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2008 International CESが10日に閉幕した。今回は、会場で見つけたAV関連のトピックや新製品をレポートする。 ■ 低価格テレビにも120Hz化の流れ 液晶テレビ固有の残像感を低減する倍速駆動技術は、日本の大手メーカーが2006年以降積極的に導入。各メーカーがノウハウを集めて、高付加価値製品向けに提供してきたが、CES会場においては、米国の低価格テレビメーカーでも採用例が見られるようになった。 低価格な液晶テレビなどで米国で高いシェアを誇るSyntax Brillianは、120Hz駆動に対応した1,920×1,080ドットフルHD液晶テレビを発表した。同社の「OLEVIA」ブランドの新製品の「2TFHD」、「6HD」、「7H」の各シリーズで、それぞれ42/47/52/65型を発売する。
同社は自社工場を持たず、企画、設計を中心に事業展開を行なうファブレスメーカーだが、テレビ用チップセットやパネルなどのデバイスで120Hz対応が増えてきたことから、上位シリーズに搭載したという。2TFHDはAMD製のテレビ用チップセット、6HDシリーズはMediaTek製、7HシリーズはSilicon Optix製のHQVチップセットを搭載する。 WestingHouseでも47型や52型の120Hz駆動対応テレビを出展。そのほか、HiSenseなど多くのブースで120Hz駆動対応テレビが確認できた。 また、会場近くのホテル「Wynn」で展示会を行なった、米国の低価格テレビ大手の「Visio」も120Hz駆動の42/47型液晶テレビをCESに合わせて発表しているなど、いわゆるファブレスメーカーの製品でも、倍速駆動モデルが珍しくなくなっている。 ■ 高音質が特徴の無線音楽伝送技術「Kleer」
無線オーディオ伝送技術の米Kleer(クリアー)は、ホテルSandsにブースを設けて、同社の技術をアピールしている。Kleerは、2.4GHz帯の無線を使ったオーディオ伝送技術で、昨年秋にRCAのポータブルオーディオプレーヤーに採用されたほか、CESで発表された新製品としては小寺氏のレポートにあるようにSennheiserの「MX W1」にも採用されている。 Kleerの類似技術としてはBluetoothがあげられるが、同社の説明員によれば、Blutoothに対するのアドバンテージは2つあるという。まずは、伝送帯域が広く16bit/44kHzの音声をそのまま送れること。BluetoothではSBRというコーデックに変換して、伝送するため音質劣化を伴が、Kleerではより高音質な伝送が可能という。また、消費電力もBluetoothの約1/5~1/10と非常に少なくなっているという。そのため、長時間再生や必要バッテリ容量低減による機器の小型化などが図れるとしている。 また、同規格に則った製品であれば、レシーバー/トランスミッタ相互接続が可能で、同社で接続認証試験などを行ないロゴを発行。ロゴが付与された製品間の通信が可能となるという。同社では1チップ化して機器メーカーに提供。RCAやSennheiserのほか、AKGやパイオニア、Ultimate Ears、Cyesyn、加賀電子などが賛同しているという。今後ビデオやイメージデータの伝送にも応用していく方針としている。
□関連記事 ■ 新VIERAはコントラスト3万:1に 参考展示や米国向けモデルが数多く発表されるなか、パナソニックは、新プラズマのPZ850/PZ800/PZ85/PZ80/PX80シリーズを発表。全シリーズで発光効率を改善し、コントラスト表現力を向上した新パネルを採用する。
最上位シリーズのPZ850は、65/58/50/46/42型の各サイズを用意。いずれも1,920×1,080ドットのフルHDパネルを採用し、コントラスト比は3万:1。映画に最適化した色表現が可能な「Digital Cinema Color」技術を搭載する。また、YouTubeの再生機能や、MPEG-4 AVC記録のSDメモリーカードの再生にも対応する。 また、PZ800シリーズは、THXの認定を取得した1080pプラズマシリーズとなっている。コントラスト比は3万:1。 ■ その他
CES会場でもひときわ大きなブースを展開するSamsungとLGの韓国勢は、CESでテレビの新シリーズを発表。Samsungは液晶テレビ最上位シリーズ「Series 7」を中心にデザイン性の高さをアピール。なお、Samsungブースでは、メイン会場で唯一報道関係者以外の製品撮影を禁止していた。 LG電子も厚み1.7インチ(約4.2cm)という薄型の42型液晶テレビ「LGX」を発表した。日立のWooo UTと同じように薄型のテレビで、同様に背面から見た際のデザインの良さ、もアピール。単なる薄さだけでないデザインの良さを訴えている。
Audio/Visualとはあまり関係ないが、ホテルSandsに出展しているiShoesは、モータ駆動の電動シューズ「iShoes」のデモを行なっていた。4本のタイヤを備えたシューズにモーターを内蔵し、リアタイヤを駆動。手持ちのリモコンでアクセル操作して、移動できる電動シューズとなっている。 最高時速は21.7kmで、バッテリ駆動で約5km(3マイル)の移動が可能という。重量は5.3kg。販売も行っており、価格は599.99ドル。
□2008 International CESのホームページ(英文)
( 2008年1月14日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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