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社団法人日本オーディオ協会(JAS)は6日、2008年2月23日から25日まで開催するAV機器の総合展示イベント「A&Vフェスタ2008」の開催概要を発表した。会場は横浜みなとみらい、パシフィコ横浜のカンファレンスセンターの2~4階。入場は無料。
A&Vフェスタは同協会が主催するAV機器の総合展示会。1952年の「第1回全日本オーディオフェア」以来、「オーディオフェア」、「オーディオエキスポ」と名称を変更し、「A&Vフェスタ」となったのは2003年から。2007年には開催されなかったが、開催時期をこれまでの9月から2月に変更し、2008年よりリニューアルする。 2008年のテーマは「たっぷり視る! じっくり聴く! 五感がよろこぶ3日間! 」で、映像/音声の試聴をメインとしたユーザー主体のイベントとして展開する。会場もこれまでの展示ホールではなく、カンファレンスセンターの個室や会議室を、各出展メーカーのリスニングルーム/シアタールームとして利用するのが中心で、展示スペースは縮小されている。 また、「スピーカー工作教室」などの親子工作教室のほか、2006年から開始した自作スピーカーやアンプを募集し、審査する「自作オーディオ自慢大会」も開催。家族向けのファミリーシアターや販売ブースなども用意する。 出展予定の企業・団体は11月6日現在で51社・団体、来場者数は3日間で4万人を予想する。なお、2006年の来場者数は約6万人で、出展数は76社・団体。
■ 展示の中心は個別のリスニング&シアタールーム カンファレスセンターには、テーマ別でステージを構成。3階中央には「情報ステージ」として、最新のオーディオ/ビジュアル機器の展示ブースを設置する。 4階は「リスニング&シアターステージ」として、各個室に出展社ごとにリスニング/シアタールームを用意し、音楽の試聴や映像の試写が行なえる。そのほか、3階に「ファンステージ」として、親子工作教室やファミリーシアター、自作オーディオ自慢大会、アクセサリやソフトの販売ブースなど、家族連れ向けのステージを用意する。 親子工作教室では、スピーカーを自作する「スピーカー工作教室」のほか、世界最古の電子楽器と言われる「テルミン」を自作できる「テルミン工作教室」を実施。
そのほか、昨年と同様に、専門誌のセミナーやイベント、トークショーなども実施する。詳細については、年内に確定する予定としている。 来場者向けのプレゼントとしては、会場でアンケートに応募した人全員を対象にした懸賞企画を用意。賞品の詳細は決定していないが、出展各社から募った賞品が抽選でプレゼントされる。そのほか、開催期間中、毎日先着500名にオリジナルのトートバッグをプレゼントする。
■ 「本当の“音”の魅力を伝えたい」
開催概要については、JASの校條亮治副会長が説明を行なった。 今回の変更点については、「アナログからデジタルへの変化、携帯オーディオ機器の普及、パッケージからネットワークへの変化などオーディオ業界にも多くの変化が起こっている。また、生活スタイルについても、趣味趣向の多様化が起こるなど、大きく変化している流れの中で、現在の生活におけるオーディオの役割をもう1度考え直したい。そして、メーカーの訴求も再考すべき時期と考えて、今回のA&Vフェスタからは、会場の変更、視聴環境の充実、会期の見直しの3点の変更が行なわれることになった」とした。 会期が2月になった点については、「9月にはドイツのIFAやアメリカのCEDIA、10月はCEATECが開催されるなど、秋はイベントが集中する季節。クリスマス商戦を考えるとこの時期にイベントを行なうのがベストだが、日本の場合は4月が年度の始めなので、2月開催であれば卒業シーズンにも間に合う。何より企業とユーザーが繋がらなければ意味がないため、ユーザーが手軽に来られる2月に変更し、オーディオの楽しみ方を提案していきたい」と説明した。 会場を変更し、従来のような大ホールではなく、中小の会議室による形式にした点については、「これまでのフェスタで、本当の音、音の背景にある作者の意思をきちんと伝えてきたのかを自問自答した時に、それが出来ていなかったと考えた。携帯オーディオも、その全てを否定するわけではないが、携帯オーディオの音が“よい音”として肯定できるかと問われればそれには“否”と答えたい。オーディオの魅力を徹底的に掘り下げて、真摯に、仔細に伝える努力をしなければならないと考え、今回は遮音性、独立性を確保した個室で、本当の“音”をじっくり聴いてもらえるようにした」としている。
そのほか、A&Vフェスタ2006の実績と比較し、規模が縮小している点については、「会期の3ヵ月前で50社というのは例年並の数字で、最終的な出展数は前回と同規模程度になると思われる」とした。 来場者数については「前回実績は6万人だったが、今回は会期が4日から3日に減るため、予想人数を控えめした。別に手を抜こうというわけではなく、前回並の来場者数を目指すが、以前と違って今回は、試聴が中心となるため、滞在時間も長くなることなども加味し、4万人に設定している」と説明している。
JASの鹿井信雄会長も登壇し、「最近、ヘッドフォンの買い替えやノイズキャンセルイヤフォンの売上が増えているという話を耳にする。また、団塊の世代を中心にピュアオーディオへの回帰が起こっているという話題もよく聞くようになった。こうした現象を見ると、一般ユーザーの関心事は、音質へとじわりじわりと進んでいるではないかと考えられる。ところが、実際のオーディオ市場では、あまり大きく伸びている感じを受けない」と現状を説明。 こうした現象を見て、「これからのオーディオ業界はどうあるべきかを考えて、フェアを盛り上げていくことが重要。そこで今回のA&Vフェスタでは新たな試みとして、静かな部屋の中でじっくり音を聞いてもらい、感性を磨いてもらうというところに重点をおいた」と、今回の趣旨を語った。 □日本オーディオ協会のホームページ ( 2007年11月6日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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