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ソニーは23日、ぶどう糖の化学反応で発電するバイオ電池を開発したと発表した。 今回開発したバイオ電池ユニットはパッシブ型ながら、最大50mWの出力が可能。各辺39mmのキューブ型筐体を採用し、ユニット内のタンクにぶどう糖溶液を滴下するだけで発電を開始する。 同ユニットを4個接続することで、メモリ内蔵型ウォークマン「NW-E407」の駆動に成功。接続したパッシブ型スピーカーからも音声が出力できたという。
バイオ電池とは、生物のエネルギー変換の仕組みを応用し、炭水化物などの化学反応により、発電を行なうエネルギーデバイス。 従来のパッシブ型バイオ電池では、溶液の攪拌などが不要で、自然拡散により電極に要素が取り込まれるため、小型化が容易な反面、高出力化が難しいという問題点があった。 今回、酵素/電子伝達物質の高密度固定化技術や、酸素を効率よく取り入れる電極構造を新たに開発し、発電性能を向上。さらに、電解質の最適化などにより、最大出力50mWを実現した。パッシブ型バイオ電池の基礎研究成果としては、世界最高出力という。 ぶどう糖は、太陽光を受けた植物が、光合成で生成する物質の1つで、地球上に豊富に存在する再生可能なエネルギー源。これを利用したバイオ電池は、環境にやさしい将来のエネルギーデバイスとして期待されている。 同社では、今後も発電性能や耐久性の向上など、様々な要素技術の研究開発を行ない、実用化を目指す。 □ソニーのホームページ ( 2007年8月23日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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