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ルパン三世の40周年を記念した新作OVA「ルパン三世 GREEN vs RED」が、4月2日にDVDでリリースされる。発売元は株式会社バップ。
そのアフレコが20日、都内のスタジオで行なわれ、ルパン三世役の栗田貫一さん、新キャラクター・ユキコ役の平野綾さん、原作者のモンキー・パンチさんが出席。「ルパン vs ルパン」が見所だという、謎多き新作の実体を探るため、スタジオに突撃した。
■ 限定版にはフィギュア付き 既報の通り、通常版は7,140円、フィギュア付きの限定版は9,240円で発売される。本編ディスクは共通だが、限定版には特典DVDとルパンのフィギュアが付属するのが特徴。通常版にもBGMを収録したCDが同梱される。
今回の作品は、'67年に「週刊Weekly漫画アクション」に連載されたルパン三世の、生誕40周年記念作と位置付けられている。最大の見所は、「旧ルパン」と呼ばれる第1シリーズの、緑ジャケットを着たルパンと、第2シリーズからの赤いジャケットの「新ルパン」が共演すること。各キャラクターのデザインも一新されたほか、手にするワルサーや愛車フィアットも新たに描き起こされているのも見逃せないポイントだ。
物語の舞台は東京。民間の軍事組織“ナイトホークス”の持つお宝「アイスキューブ」を目当てに、緑ジャケットを着たルパンと赤ジャケットを着たルパンが勝鬨橋に出現した。橋の上でワルサーを構え、対峙する2人のルパン。何故ルパンが2人いるのか? 、不二子や次元、五ェ門はどちらに味方するのか? 銭形警部は本物を見分けられるのか? 謎が謎を呼ぶストーリーが幕をあける……。 オリジナルキャラクターとして、ラーメン屋で働くフリーター・ヤスオと、その恋人でニュースリポーターのユキコが登場。ヤスオを片桐仁、ユキコを平野綾が演じている。そのほかはお馴染みのキャスト、栗田貫一、小林清志、増山江威子、井上真樹夫、納谷悟朗ほか。
■ ルパン三世は完結しない?
原作のスタートから40年。いまだにこうして定期的に新作が生み出されるなど、ルパンの人気は衰えていない。その理由について、原作者のモンキー・パンチさんは「よく聞かれるのだけれど、僕自身もよくわからない」と笑う。
「アニメになって35年。僕の原作漫画は少しわかりにくい部分もあるのだけれど、アニメに関して言えば、物語やキャラクターの“わかりやすさ”が理由の1つかもしれない。アニメのスタッフが作品の魅力を簡潔に表現してくれて、難しいことを考えずに楽しめる。作品毎に監督さんがその時代に合った新しい要素も取り入れてくれるので、時代に合った作品性を保てることも大きいかもしれない」と分析する。
ルパンの声を演じるようになって14年。栗田さんはルパン三世というキャラクターが持つ魅力について「物語の最後で成功しても、失敗しても、ハッピーエンドでまとめる。悪い奴なのか、良い奴なのかはっきりしないまま、いつも最後には逃げていく。そういう変わらぬスタイルが、老若男女が安心して楽しめる作品である理由だと思う」と語る。 しかし、栗田さんによれば、今回の40周年記念作は、そんな従来のセオリー通りにはいかない、挑戦的な内容でもあるという。「台本を読んで、いつもの流れと違う部分が多くて、何回も読み直すほど(設定やトリックが)難しい部分もある。読みながら“これは凄い作品になるかもしれない”と感じた」という。
気になるのは緑ジャケットと赤ジャケットの2人のルパン。どちらのルパンも栗田さんが演じているのだろうか? もしそうだとすると、新旧ルパンの演じ分けも気になるポイント。しかし、そこは物語の根幹に関わる部分でもあるようで「ネタバレになってしまうのでちょっと……」と苦笑い。プロデューサーから「栗田さんならではの、様々な演じ分けが楽しめます」と意味深なコメントもあったが、このあたりは作品の完成を待ちたいところだ。
一方、新キャラクターのユキコを演じるのは、めざましい活躍を続ける若手声優の平野綾さん。由緒あるルパンアニメのヒロインを射止めた感想を聞かれ、「女の子はみんなそうですけど、本当に子供の頃から不二子ちゃんが大好きで、こうしてルパンのアニメに参加することができて、とても嬉しいです」と笑顔を見せる。
「女性記者という役柄は初めてなのですが、単に大人っぽく演じるのではなく、様々な事を意識して演じたい」と語る平野さん。ストーリーについては「色々なところに謎が散りばめられていて、台本を読んでいる私まで惑わされてしまうような展開。一瞬でも見逃すとわからなくなるようなスリルがあり、役者の私たちも楽しめるくらいです」とコメント。それを聞いた隣の栗田さんは「二十歳でこんなすばらしいコメント。凄いでしょう?」と取材陣にも同意を求め、スタジオは笑いに包まれた。
なお、40周年というと、今後のルパンがどうなっていくか? も気になるところ。原作コミックはまだ完結していないが、モンキー・パンチさんは「僕ももう70歳だから、そろそろ完結するような話を考えようかなとも思う。けれど、ルパンはこのまま、未完成のまま行ったほうがいいのかなという気持ちもある」と、原作者ならではの複雑な心境をのぞかせ、栗田さんが、「いえいえ、(完結すると)決めないでくださいよ」と懇願する一幕もあった。
栗田さんは「僕が決めることではないけれど」と笑いながら前置きしつつ、「ルパンは未完成のほうが魅力があるんじゃないかと思う。そこが、見た人が彼を“お洒落で素敵なキャラクターだ”と感じてくれるポイントかもしれない」と語った。
□バップのホームページ
(2008年1月21日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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