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ソニーは、ロケーションフリー・シリーズの新製品として、最高1080iのハイビジョン映像を無線伝送できる「ロケフリ Home HD」(LF-W1HD)を12月1日に発売する。それに先立ち、9月27日にモデルルームで実機を用いたデモを実施し、宅内の離れた部屋でのハイビジョンワイヤレス伝送を行なった。
「LF-W1HD」(オープンプライス/店頭予想価格5万円前後)は、送信機と受信機がセットのワイヤレス伝送キット。D4入力端子を備えた送信機と、HDMI/D4出力を備えた受信機で構成する。送信機に入力した映像をMPEG-4 AVC/H.264フォーマットにエンコード。そのデータを5GHz帯または2.4GHz帯域で受信機へとワイヤレス伝送する。 「ロケフリ Home HD」に対し、これまでのモデルは「ロケフリ Network」と呼ばれる。「ロケフリ Home HD」はインターネット経由での接続機能を省いて複雑な設定を行なわずに設置できることが大きな特徴。送受信機は1対1でペアリング済みで、宅内でのハイビジョン映像の伝送に特化したシステムとしており、「MPEG-4 AVC/H.264を採用した、HD映像のワイヤレス伝送機器は業界初」としている。 受信機には出力端子としてHDMI端子が搭載されているが、送信機側の入力端子にはHDMI端子が搭載されていないため、HDMI信号そのものをワイヤレス伝送することはできず、受信機でHDMIに変換して出力する。BS/CSデジタルやスカパー!、CATVなどを問わず、全てのデジタル放送に対応する。BD/DVDビデオの映像も伝送可能。 従来モデルに比べ指向性の狭いアンテナを6基搭載、最適なアンテナを自動選択することで、希望の電波を受けやすく、妨害波の影響を受けにくくした。同社はこれを「セクターアンテナ方式」と呼んでいる。 そのほか、アスペクト比4:3のテレビでも、16:9の映像がスクイーズされずに見られる「画面モード切替」機能も新たに採用されている。
デモでは、実際の住宅をイメージしたモデルルームにて、「リビングから和室」、「1階から2階の寝室」といったシーンを想定し、録画したデジタル放送や、BDビデオの映像をハイビジョンで伝送。BDレコーダや「LF-W1HD」が最終製品ではなかったためか、ごくまれにブロックノイズが発生した場面もあったが、映像/音声ともにほとんど問題なく表示されていた。
リモコンのスルー出力機能を備えており、付属リモコンのほかに、送信機に接続した機器の付属リモコンを使って、受信機側から操作することが可能。他社製品のリモコンも利用でき、リモコンの対応予定機種は同社サイトで案内されている。さらに、プリセットされていないリモコン用に学習リモコン機能も備え、4つのボタンに任意の機能を割り当てられる。 また、付属リモコンで操作する場合のために、新たに「リモコンガイド」機能を備え、メニュー画面上に接続機器のボタン名をガイド表示できる。他社のデジタルレコーダで採用される「再生ナビ」、「見るナビ」といった用語も表示されるようになっており、「デジタルレコーダを1台1台チェックして入力した」と徹底されている。
■ よりシンプルなシステムでユーザー層拡大へ
従来のインターネット回線を用いた製品はアナログ放送向けで、外出先での視聴も想定していたが、両製品は「ロケフリ Network」、「ロケフリ Home HD」というサブカテゴリで分けられ、今後も併売される。 また、1台の機器から複数台への伝送は行なえないが、「技術的には可能。今回はあえてシンプルな構成としてコンセプトを明確化した」としており、これまでとは大きく方向性が異なっていることがうかがえる。 販売チャネルも、よりシンプルな使い方を求めるユーザーに向けて拡大する計画となっており、より「テレビの周辺機器」としての訴求を強化し、販売台数の大幅なアップを狙うという。
□ソニーのホームページ
( 2007年9月28日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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