|
三菱電機エンジニアリング株式会社は、超音波を利用した超指向性音響システム「ここだけ」シリーズの新製品として、音量を向上させた小型放射器「MSP-50E」と、歪みを低減させたという変調器「MSP-30M」を8月1日に発売する。価格はどちらもオープンプライス。生産台数はそれぞれ年間1,000台を予定している。
同社が2003年から発売している「ここだけ」システムの特徴は、超音波を利用してビーム状の音場を作り出すこと。狭い範囲にいる人にだけ音を届けることができるため、エスカレーターに乗っている人だけに注意のアナウンスを届けたり、博物館や神社仏閣の展示の前に立つ人にだけ、説明音声を聞かせるといった利用が可能。 この機能は、人間の耳には聞こえない超音波が、空気を伝搬する過程で生み出す歪みを利用し、可聴帯域の音を得る「パラメトリックスピーカー」の原理を利用している。
システムは変調器と放射器で構成。音楽やアナウンスなどの音源(可聴音)を変調器に取り込み、超音波(非可聴音)に変換。アンプで増幅し、放射器で放出する。すると、超音波はビーム状の高い指向性を持ったまま空気中を伝搬し、その過程で歪みが発生。その歪みが可聴音として聞こえるという仕組み。
放射器の新モデル「MSP-50E」では、新開発のマグネシウム振動素子を採用。音圧レベルが従来の倍となる91dBを実現。さらに、防噴流形設計を取り入れ、屋外での使用にも対応。サイズ(口径)も従来比の約半分、重量も1/3に小型化/軽量化している。 変調器「MSP-30M」も、変調方式を従来のDSB(Double Side-Band)から、SSB(Single Side-Band)方式へと変更。高調波ひずみを抑制し、音質を向上させている。また、小型/省電力なデジタル増幅回路を採用したことで、従来必要だったアナログ増幅部を不要としている。
外形寸法と重量は、放射器が194×51mm(直径×奥行き)で約1.5kg。変調器は240×360×49mm(幅×奥行き×高さ)で、約2.5kg。
□三菱電機エンジニアリングのホームページ
(2007年7月27日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|