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CEATEC JAPAN 2007【日立/iVDR編】
-薄さ1.9cmの液晶TV。iVDRプレーヤー/レコーダ


期間:10月2日~6日

会場:幕張メッセ

入場料:一般1,000円、学生500円


 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2007」が2日、幕張メッセで開幕した。期間は6日まで。

 ここでは日立のブース展示を中心に、iVDR関連機器の展示もレポートする。


■ 薄さ1.9cmの32型液晶テレビ

 日立のブースで最も注目を集めているのは、「New Style TV」と名付けられた、薄さ1.9cmの32型液晶テレビ試作機。展示が行なわれている円形コーナーには、入場を待つ長い列ができている。2009年の発売を予定しており、価格などは未定。

 32型のIPSパネルを採用しており、解像度は1,366×768ドット(WXGA)。輝度や応答速度などは公表していない。薄さを強調したデザインの筐体を採用しているが「実際の製品とは異なる。だが、従来の液晶テレビとは異なり、薄さを活かしたデザイン家電的な提案も検討している」という。

32型のIPSパネルで、解像度はWXGA 最薄部は1.9cm スリムさを意識したデザインが採用されている


■ iVDR-S用のプレーヤー

 同社の薄型テレビ「Wooo」は、リムーバブルHDD「iVDR」を採用しているのが特徴で、内蔵HDD「iVDR-Secure Built-in」に加え、「iVDR-S」用スロット「iVポケット」を搭載。内蔵iVDRに録画するだけでなく、iVDR-Sカートリッジの追加でHDD容量を拡張したり、内蔵iVDRからiVDR-Sカートリッジへコンテンツをムーブし、別のテレビや対応プレーヤーで再生可能になっている。

日立の「Wooo」。リムーバブルHDD「iVDR」を採用したのが特徴 Wooo側面のiVポケット

 録画した機器とは異なる機器でも、著作権保護されたコンテンツが再生できるのは、iVDRの著作権保護規格「SAFIA」に対応しているため。既報の通り、同社ではこの特徴を活かして、2つの「iVポケット」を備え、地上/BS/110度CSデジタルチューナも内蔵した「IV-R1000」(オープンプライス/6万円前後)を11月15日に発売する。

IV-R1000とそのリモコン

 今回の展示では、その「IV-R1000」を紹介するとともに、参考展示としてカートリッジの再生に特化した「iVDR-S対応ネットワークプレーヤー」が登場した。アイ・オー・データと日立マクセルが共同で開発したというもので、双方のメーカーから同仕様のものがリリースされる予定。発売は2008年春を予定しており、価格は「25,000円を切りたい」という。

 厚さ26mmという薄型筐体が特徴のプレーヤーで、MPEG-1/2/4、WMV9、DivX、MPEG-4 AVC/H.264動画と、MP3、WMA、PCM、AAC音楽ファイルの再生に対応。Ethernet端子を備えており、Windows Media Player 11の共有機能や、アイ・オーのLANDISK Homeと連携が可能。PCなどに保存されたコンテンツがネットワーク経由で再生できる。ただし、DLNAの認証は受けておらず、UPnPベースの連携となる。

「iVDR-S対応ネットワークプレーヤー」

 基本はネットワークメディアプレーヤーだが、前面にiVDR-Sを挿入でき、内蔵している録画コンテンツが再生可能。SAFIAに対応した「Secure iVDR」を使用しているため、プレーヤー自体にB-CASカードなどが無くても、Woooで録画したコピーワンス番組が再生できる。

 「iVDR-Sカートリッジを複数台用意して、家族の1人1人が自分のHDDを持つという提案を行なっているが、同時にリビングのテレビで違うコンテンツを観ることはできない。そこで、自室の小さなテレビにiVDR-Sプレーヤーを繋ぐことで、Wooo以外のテレビでもコンテンツを気軽に楽しめるようにしたい」(日立)という。

 プレーヤーの外形寸法は198×162.8×26mm(幅×奥行き×高さ)。出力端子はHDMI、D4、S映像、コンポジット、光デジタル音声、アナログ音声(RCA)端子を各1系統備えている。


■ iVDR-Sにコンテンツを入れて販売

コンテンツパッケージのイメージ

 また、日立ではこのiVDR-Sに、コンテンツプロバイダがコンテンツを収録し、ユーザーに販売するというビジネスモデルも検討している。その使用イメージとして、アニメ「ラブゲッCHU ミラクル声優白書」の全話を収録したカートリッジが展示。再生デモには前述のプレーヤーが使用されていた。

 専用のメニューも収録されており、非常にインタラクティブ性の高い操作が行なえるのが特徴。話数やシーン名を選ぶだけでなく、登場しているキャラクターの名前を一覧表示し、いずれかを選択すると、そのキャラが登場しているシーンのみが一覧表示されたり、各話にカーソルを合わせるとあらすじが表示、キャラクターに合わせるとキャラ紹介が表示されたりと、BD/HD DVDビデオにも匹敵する高機能なメニュー機能を備えている。

非常に高機能なインターフェイスを収録。右の一覧に表示されているのはキャラクター名。選ぶとそのキャラクターが登場するシーンがリストアップされる

 また、HDDを採用していることを活用し、ユーザーがこれらの項目をカスタマイズ可能。「iV-Tag」と呼ばれる情報を編集することで、表示されるキャラクター項目を増やしたり、お気に入りのシーンを集めて連続再生するなどのインタラクティブ操作も可能になる。

番組やキャラクターの情報はポップアップで表示される 全画面再生も可能

 完成度は高いが「現在はこうしたデモを通じて、コンテンツプロバイダに提案を行なっている段階。コンテンツを収録したHDDを販売するか、ユーザーのHDDにダウンロードなどでコンテンツを収録するかという、販売方法も未定。コンテンツプロバイダとの話し合いや、イベントでのユーザーの反響を見ながら今後の展開を考えたい」(日立)としている。

 なお、これに関連し、日立は隣の「iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアム」ブースでiVDR用コンテンツダウンローダーを参考展示している。街角に設置するコンテンツ販売機を想定したもので、筐体にiVDR用スロットを装備。画面にタッチしながら、任意のコンテンツを選ぶという。

 ほかにも日立は、モックアップだが、iVDRを挿入するタイプのビデオカメラや、ディスプレイを備えたポータブルiVDRプレーヤーなども展示。様々な利用提案を行なっている。

iVDR用コンテンツダウンローダー モックアップだが、iVDR用のビデオカメラやメディアプレーヤーなども参考展示された


■ 他社のiVDR関連展示

 iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムのブースでは、それ以外のメーカーのiVDR関連製品が展示されている。

 日立マクセルでも、iVレコーダの参考出品を行なっている。IPネットワーク対応STB機能も備えており、番組の保存も可能。発売時期や価格は未定だが、1080i/720pまでの映像をサポートでき、MPEG-2、MPEG-4 AVC/H.264、WMV9に対応。HD動画の再生も可能だという。Webブラウザ機能も備えている。

日立マクセルが参考展示したiVレコーダ アドバンスト・コミュニケーションズの、iVDRに対応したSTB「Eccle iVDR」 マクセルから発売されるバージョンの「iVDR-S対応ネットワークプレーヤー」

三洋のiVDR対応車載ビデオプレーヤー

 三洋電機は製品化の時期は未定だが、iVDRスロットと一体化した、車載用のビデオプレーヤーを展示している。車内の天井に設置するタイプで、リアシートで、Woooで録画した番組が気軽に視聴できるという。

 アドバンスト・コミュニケーションズは、iVDRに対応したSTB「Eccle iVDR」を参考展示。HDD内蔵STBのHDDを、iVDRにしたもので、容量を気にせずにユーザーがデジタル放送の録画できるという利点以外に、STBのHDD部が故障した場合でも、iVDRを取り替えるだけで復旧できるため、修理期間にSTBが無く、テレビが視聴できないという不満も解消できるという。

 ほかにも、これまで幾度かイベントで展示されているシャープのBlu-ray/iVDRのハイブリッドレコーダや、iVDRスロットを複数備えたAVホームサーバーのモックアップなども展示されていた。


■ 日立ブース、そのほかの展示

 近年のデジタルレコーダの役割はテレビ番組の録画だけでなく、ビデオカメラで撮影した動画や、デジタルカメラの静止画も保存する、ホームサーバー的な位置付けに近付いている。それゆえHDDの大容量化や、搭載するプロセッサの高速化が必要になり、価格も高価になっている。

 日立の「コンテンツアップロード」技術は、こうした機能を実現しながら、レコーダやHDD内蔵薄型テレビのコストを抑えることが可能になる技術。具体的には、ユーザーが保存したテレビ番組以外の動画/静止画データを、日立が提供するデータセンター内のサーバーにアップロードさせるという。

 その上で、サーバー側で日立の類似画像検出技術などを活用し、ユーザーごとに静止画や動画データを効率的に分類。ユーザーがレコーダ/HDD内蔵薄型テレビなどから「子供の写真が見たい」などと指定することで、その都度データをダウンロードし、表示させる。コンテンツはアップロードしてしまうためレコーダ/テレビのHDDを圧迫せず、インタラクティブな検索機能もサーバー側で行なうため、クライアントとなるレコーダ/テレビを必要以上に高機能化する必要が無いという。

 また、ネットワークに接続できる環境さえあれば、認証を行なうことで、どこでも自分のデータを取り出せるという利点がある。「田舎の両親のテレビから認証するだけで、撮影した孫の動画/静止画見せてあげることができる」(同社)という。プライバシー保護やサーバー維持管理費を対応機器の価格に上乗せするか、月額固定などで個別に請求するかなど、細かいビジネスモデルは未定。

コンテンツアップロードサービスの概要 類似画像検索機能を用いて、アップロードされたコンテンツを分類し、ネット経由でユーザーへ届ける

 ほかにも、テレビ用の新操作デバイスとして、トラックボールを採用したリモコンを参考展示。据え置き型と、小型リモコンにボールが埋め込まれているタイプの2種類を用意しており、どちらも上下/左右に転がすことで画面上のメニューが高速スクロールする。

 「PC用トラックボールのように、マウスカーソルをテレビ上で動かすのは操作が難しいが、スクロール方向が決まったメニューを動かすことで、従来のリモコンよりもストレスの無い操作が可能になる」としている。具体的なテレビへの採用予定は現在のところ無いが「来場者の反応も見ながら、今後の展開を決めたい」とする。

トラックボールを採用したAV機器用リモコンの試作機 手に持てるスティックタイプも用意。先端にトラックボールが付いている 据え置き型のトラックボールリモコン

 ほかにも、ポータブルメディアプレーヤーなどで利用可能なコントロールデバイスとして、液晶を縁取るフレームにセンサーを埋め込み、縁を上下左右になぞることで、各種メニュー操作を行なうアイデアを紹介。

 展示されたシステムの液晶画面にはタッチセンサーも入っており、液晶画面を直接触ることでも操作できるが、「指紋が付くことを嫌がるユーザーが多く、液晶画面を綺麗なまま操作したいというニーズがある。そこで液晶の縁をなぞることで操作できる操作方法を考案した」という。

周囲のフレームをなぞることで操作可能なUIのデモ。液晶に触れないため、指紋がつかず、汚れないという 製品化のイメージモック

□CEATEC JAPAN 2007のホームページ
http://www.ceatec.com/2007/ja/visitor/

(2007年10月2日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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