|
「CEATEC JAPAN 2007」の初日、基調講演のトップとして登場したのが、マイクロソフトの執行役専務 デジタルライフスタイル推進・OEM担当の眞柄泰利氏だ。 「デジタルライフスタイル新世代-今日から創る未来-」をテーマに、マイクロソフトが取り組むデジタルライフスタイルのビジョンとソリューションを、具体的な利用シーンを交えて提案した。 ■ Windows Vista搭載PCと周辺機器との連動機能をデモ
冒頭、眞柄執行役専務は、「可能な限り、今、なにができるかをお見せする」として、富士通のノートPC「LOOX U」を手に持ち、シルバーライトを活用しながら、新たな利用シーンを紹介。その後、数々の機器との連動を、デモストレーションしてみせた。 眞柄執行役専務は、「デジタルライフスタイルを実現するには、業界協業、異業種連携、サービス革新、ユーザー参加型の新しい価値の創造する、という4つのブレイクスルーが必要」とし、「IT業界だけでなく、異業種との連携がこれからは重要になってくる。また、YouTubeに代表されるように、ユーザー参加型の仕組みが大切になる。マイクロソフトは、こうした観点からサービスとプラットフォームの提供に取り組んでいく」とした。 また、「デジタルメモリ、プロダクティビティ、コミュニケーション、デジタルエンターテイメントという4つの革新が求められる」とし、デジタルメモリの新たな利用シーンとして、ソニーのハイビジョンカムコーダとWindows Vista搭載PCとを接続し、簡単な操作で動画を編集できるデモを行った。 また、Windows Rallyに対応したプリンタと、PCを無線で接続し、撮影した画像を、機器間のケーブル接続を行うことなく、プリントアウトする様子も見せた。 さらに、デジタルエンターテイメントのデモストレーションにおいては、Xbox360とPCを接続。Media Onlineで提供されるコンテンツを、Xboxを通じて薄型テレビに表示する様子をデモした。
■ WMP11の新サービス「Type1 Music Store」を紹介 こうした一連の紹介のあと、レーベルゲートの今野敏博社長が登場。今日正午からサービスを開始した「Type1 Music Store」を先行公開した。 Type1 Music Storeは、ダウンロード販売に加え、楽曲の高速検索ができるのが特徴で、中島美嘉の楽曲を検索する際に、「中」と入力すると、「中」で始まるアーティストの名前が一瞬のうちに抽出される。「中島美嘉さんの楽曲を探していながらも、また別のアーティストの曲にも出会うことができる。これによって、人と音楽とをマッチングさせる機会を増やすことができる」とした。 また、「mora win セレクト」や、J-WAVEのインターネットラジオ「Brandnew-J」との協業によって実現するサービスも紹介した。 J-WAVEの佐藤崇氏は、「Brandnew-Jは、昨年10月からスタート。現在までに40万人が登録。年内には50万人に達するだろう。また、これまでに2万5,000ストリームの視聴があり、1ストリームあたりの視聴時間は、60分以上になっている。10月1日からサービスを大改変し、余計な情報をそぎ落とし、ニュースと天気予報、音楽関連情報だけにした。レーベルゲートとの連動により、より密着したサービスができる。いま、かかっている音楽が、高速検索でき、しかも、PCおよび携帯電話からすぐに購入できるようになる。このようなサービスが立ち上がることはうれしい限りだ」などととした。
さらに、コミュニケーションの観点では、マイクロソフトオンラインサービス事業部・笹本裕執行役常務が登場。次世代Windows Liveが実現するデジタルライフスタイルとして、Windows Liveによって提供されるソフト+サービスの世界を紹介した。 笹本氏は、「Windows Liveには、3つの特性と4つの機能がある」として、3つの特性では、「Windows VistaとWindows Liveによるシームレスな利用環境」、「オールインワンおよびシングルサインオン」、「共同ブランド展開」を示し、「オンラインにつながった環境において、ひとつひとつのソフトやサービスを立ち上げるのではなく、それを意識することなく、利用できる環境を実現するとともに、マイクロソフトだけでなく、パートナー企業のブランドとしてもサービスが展開できる環境を提供する」とした。 また、4つの機能としては、「『凄いことを、簡単で、安全に。』ということに尽きる」として、コミュニケーション、共有、セキュリティ、場所を問わないアクセス環境をあげた。 「Windowsでは、すべての家庭にPCを利用できる環境を実現する。そして、Windows Liveは、すべての人をつなげる環境を実現するものになる」と位置づけた。 さらに、Windows Live フォトギャラリーによって、クライアントPCにおける写真検索の様子や、これらを集めてパノラマ写真を簡単に作成できること、シームレスな操作でWindows Liveスペースに投稿できることなどをデモした。
■ デジタルライフスタイル提案のコンソーシアムを11月に立ち上げ 最後に、眞柄執行役専務は、今年11月から「ウィンドウズデジタルライフスタイルコンソーシアム」を設立することを発表し、デジタルライフスタイルの提案シナリオの開発協業や、プロモーション展開、需要の喚起などの取り組みをパートナー企業と協業していく方針を明らかにした。 すでに富士通、NEC、シャープ、東芝が早期賛同パートナーとして名乗りをあげているという。 加えて、最新のデジタルライフスタイルを提案する、「デジタルライフ2008」キャンペーンを年末商戦向けに開始することを発表したほか、秩父宮ラクビー場で開催される「サントリー対東芝」のラグビー戦において、同会場でPCとデジタル家電の連動を体験できる「デジタルアミューズメントスタジアム@秩父宮」を開催することも発表した。 「今日紹介したデモストレーションは、すべて、いま実現できるもの。業界の方々との協業によって、新たなサービス、プラットフォームを提供する。さらに、IT業界の方々だけに留まらず、これまで付き合いがなかった人たちとの協業を増やすことで、デジタルライスタイルをひとつの形に作り上げていきたい」と締めくくった。
□CEATEC JAPAN 2007のホームページ ( 2007年10月2日 ) [Reported by 大河原克行]
Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|