高めていくという。 このスーパーグリーンプロダクトの代表例として液晶テレビ「AQUOS」を挙げる。液晶AQUOSについても、3年前の32型製品(LC-32GD1)と比較して、最新モデル(LC-32GH3)では、年間消費電力量を約43%削減している。
こうした環境配慮型製品の開発には、「製品企画/開発時から、環境に配慮する“マインド”を行き渡らせなければ実現できないが、開発段階や部材調達時に各部署でそれぞれの部材などについて確認することは難しい(環境安全本部 森本弘本部長)」という。 そのため、環境性能を高めた製品開発をサポートする「G-PAS」と呼ばれる社内システムを開発した。G-PASは、特定有害物質を規制するRoHS指令やリサイクル規制のWEEE指令など、環境法規制強化の動きに対応するためのシステムで、部品や製品、環境法規制といった情報をデータベースで一元管理し、環境性能の定量的な評価を開発現場などで社内ネットワークでリアルタイムで確認できる。 製品企画/開発時などに各部材の環境性能を容易に確認でき、環境性能を意識した製品化への取り組みを各部署で徹底できる。そのため、開発効率の向上と環境性能の向上を両立できるという。G-PASは2006年度に国内の全設計/生産事業所で導入開始されており、2007年度には海外の全12の設計/生産事業所で導入する。 工場についても、独自基準を導入した環境対応型「スーパーグリーンファクトリー(SFG)」化を進める。2006年度は国内5工場、海外3工場をSFG化。「目標を大きく上回る進捗状況」という。また、2007年度中の目標として、全世界の工場をグリーンファクトリー(GF)化する。
□シャープのホームページ ( 2007年7月23日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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