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「キン肉マン」の連載開始29年を記念したアニメ上映イベント「~キン肉マン生誕29周年記念~キン肉マン映画祭」が2月29日から3月7日まで東京・新宿の映画館「バルト9」にて開催。初日の29日には、原作のゆでたまご氏や、熱烈なファンを公称するケンドーコバヤシなどお笑い芸人らを招き、ファンが選ぶベストバウトの発表・上映などが行なわれた。
「キン肉マン映画祭」は、作品の生誕29年を記念し、キン肉マンの日(29日が金曜となる日)に当たる同日より3月7日までの1週間、劇場版アニメ全7作品と、ファンが選ぶテレビアニメ版のキン肉マンベストバウトの上位作品を上映するイベント。チケットは2月9日に発売され、開始から2時間で完売したという。 29日には、スペシャルイベントとして、キン肉マン好きを公称するゲストを招いたトークショーや、主題歌を担当する串田アキラによるミニライブ、フードファイターのジャイアント白田による牛丼早食いチャレンジなどが上映前にファンの前で行なわれた。 ゲストとして、キン肉マン好きとしても知られるお笑い芸人のケンドーコバヤシ、バッファロー吾郎、アホマイルド、指圧野郎と、ジャイアント白田、プロレスラーのミノワマン(美濃輪育久)、が、レニー・ハートによる選手入場コールで登場。司会は、PRIDEのリングアナなどで知られ、キン肉マンII世にも声優として出演している太田真一郎氏が務めた。 開幕最初のプログラムとして、原作者である「ゆでたまご」の嶋田隆司・中井義則の両氏が来場し、日本記念日協会による「キン肉マンの日」認定を記念した認定書の贈呈式を開催。登場したキン肉マンから、テレビ/劇場版アニメのプロデューサーを務めた田宮武氏に手渡され、ゆでたまご両氏に授与された。 嶋田氏は「小学校の頃を合わせると37年になるが、落書きみたいにして始めたマンガがこれほど続くとは思わなかった。これからも30・40周年を目指す」とコメント。中井氏は「ドジ超人だったキン肉マンを世界のキン肉マンにしてくれた20世紀の少年たちと関係スタッフに感謝したい」と述べた。嶋田氏は、退場間際に「29周年でいろいろイベントを考えていて、その中での願望ですが、キン肉マンを実際のリングに上げたい」と提案。「最近、プロレスはあまり元気がない。キン肉マンが起爆剤になって、プロレス界が盛り上がってくれれば」と期待を表した。
なお、12月20日にはアニメ「キン肉マン」のテレビシリーズ全184話と、劇場版全7作品を収録した35枚組みのDVD-BOX「キン肉マン コンプリートDVD-BOX」が東映ビデオ株式会社より105,000円で発売。完全予約生産限定となっており、店頭予約の締め切りは2008年7月13日。
片面2層ディスクの34枚に、テレビシリーズ全184話と、劇場版全7作品を収録。さらにボーナスディスクも加えた、全35枚組みのBOX。映像はニュープリント・コンポーネントマスターを使用。画角は作品により4:3、16:9など。音声はモノラル。 封入特典として、かつて子供とコレクターを熱中させた“キンケシ”(キン肉マン消しゴム/肌色)の復刻版、全418体を同梱することも話題となっており、復刻版ミニブック全30種や、豪華ブックレットも付属予定。収納ケースも同梱する。
また、Yahoo! JAPANでは、「生誕29(ニク)周年 みんなのキン肉マン(前編)」として、初のインターネット配信を「Yahoo!動画」限定として特設サイトにて実施。アニメ86話分をラインナップし、合計10話分を無料で配信する。有料配信は5話420円となっており、Yahoo! BB会員、Yahoo!プレミアム会員は3割引で提供する。また、クイズに全問正解するとオリジナル壁紙をプレゼントするアニメ「キン肉マン」検定や、59人の「超人大図鑑」などのコンテンツも用意。ファンにはおなじみの「超人キャラクターコンテスト」の募集も行ない、審査はゆでたまご両氏が務める。
■ “煽りV”のクオリティに感嘆の声
贈呈式に続いて行なわれたベストバウトの発表では、テレビシリーズの中から、2007年12月3日~2008年1月31日の期間にインターネット上で応募された約3,500通により決定された10位~1位をカウントダウンで紹介。中でも5位と4位、1位は、「PRIDE」の試合前などに流される選手紹介映像「煽りV」などで知られる映像作家・佐藤大輔による“キン肉マン版「煽りV」”で上映された。ナレーションは同映像でおなじみの立木冬彦が担当。 映像はこのイベントのために製作されたもので、それぞれオンエア時の映像を中心に数分間にまとめたものではあるが、巧みな編集によりクオリティの高い作品となっている。スピード感あふれる必殺技の応酬のなかに、各超人の生い立ちや衝突・和解などを織り交ぜながら試合までの過程を描いており、ゲストや観客からは思わず感嘆の声が漏れた。 5位のマッスル・ブラザーズ対ヘル・ミッショネルズの映像では、2代目キン肉マングレートを務めたテリーマンにスポットを当てており、かつてキン肉マンをかばってキン骨マンに撃たれた事件、キン肉マンとのタッグでの活躍、友情のために戦うことへの疑問から生まれた確執を振り返る。2人が別チームでタッグトーナメントに参加し、瀕死の初代グレート、プリンス・カメハメからテリーマンが遺志を受け継ぐ場面まで、2人をめぐる懐かしいシーンがスクリーンに上映された。 また、4位のロビンマスク対マンモスマンの映像はロビンマスクの視点。ダメ超人と言われたキン肉マンとの戦いに破れたことでプライドを傷つけられたロビンは、その後の活躍が認められ名誉を得たが、王位争奪戦ではキン肉マンとミートのピンチを知ると、その地位を捨ててテリーマンとともに現れ、驚異的な強さを誇るマンモスマンとの戦いに挑む。 会場では、最初は映像のインパクトからか笑いが起きていたが、シーンを追うごとに見入ってしまった様子で、ゲストらも口々に「涙が出そう」と懐かしんだ。 1位はキン肉マン対ウォーズマン。キン肉マンではなく、かつて「残虐超人」として恐れられたウォーズマンに焦点が当てられており、対戦前の試合で、ボロボロのラーメンマンに対し容赦なくスクリュードライバーを見舞う衝撃的なシーン、覆面はぎデスマッチとなった試合の結末で明かされたウォーズマンの悲しい過去などを描写。上映後には会場が一瞬静まり返り、完成度の高さがうかがえた。ケンドーコバヤシの「DVDが出たら欲しい」という意見に周囲も同意していたが、現在この「煽りV」の商品化などは未定。なお、12月に発売されるDVD-BOXのボーナスディスクに収められる内容は現時点では決まっていない。
続いてゲストが選ぶベストバウトも紹介。「キン肉マン対カレクック」(バッファロー吾郎・竹若)「ブロッケンJr.対ラーメンマン」(バッファロー吾郎・木村)、「テリーマン対アシュラマン」(ケンドーコバヤシ)、「超人師弟コンビ対ヘル・ミッショネルズ」(ミノワマン)。とそれぞれ独自の対戦を選んだ。 ゲストのトークでは、特にギャグ要素が強かった初期の話で盛り上がり、カレクックの頭に(カレーの代わりに)お客さんの牛丼を奪って乗せたり、キン肉マンの弱点の牛乳を飲ませたらキン肉マンが“岡ひろみ”に変身したり…」(バッファロー吾郎・竹若)、「チエノ輪マンとキューブマンの勝敗を分けたのがチエノ輪マンの一言『う~ん 現代オモチャにはかなわん』だった」(バッファロー吾郎・木村) 、「(父の弔い合戦となった)ブロッケンJr.とラーメンマンは、以前“宇宙野武士”との戦いで手を組んでいた」(ケンドーコバヤシ)、「ソルジャーは、灰になっても弟のキン肉マンを守った」(指圧野郎)など、アニメ・原作マンガに関する豊富な知識や思い入れを語った。
終始笑いの耐えないステージとなっていたが、真剣なコメントで注目されたのは、“超人になりたい”という思いから改名したという現役レスラーのミノワマン。「ウォーズマンがマスクをとられたシーンは、一時停止して見たほど歴史的瞬間」、「超人から友情という言葉を学んだ」など訥々と、強い言葉で語った姿が印象的だった。 なお、読者が選んだ20位までのベストバウト結果は、29周年記念サイトにて公開されている。
また、ベストバウトの紹介と同時進行で、ゲストのジャイアント白田が挑戦する「2.9kg牛丼早食いバトル!」が実施。29分間で2.9kg(8杯)の牛丼を食べ尽くしたら12月発売のDVD-BOXがプレゼントされるという内容だったが、バッファロー吾郎の提案により急遽20分間に短縮。 無謀な提案にも「はい」と快諾した白田は残り6秒8で完食した。ゆでたまご・嶋田氏より超人オリンピックのチャンピオンベルトとDVD-BOXが手渡され、DVD-BOXの封入特典である「キンケシ全418体」については「家の各部屋に飾る」とコメントした。
( 2008年3月3日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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